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明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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【漫画総評】 ナースエンジェルりりかSOS 



作者巻数連載期間
原作・秋元康 作画・池野恋4巻1995年1月号~1996年6月号

【感想】


90年代のお約束を散りばめられた変身ヒロイン作品モノ。

原作を音楽プロデューサー・秋元康、作画を「ときめきトゥナイト」の池野恋が担当した異色タッグ作品。
少女漫画雑誌「りぼん」にて連載開始されたのが1995年1月号に対し、アニメが同年7月より放送開始となっていることからも元々メディアミックスありきで企画された漫画というのが分かります。
当時、戦うヒロイン作品として「美少女戦士セーラームーン」が覇権を取っていたので、対抗として生まれたのでしょう。

知名度としては圧倒的にアニメの方が上で、漫画版を知っている人は少数派のようです。
個人的には「セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん」のOPパロディ元ネタであることで作品を認知し、ヒロイン役の声優を務める麻生かほ里さんが歌うED曲を聴いて興味を持ち、漫画担当が池野恋さんであることを知って漫画版を買うことを決意しました。

大雑把な設定と雰囲気で進行する物語は90年代中盤までの特徴といえます。
1995年10月に放送開始された「新世紀エヴァンゲリオン」、1996年に始まった「カードキャプターさくら」など90年代後半からはシビアな世界観や整理された設定などが好まれる傾向が強くなるので、その直前に生み出された作品ですね。

定番が詰め込んだ代物で目新しさはありません。
しかし、逆に今の時代では見かけなくなってしまった昔ながらではの良さが詰まっています。

恋に焦がれる心優しい主人公の女の子。
本当はヒロインのことを大好きなのに素直になれず憎まれ口を叩いてしまう幼馴染み。
ファンクラブ付きの上級生美少年転校生。
ヒロインと瓜二つな別世界の王女様。
ぬいぐるみサイズのマスコットサポートキャラクター。

絵柄は終始安定。
キャラクターもみんな可愛らしい。

まさに王道の女子小中学生向け漫画です。
おもちゃ販促の効果からして漫画よりアニメ寄りの作品ですね。


★こんな気分の時にオススメ!
・古き良き少女漫画が読みたい
・王道を求めている
・細かい設定よりも雰囲気を重視したい


★この漫画が好きならこの作品も好きかも?












テーマ: 漫画の感想

ジャンル: アニメ・コミック

タグ: 漫画総評  ナースエンジェルりりかSOS  秋元康  池野恋 

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【漫画総評】 五等分の花嫁 



作者巻数連載期間
春場ねぎ14巻2017年8月~2020年2月

【感想】


週刊少年マガジン発、五つ子が織り成す超ド級青春ラブコメ。

連載開始されるや否や、話題沸騰となり近年多発するラブコメの中でもトップグループで走り切った評判作。
毎週のようにネット上で意見が飛び交っていたので、読んでいなくても知っているという人はいるのではないでしょうか。

タイトルや表紙絵を見て分かる通り、ヒロイン役の五つ子と主人公の男の子が繰り広げる学園青春ストーリーです。
昨今の流行りなのか、学業が優秀な主人公がヒロイン達の先生役となって指導していくという展開。
癖の強い女の子達に悪戦苦闘しながらも真摯に向き合うことで、互いの関係が少しずつ柔和になっていくといラブコメの王道を貫いています。

本作の特徴であり魅力的な点、それは「誰と結ばれるか分からない」ことでしょう。
冒頭にて将来結婚するシーンをほのめかしておきつつ、見た目で五つ子の誰か分からないという謎解き要素が大きな売りとなっています。

何だかんだいってラブコメ漫画というのはヒロイン役というのが明確に描かれるものがほとんどです。
最初に登場したとか1巻で表紙を飾ったなど、メタ的な視点で捉えてしまいます。
たまに脇役にスポットライトが当たって話題になりますが、騒がれるのはそれだけ稀だからでしょう。

それがこの作品においては、様々な伏線を散りばめつつも絞らせない工夫が随所に施されており、読者が予想したくなる組み立て方をしています。
もちろん設定や構成が優秀でも登場人物に魅力がなければ作品の質は半減しますが、その心配は要りません。
ヒロイン5人の破壊力は凄まじく、特定の推しがいなくても可愛いと思えるシーン満載なので楽しめる作りになっています。
バストアップのコマが多く、笑顔や照れた表情など余すところなく楽しめます。

ラブコメ好きなら読んで損はないどころか、読まないと勿体ない漫画ですね。


★こんな気分の時にオススメ!
・最後の最後まで結末が分からない恋愛漫画を読みたい
・可愛い女の子たちを愛でたい
・張り巡らされた伏線に驚きたい


★この漫画が好きならこの作品も好きかも?














