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明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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僕は友達が少ない⑧ 

僕は友達が少ない 8 (MF文庫J)僕は友達が少ない 8 (MF文庫J)
(2012/06/22)
平坂 読

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読書期間:2012/6/30

【評価……B+
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
ラブコメ
青春
リア充
友情


 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8



 聖クロニカ学園学園祭本番、前座のような体育祭はつつがなく終わり、いよいよ文化祭当日となった。
 自主制作映画を上映する予定の隣人部だったが、映画の仕上げを担当していた理科が倒れてしまい、映画は未完成となり上映は中止に。残念な結果となった学園祭ののち、これまでの馬鹿馬鹿しいけど賑やかで楽しい活動の日々へと戻っていく隣人部。互いに絆を深めていく隣人部の面々と過ごしながら、小鷹は隣人部への思いをいっそう強くする。
 そんなおり、星奈を敵視する生徒会の遊佐葵が隣人部に対して不穏な動きを見せ、小鷹、夜空、星奈、理科、幸村の関係にも大きな転機が訪れる――。
 残念系コメディ、ついに終幕……!?

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


アニメ第二期が発表された残念系青春ラブコメ、第8弾。
これまで3~6ヶ月ペースで刊行していたので、9ヶ月振りの新刊は久しぶりに感じました。

前回から引き続き、理科の甲斐甲斐しさが目を瞠る物語ですね。
決して得意なわけでもないのに、立ち回れるのが自分しかいないからという理由で、献身的な行動に出られる彼女は、尊敬に値します。

夜空は自分のことで手一杯だし、星奈はそもそも良い意味で自己中心的な考え。
幸村は献身的というよりも異常なまでに従順であるだけで、小鷹を導くわけではなく、やはりあくまで自分主体なんですよね。
そう考えると、自分を押し殺してまで小鷹を引っ張り上げようとする理科は、頭が回る分、損をしてしまう性格といえるもので、隣人部の誰よりも人の心に敏感な娘なんだと思います。
自由気ままに振る舞っていますけど、本当は泣きたくなるくらい健気で可愛い女の子ですよ。
初期から雰囲気だけは感じ取れていましたが、ここまで広げてくれるとは思ってもみませんでした。

作品テーマ的には、理科こそが正ヒロインといってもいいくらいです。
哀しいかな、それは「友達」という意味になってしまうんですよね。
既に友達同士になっている事実から目を逸らす小鷹を向き合わせるために、文字通り実力行使で正そうとする理科とのやり取りは、どこまでいっても熱い友情物語にしかなりません。
それはそれで大切なことなんですけど、女の子としては非常に可哀想なポジショニングですね。

それもこれも、小鷹がヘタレすぎるせいです。
彼の言い分もわからないでもないんですが、それを踏まえたとしても酷い。
時には、逃げるという選択肢が必要なことだったあるので、そこは追及しません。
しかし、投げ掛けられた言葉をなかったことにする無神経さは、責められて当然ですね。
「え?なんだって?」じゃねえよ、まったく。

でも、彼が主人公だったからこそ成り立つ作品なんですよね、これは。
青春ラブコメのアンチテーゼともいうべきプロローグが、ようやく終わりました。
メッセージ性としては、本質を捉えていて良かったと思います。
ただ、その表現方法が突飛だったり、台詞回しが些か強引だったのは引っ掛かりましたがね。

そして始まる本格的なラブコメディ。
理科が「友達」としての正ヒロインであるならば、「恋人」役はやっぱり星奈
夜空の立場がないぐらいに星奈のヒロイン力が圧倒的過ぎる。
恵まれた環境に加えて、天性のお嬢様気質が何とも輝かしい。
一見すると、ドSな夜空がしっかり者で、ドMな星奈が打たれ弱いように見えますが、中身は逆。
意外と脆い夜空に対して、星奈の揺ぎ無さは感心するレベルです。
躊躇いなく想いを言葉に出来る星奈は、素直に凄いなと思いますね。

幸村もまた芯の強い人間だなぁ。
この娘の行動原理は、どこから湧いてくるんだろう。
これだけ小鷹がヘタレていると、そこまで信頼する幸村が不思議に見えてきますね。

停滞していた……いや、小鷹が停滞させていた物語が、ようやく動く時が来ました。
本来であれば、ここからが本番なのですが、作品的には今回がクライマックスかもしれません。
踏み出せなかった一歩を友達が背中を押してくれて、進むことができたのですから。