【ネタバレあり感想】 (クリックorタッチ)





巻数内容
1五つ子との出逢い 三玖「責任取ってよね」
2花火大会 一花のお仕事
3中間試験 四葉「好きだから」 前田登場
4林間学校 金太郎と二乃 結びの伝説2000日目
5勤労感謝ツアー 七つのさよなら 二乃と五月の喧嘩 零奈と再会
6二乃ヘアカット 期末試験 引っ越し
7人気投票 期末試験 二乃「好きよ」
8二乃の告白 春休み温泉旅行 誓いの鐘
9武田と全国統一模試対決 五つ子バイト開始 一花が三玖変装して告白
10修学旅行 三玖「好き」 零奈の正体
11四葉の過去編 四葉「好きだったよ ずっと」 二乃ツンデレ回 一花休学
12学園祭 一花編&二乃編
13学園祭 三玖編&四葉編&五月編
14告白と返事 プロポーズ 結婚式 五つ子ゲームファイナル

▼一花

五つ子だけど明らかにお姉さん的ポジションだったのが長女・一花でしたね。
他は姉と妹という関係性は薄く横並びだっただけに、立ち位置が異質な存在でした。
姉として妹達を導かなければならないと思い込んでいた枷を四葉が解き放ってくれたのはよかったものの、裏工作に走りすぎてしまったのは見ていられませんでした。
よりにもよって一番人気の三玖に変装して致命的な嘘をついてしまったので、読者に嫌われてしまいましたね。
物語の掻き乱し役として必要だったのかもしれませんが、純真な想いを抱く二乃や三玖と比べると曲げられてしまった気持ちがかわいそうでした。

通して読むと三玖に次ぐ早さで風太郎へ恋愛感情を抱き、最も早く諦めたのが分かります。
修学旅行の裏側で暗躍していた一花は、ある意味で出番を多く貰えていたともいえますね。
後半は憑き物が落ちたかのようにサバサバとしてて、まさにお姉さんって感じでした。

▼二乃

好感度の幅が飛び抜けて大きかったのがツンデレ次女・二乃でしょう。
序盤は姉妹の中に入ってきた異分子である風太郎を徹底的に嫌っていたので、反感を買う存在でした。
人気投票が姉妹最下位だったのも致し方ありません。
それだけに二段構えの告白の破壊力は本作でもナンバー1だったと思います。
特に60話の告白し直しは、ラブコメにありがちな難聴主人公のアンチテーゼとなっていてインパクト絶大でした。

暴走機関車と名付けられた二乃のアクセル全開っぷりは気持ちいいほどに痛快。
一花とは対照的にむき出しの好意をぶつけてくるので、ニヤニヤするシーンが満載でしたね。
第二回人気投票があったとしたら上位に付けていたこと間違いなかったと思います。

▼三玖

引っ込み思案だけど健気で頑張り屋さんの三女・三玖
男性読者が好みそうな要素を独り占めしているかのような存在で、その証拠と言わんばかりに人気投票は断トツの1位でした。
3話と4話で早くも専用エピソードが割り当てられ、風太郎への想いも着実に育んできたのでファンが多いのも納得。
風太郎もちゃんと分かっていて、直接告白される前に好意に気付いるのがニクい。
指差しながら「好き」と宣言する三玖の告白回は、ほっこりとさせられました。

初期から好意を抱いていて五月以外からはバレバレということもあり、他の姉妹と辛みが多いのが特徴的ですね。
一花と牽制しあったり、二乃に対抗心を燃やしたり、四葉から協力してもらったり。
恋愛という意味においては、最初から最後まで中心にいた女の子でした。

▼四葉

トレードマークのリボンを結んで有り余る体力で飛び跳ねる元気娘の四女・四葉
学力は姉妹の中でも一番お馬鹿だけど憎めないこの娘が最終的に風太郎と結ばれるとは予想外でした。

風太郎が四葉を選んでくれて本当に嬉しい。
どの女の子も可愛いので誰と結ばれてもいいと思っていましたが、四葉に報われて欲しいという思いが一番強かったですから。
過去に出会っていたことをあって、最初から風太郎に協力的で嫌味がなかったのが大きかったですね。