現状維持に固執していた臆病な男を前へ進ませようとする女友達の言葉が熱い

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  僕は友達が少ない  平坂読  ブリキ  評価B+ 

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僕は友達が少ない⑦ 

僕は友達が少ない7 DVD付き特装版 (MF文庫J)僕は友達が少ない7 DVD付き特装版 (MF文庫J)
(2011/09/21)
平坂 読

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読書期間:2011/9/22

【評価……B+
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
ラブコメ
青春
リア充



 ★★★★★★★★☆☆ … 8
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★★★
 … 9




 羽瀬川小鳩の誕生日パーディーも無事に(?)終わり、ふたたび学園祭に備えての活動を開始する隣人部のメンバーたち。紆余曲折の末、文化祭の出し物の内容は映画作りに決定し、脚本は夜空が担当することに。だが、やたらと小鷹との過去の関係を強調する夜空と他の女子部員たちとの間に不穏な空気が流れ始める。
 そんなおり、小鷹と星奈との間にも実は『特別な関係』があったことが発覚し、さらには隣人部のジョーカー、志熊理科までもが動き出す。
 大人気残念系ラブコメディ第7弾、リア充たちの祭典を前にして物語はついに佳境を迎える……かも。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


只今アニメ放送真っ最中の残念系青春ラブコメディ、第7弾。
出来については手放しに誉められるものではありませんが、原作の売り上げが伸びているようなので、ひとまずは成功と言えるのかな。

通常版と特装版が発売された第7巻。
DVD付き特装版を購入しました。
アニメ0話の感想については、こちら

今回の内容は、文化祭の出し物選びの続きから。
急に時間の経過がゆっくりになったのは、好調な売り上げから引き伸ばそうという魂胆なのでしょうかね。
小鷹たちが3年に進級してしまうと、受験や進路の話を無視するわけにはいかなくなりますから、2年生で話を畳みたいんだろうなーと思います。
それでも面白く書けるのであれば、読者としては文句なんてありませんがね。

普段通りに賑やかなラブコメに終始するのかと思いきや、ラストは意外な展開に。
はがないは今まで引きを強めるために、最後に爆弾を投下する傾向がありましたが、それはいずれも恋愛的なネタばかりでした。
夜空との邂逅や、星奈の結婚話など、小鷹を引っ張りあうような話で、ラブコメ的に正しいストーリーラインだったとは思います。

しかし、ここでまさかの「僕は友達が少ない」というタイトルに触れるような原点回帰
コメディとは思えないような鋭い切り返しは、今後の物語に大きく影響を与えそうです。
もちろん急激な変化はないでしょうが、最終的な決着は思っていたよりシリアス風になりそう。
今までが気楽に読めるラブコメだっただけに、評価が割れるかもしれませんね。
個人的には舵取りが難しいだろうなと思う反面、どのような構成にしてくるのかより一層楽しみになりました。

BLやエロに走るキャラも見せるけれど、やっぱり理科が一番真摯だよなぁと思いますね。
隣人部メンバーの内面をしっかりと観察し、考慮し、配慮する。
部内では後輩組なのに、誰よりも大人の考えをしています。
他のみんなは誰がどう見てもリア充ですが、理科だけは正真正銘のぼっちな気がしますね。
だからこそ、隣人部を大切にしているように感じられました。
ギャグっぽく振る舞わず、小鷹にはもっと理科に対して優しくしてやって欲しいなぁー。

何気に相手に合わせるところがある理科に対して、唯我独尊なのが星奈ですね。
いやまぁ、事実優れているところは多々あるんで、あながち自惚れでもなかったりするんですが。
特に今回は、性格がブレないことが格好良く見えました。
自分が正しいものを愚直なまでに信じる姿は、眩しくて尊敬さえしてしまいます。
ここにきてメインヒロインの風格さえ感じられますよ。
単なるギャルゲーを貪る肉というわけではないですね。

その一方で、今まで築き上げてきたクールビューティーの座をボロボロと音を立てて崩したのが夜空でした。
性格のキツさを残念所として取り上げていたのが、まるで肉と役柄が交代になったかのように、失敗やミスを繰り返すドジっ娘系に変貌していました。
溜め込んできただけあって、このギャップの破壊力はすげぇ……。
口絵のとろけそうな笑顔を浮かべる夜空を見たら、こちらまで頬が緩くなっちゃいます。
他にも泣き顔や、照れた顔、悔しそうな顔など、色んな表情を見ることができ、女の子としての魅力度が一段と上がりました。
ラブコメ的には、間違いなく夜空回だったといえると思います。

小鳩&マリアのロリっ子ペアや、表情が柔らかくなってきた幸村にも見所はあります。
次に繋がるような新キャラも顔見せ程度に出てきています。
それでもやっぱり小鷹を真剣に恋慕する夜空・星奈・理科の3人が、物語を大きく動かしていくんでしょうね。
星奈または理科エンドだと歓喜なのですが、無難に落ち着いちゃうのかなぁ。

訪れた転機を受け止めるのか避けるのか、ラブコメとシリアスの傾く先が気になります

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  僕は友達が少ない  平坂読  ブリキ  評価B+ 

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僕は友達が少ない⑥ 

僕は友達が少ない6 ドラマCD付き特装版 (MF文庫J)僕は友達が少ない6 ドラマCD付き特装版 (MF文庫J)
(2011/05/25)
平坂読

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読書期間:6/7

【評価……B+
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
ラブコメ
青春
リア充



 ★★★★★★★★☆☆ … 8
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★★★
 … 9




 理科の発明品がきっかけで、夜空と小鷹の秘密が他の部員たちにもバレてしまった。『元友達』という(友達がいない人にとっては)極めて特別な関係を前にして、隣人部の人間関係にも変化が……!?
 一方そのころ、学園の他の生徒たちは一ヶ月後に迫った学校生活最大のイベント、学園祭に向けて盛り上がっていた。いつかリア充になったときのため、隣人部も学園祭に向けて動き出――そうとするのだが……。例によって迷走を繰り広げる彼らは、果たして学園祭を成功させることができるのか!?
 学園祭だけではなくリア充には不可避の「あのイベント」にまで果敢に挑戦する、大人気残念系青春ラブコメ第六弾、どこまでも残念に登場!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


アニメ化も決定し、更なるブレイクを予感させる大人気残念系ラブコメ、第6弾。
今回は、ドラマCD付きの特装版も合わせて発売されました。
余裕ぶっていたら予想外の入手困難さに焦りましたが、何とか買うことが出来てホッとしています。

各ヒロインをメインとした話が一回りし、落ち着いた印象のある回でした。
物語的にもキャラ的にも突出しておらず、全員足並みを揃えている感じ。
公平に出番があったといえますが、おかげでインパクトに欠ける内容になっています。
面白いのは確かなんですけど、萌えの破壊力は一段階減少していますね。

幸村の性別が女だと発覚し、本格的にハーレム系ラブコメへと突入しています。
立ち振る舞いが男の娘から、女の子側へとシフトしているのが見てとれます。
おかげで、当初の友達が出来ないという共通の懸案事項は一人歩きして、少々残念な一面のある美少女たちとキャッキャウフフしている定番のラノベになってしまいましたね。
それはそれで良いのかもしれませんが、初期の設定を考えると惜しいなぁという気はします。

あと、肝心のラブコメ模様は、主人公の小鷹が朴念仁すぎて空回りしているのが痛い。
せっかく可愛い女の子たちが、文字通り体当たりで好意を示してくれているだけに、小鷹の鈍感さは本当の意味で残念です。
何が言いたいかというと、もうちょっと理科のアクションにドキドキしてもいいと思うんだ。

一方で、女子部員たちは、みんな恋する乙女モードになりつつありますね。
ぶっきらぼうだった夜空は、特に分かりやすい。
ポロポロと感情を零すようになっており、クールな仮面が取れる場面も少なくなってきました。
このギャップこそ、クーデレの魅力だなぁ。

理科も同様に、変態的要素を抑えて小鷹にアピールをしているんですが……。
親しくなっていく過程で羽目を外し過ぎたことが、ここにきて悪影響を与えてしまっていますね。
まぁ、自業自得といえばそれまでなんでしょうけど、小鷹の態度が他部員と違いすぎます。
弄られキャラとはいえ、ずっとこの調子では可哀想ですよ。

星奈の残念さは、多少持ち直していますね。
客観的に見れば、まだまだ酷いんですけど、人間的に残念ではなくて、ただのアホの子って感じなので、逆に愛らしい気持ちになっちゃいます。
それだけ何でも一生懸命で、真っ直ぐだという証でもありますしね。
小鳩のような厨二病的なものとは異なる痛々しいところが、大好きです。

▼ドラマCD付き特装版

6巻のラストにあるエピソード「禁じられた遊び」がドラマCDとしてセットで付いています。
通常版にも同じ話が収録されているため、話が知りたいだけであれば、どちらでも問題ありません。
個人的には、ドラマCDを聴きたかったこともありますが、表紙絵の星奈にやられたという理由も大きかったりします。

50分近い内容にも関わらず、これで本書と合わせて1500円は安いなぁ。
今ではプレミア付いていて、amazonでは倍近い値になっているのも納得です。

さて、一番の注目は、やはり声優さんでしょう。
名の売れている方が多いだけあって、演技は文句なしです。
ただ、キャラと合っているかどうかは、話が別。

星奈役の伊藤かな恵さんは、ハマリ役でした。
夜空役の井上麻里奈さん、小鷹役の木村良平さんは、悪くなかった気がします。
理科役の福圓美里さん、マリア役の井口裕香さんも聴いていたら慣れてきました。

問題は、幸村役の山本希望さん、小鳩役の花澤香菜さん。
この二人は違和感が半端無かったです。
特に小鳩の口癖である「ククク……」の喋り方が微妙過ぎる。
アニメも同様のキャストで行うらしいけれど、絵があると印象も変わるのかなぁ。