しかし、風太郎は四葉が零奈だから恋したわけではないというのが興味深い。
お互いが人生を変えるほどの出会いだったにもかかわらず、あくまで今の四葉を好きになったのが良いんですよね。

四葉だけ早々に五つ子の中から見分けられているのが堂々とし過ぎていて、風太郎が四葉に抱いている好意に気付くことに遅れました。
四葉は嘘が下手と風太郎だけでなく四葉自身も思い込んでいるけれど、それは風太郎に対してだけなんですよね。
21話の「好きだから」→「嘘」のやり取りが、本当に最初から好きだから嘘でなく、だから風太郎も気付けない。
その上で114話が立ち位置も同じ構図で「好きです」→「私…上杉さんには嘘をつけません……」と今度は笑顔ではなく涙を零しながら告白するシーンが、たまらなく感動を誘います。

作り笑顔というのは言い過ぎですが、多少の演技を混ぜて気持ちを隠すことが多かった四葉。
だからこそ119話のプロポーズに対しての「お嫁さんです」と返事する四葉の満面の笑みを見るためにこの物語はあったのだといっても過言ではないでしょう。

転校することになってしまった負い目もあり、度が過ぎるほど献身的なのが魅力でもあり居たたまれない点でもありました。
一花や三玖をサポートしたり、付き合う前に姉妹との決着をつけにいったり。
全部ひっくるめて四葉が大好きです。

▼五月

主人公の相方であり食欲旺盛なマスコット的存在である五女・五月がメインヒロインだと思っていた人は多数いるでしょう。
何だかんだいいつつ最後に五月のターンがやってきて美味しいところを搔っ攫っていくものばかり思っていました。
まさか五月だけ事実上恋レースに参戦すらせず終わるとは。
ラスト4話目である118話にて恋心なのかどうか揺れる五月が垣間見れますが、解釈は色々とあるようですね。
無自覚な恋を自覚するとともに終わっていたということに五月自身が気付けたのは幸いといえるのでしょうか。

五月のベストシーンは110話の「いいこと思いつきました」「勉強教えてください」の流れ。
1話と同じ台詞ですが、五月だけではなく風太郎の成長もハッキリと分かる素晴らしい回でした。
恋愛ルートこそ譲りましたが勉学ルートの主役は間違いなく彼女でしたね。

▼総評

ミステリー要素もある恋愛漫画で物語に没頭できる作品でした。
惜しむらくは四葉とのラブラブエピソードの量が物足りないこと。
もっとイチャイチャして赤面する二人が見たかったなぁ。
単行本の加筆を期待したのですが、いつも通りのおまけ2ページで終わってしまいました。

完成度の高いラブコメで、読み直すことで知る楽しみが散りばめられていて何周も味わえます。
他ルートの結末も気にならないわけではないですが、逆算された構成を見せられると四葉以外考えられませんね。
蛇足的に引き延ばしてしまう作品が多い中で、ちょっと物足りなさを感じるのが逆に質の高い証拠ということなのでしょう。

テーマ: 漫画の感想

ジャンル: アニメ・コミック

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【漫画総評】 あさひなぐ 





作者巻数連載期間
こさぎ亜衣34巻2011年1月~2020年9月

【感想】


平凡な女子高生が薙刀に出会って特別な自分に成長していく青春スポ根ストーリー。

熱いスポーツ漫画をお探しの方は是非一度手に取ってみて欲しい作品。
メッセージ性が強めで、読者の心に何かしらの感情を残していきます。
それは羨望だったり、ほろ苦さだったり、憤りだったり、感動と呼べる昂りだったり。

実直に頑張る姿が美しい。
挫折して涙を流す姿が愛おしい。
時折後ろ向きになるけれど、それでもひたむきに前を向こうと努力する彼女達の積み重ねに心を掴まされます。

一番のセールスポイントは心情の移ろいでしょうね。
クセの強い登場人物達の心の奥底が暴かれる様は、深みがあってリアルに感じられます。
表面的なキャラクター性もコメディとして面白かったり、シンプルな格好良さがあったりと非常に魅力的。
名前のある人物が何十人と存在するので、共感を覚えるキャラが一人や二人は見つかるはずです。

もちろんスポーツ漫画である以上、勝負に勝った負けたという展開にワクワクさせてくれます。
試合結果が予想し辛くて、単純に物語の先が気になります。

作中でも取り上げている通りマイナーな競技なのですが、ルールはしっかり説明してくれているので問題ありません。
体の動きが自然と表現されていて、防具を付けた重量感、薙刀の鋭さ、ドタドタと響いてきそうな足音など画力の高さは目を見張るものがあります。
迫力のある見開きページも多いので、電子書籍で見る場合はタブレットで横にして読むことをお勧めします。

読み始めると止まらない、止められない作品ですね。
推奨しなくてもハマってしまえば最後まで一気に読んじゃうと思います。


★こんな気分の時にオススメ!
・熱血モノに飢えている
・努力が報われて欲しい
・感極まって泣きたい


★この漫画が好きならこの作品も好きかも?














【ネタバレあり感想】 (クリックorタッチ)





巻数内容
1インターハイ予選
2vs國陵高校 練習試合
3体育祭で部活対抗リレー 夏合宿開始
4夏合宿終了
5昇級昇段審査 八十村将子の過去
6新人戦団体戦開始
7新人戦団体戦終了
8福留やす子登場
9和歌山合同合宿開始
10合宿交流戦開始
11vs愛山高校
12vs熊本東高校 選抜予選 紺野さくら離脱
13選抜本選 宮路真春vs戸井田奈歩 進級 新一年生メンバー追加
14関東大会予選開始 東島旭vs八十村将子
15関東大会予選終了
16部内戦 180本目ノッポとボブ
17インターハイ予選開始 第1回人気投票結果発表
18愛知薙vs新田桂香
19二ツ坂vs藤ヶ丘 宮路真春負傷 二ツ坂vs國陵
20団体戦決勝 東島旭vs一堂寧々
21代表戦 東島旭vs一堂寧々 関東大会本選
22東島旭vs河丸摂
23寒河江純&三須英子引退試合 男子表彰式
24熊本東エピソード 夏合宿開始
25夏合宿
26夏合宿終了 二ツ坂エピソード
27インターハイ本選開始 第2回人気投票結果発表
28vs弦平高校
29インターハイ個人戦開始
30インターハイ個人戦終了 団体戦決勝トーナメント vs出雲英豊高校開始
31vs出雲英豊高校終了
32vs熊本東高校開始
33大倉文乃&野上えり引退試合
34東島旭vs島田十和 宮路真春vs戸井田奈歩


▼心技体の成長

この作品の魅力は、思春期を過ごす学生達の成長する姿に詰め込まれているといえます。

地道な努力の末に上達する巧さは、主人公の旭を中心として見事に描かれています。
しかし、それ以上に各々のメンタルに重きを置いた感情の揺れ幅が素晴らしい。

成長というのは一歩ずつ着実に階段を登れるものではなく、時には立ち止まったり下りてしまうことだってあります。
過去に引っ張られている将子、周囲のスピードに置き去りにされるさくら、未来のために選択を迫られるえり。
創作物ならではない等身大の高校生が悩む問題に共感を覚える人が多かったのではないでしょうか。

「孵化しそうな卵があったら、見届けたくなるでしょ」

11巻のやす子のセリフがまさに本質を捉えています。
努力を積み重ねた旭の覚醒する瞬間に目頭が熱くなり、転んでも立ち上がる部員達に感動させられます。
主人公達と同年代の読者なら気分爽快な場面かもしれませんが、学生時代から遠ざかった大人にとっては子を見守る親の気分になりますね。


▼脇役というにはあまりにも輝いているキャラクター

登場人物の掘り起こしが深く、全員が青春を捧げていることが伝わってきます。
脇役だからといって手を抜くことなく、主人公と同じ一人の人間を描ききっています。

例えば、13巻から登場した愛知薙はその筆頭。
通常、この手の新メンバーは受け入れがたいことが多くなるものです。
どうしても初期から登場しているキャラと比べて、下級生キャラというのは愛着が薄くなりがちなんですよね。

薙の生意気な性格により部の和を乱されて、異分子混入したかのような不穏な状態にも陥りました。
結果的には、部内戦でさくらからえりの部長バトンタッチや旭と将子の確執解消という名場面続出となりましたが、読者視点からすると薙に対して負の感情を抱いてしまう流れだったと思います。
そんな薙が桂香にプライドをへし折られ、母への想いを吐露し、泣きながら薙刀をやめる発言する時にはもう大事な仲間の一人になっていました。
母から離れ、仲間に支えられ、泥臭く勝利をもぎ取ろうとする様には応援したくなりました。
最後まで生意気なままなところも根は変わらなくて良かったです。

毒舌で自己中なのに周囲を見れるさくらもお気に入りの一人。
後半は実力的に出番が少なめでしたが、彼女が背骨として部を支えてくれたおかげで旭や将子が輝けたんだと思います。
最終回でえりに抱き着いて号泣しているシーンが、部内戦の時と逆転していて印象的でした。

せっちゃんこと河丸摂も好きなキャラですね。
身体的な事情から短期決戦となったスタイルが、まるで居合の達人かのよう。
余分なものを削ぎ落して鋭くなった切っ先で一撃で仕留める姿は、彼女の生き様を表していました。

他にも挙げたらキリがないくらい、魅力的なキャラでいっぱいで語り尽くせないですね。


▼全国大会より地方大会の方が盛り上がるという漫画あるある

この作品は途中で一度事実上の完結を見せています。
それは、21巻のインターハイ予選団体決勝代表戦・東島旭vs一堂寧々。

表の主人公が旭であれば、裏の主人公は間違いなく寧々でしょう。
部内で交流を持とうとしない一匹狼で、それこそ薙なんて比べ物にならないくらいのプライドの塊。
事あるたびに旭と衝突してきた彼女との最大の一戦がそこにありました。

物語冒頭では文字通り天と地ほどの差があった実力が勝負になるぐらいにまで差を縮めたことに感嘆。
汗が飛び散り涙を流しながらも熱い想いで薙刀を振るう彼女たちの姿に心を震わされます。
互いの生き様を愚直なまでにぶつけ合ったことで、理解し合える関係となったのが嬉しかったですね。
一皮むけて吹っ切った寧々は、きっとこれからもっと強くなるんだろうなと想像させてくれます。

しかし、その反動というべきか、全国大会に向けて旭にとってのライバルが不在となってしまいました。
作者もその後の展開に苦労したそうですが、抜擢されたのが熊本東高校の島田十和。
後付けで肉付けした割りには良い立ち位置のキャラでしたが、寧々に比べると魅力は一歩劣ってしまうのは仕方ないですね。


▼描かれなかった宮路真春vs戸井田奈歩のラストバトル

東島旭vs一堂寧々と並ぶ黄金カードとして相応しかったのが宮路真春vs戸井田奈歩。
勝ち星予想から代表戦で戦ってくれるはずという期待通りの展開でテンション爆上げでした。
しかし、実際には勝負の行方は省略されることになり、賛否両論となったようですね。

単行本で読んでいると残りページ数から描かれないんだろうなとは予想できてしまいました。
個人的には納得はしているけど、正解だったかと言われると微妙なところだったと思います。

作者がWEB上の完結インタビューでも語っている通り、真春が代表戦に出て決戦を迎えられたことが全てなんですよね。
あの展開以上の盛り上がりを描くことは難しいですし、熱戦にしすぎると主人公の旭が霞んでしまう。
そういう意味では描かれなかったことは間違いではなかったのでしょう。

ただそれなら、真春のエピソードをあまりにも丁寧に描きすぎたのは逆効果だったかもしれません。
合宿と選抜で戦って再戦フラグを立てました。
真春が怪我をして仲間との団体戦を諦めてでも個人戦に絞ったのも奈歩と戦うためでしょう。
怪我を抱え何度も挫折し雨でも消せない泣き声を漏らした彼女が、決勝直前で負けた時の苦しみはどれほどだったのか。
どん底に落ちた彼女が、これからもずっと歩み続けるであろう薙刀の道を仲間から教えてもらい、舞台を用意してくれたことはどれだけ嬉しかったんだろう。
旭の物語は寧々との勝負で一度完結していましたし、真春と奈歩の勝負に没頭したかったとも思ってしまいますね。


▼マイナー部活作品好きにはたまらない

競技人口が少ない作品のメリットとして、主人公が素人でも成長して活躍することに違和感がないという点が挙げられます。
この作品が好きな人は「あさひなぐ」「とめはねっ!」「灼熱カバディ」なども好んで読んでそうなイメージがありますね。
薙刀を扱った別漫画を読みたいという欲よりも、マイナー部活モノを読みたいという気持ちが強くなりました。
もちろん、作者が新作発表した時はチェックしますけどね。

▼総評

シンプルに面白くて、出逢えて良かったとしみじみと思える作品でした。

それにしても、どうして実写映画化はされてアニメ化はされなかったのでしょうか。
完結作品でもまだチャンスはあるかもしれませんが、このままだと期待薄でしょうね。

テーマ: 漫画の感想

ジャンル: アニメ・コミック

タグ: 漫画総評  あさひなぐ  こさぎ亜衣 

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