話自体はエロくて、はがないらしかったです。
作者やりたい放題だな……w

鈍感な主人公がモテまくるエロ度の高いハーレム系ラブコメ

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  僕は友達が少ない  平坂読  ブリキ  評価B+ 

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ラノベ部3 

ラノベ部 3 (MF文庫J ひ 2-18)ラノベ部 3 (MF文庫J ひ 2-18)
(2009/07/25)
平坂 読

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読書期間:2011/2/8~2011/2/9

【評価……B+
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
パロディ
ラブコメ
青春



 ★★★★★★★★☆☆ … 8
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7




 留学生のリアも加わりますます賑やかになりつつも、やっぱり基本的にはまったりとした読書生活を送る軽小説部――通称ラノベ部の部員たち。
 本屋で偶然出会ったり、部室で何でもない話をしたり、勉強したり、家に遊びにいったり――。文香もまた、のんびりと、でも確実に暦やリア、美咲たちとの絆を深めていく。
 そんなある日、部室で龍之介と二人になった文香は、自分が抱く初めての気持ちを抑えきれなくなり――?
 リレー小説ももちろん収録、大好評の日常系スクールライフノベル待望の第三弾。微妙に波乱の予感をさせつつも、やっぱりまったり登場です。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


ライトノベルを愛する高校生達がまったりと語り過ごす日常を描いた青春コメディ。
シリーズ最終巻です。

とても面白い良作でした。
あるあるネタで共感したり、分かる人には分かるパロディネタで笑わされたり、とにかく楽しい。
元ネタを把握している人ほどニヤリと出来るのは間違いないでしょうね。

個人的には、この最終巻では3割ほど分からないものが混ざっていました。
それでも詰まることなく読めるので問題はないのですが、興味はそそられますね。
購読意欲を高めさせられて、見事に作者の術中にハマっている気がしますよ。

ラブコメ要素が増して、恋模様が激しく吹き荒れています。
いやー、青春してるねー。
竹田と美咲の関係がツボすぎて、あーもどかしいわぁー。
文香もリアも可愛いと思うんですが、竹田の嫁は美咲しかいないでしょう。

コメディシーンとしては、やはりリレー小説が鉄板。
書き分けが巧みで、それぞれの文章にらしさが練り込まれており、感覚で誰が書いたのか伝わってきます。
二転三転どころじゃ済まない引っくり返される展開が面白かったです。

時事ネタや流行ネタが多いため、今読んでこそ楽しめる作品となっています。
既に完結から1年半経っていますが、3年後ぐらいには鮮度もすっかり落ちてしまっているんだろうなぁと感じます。
もし手をつけようか悩んでいる人がいれば、早めに読むことをお薦めします。

こうしてみると、「僕は友達が少ない」の前作にして雛型というのが随所に表れていますね。
人気が出始めていたにも関わらず3巻で打ち切った理由は、ネタ切れだったのか。
確かに、ラノベネタも苦しくなっていたようで、この巻では軸がブレつつありました。
あとがきで仰ってる通り、テーマに縛られない作りが成功したってことなんでしょうね。

ラノベ系パロコメディからラブコメにシフトした展開を見せる完結編

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ラノベ部  平坂読  よう太  評価B+ 

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ラノベ部2 

ラノベ部〈2〉 (MF文庫J)ラノベ部〈2〉 (MF文庫J)
(2009/01)
平坂 読

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読書期間:2010/11/30~2010/12/1

【評価……B+
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
コメディ
パロディ
ラブコメ



 ★★★★★★★★☆☆ … 8
 ★★★★★★★★
 … 9
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7




 軽小説部……通称『ラノベ部』。そんな不思議な部に入部した物部文香。クラスメイト・藤倉暦や部長・浅羽美咲らとともに、本を読んだりお喋りしたり、たまには勉強もしてみたりといつまでも続きそうな毎日を過ごしていた。
 そんなある日、文香達のクラスに留学生・リアがやってきた。リアは幼い頃から日本の漫画や小説が大好きだったらしく、それがきっかけで文香と仲良くなっていく。でも、ラノベ部の日常は変わりなく過ぎていき――。
 美咲&竹田のラノベ部説リスのエピソードも収録した、大好評の日常系ライトノベル第2弾、読むといいことある、かも?

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


ライトノベル好きが集ってのんびりと雑談をして過ごす、日常系パロコメディ。

面白いなぁ。
意図的に柔らかい文章で構成されていて、とても読みやすいです。
1巻が楽しめた人なら、間違いなく買いだとお薦めできます。

色んな切り口からキャラの言葉を通して語られるラノベ論が楽しい作品ですね。
ラノベの定義から始まり、メタ論であるとか、一般文学との比較とか、非常に興味をそそられました。
メッセージ性が強いようで、ラノベ独特の自由さも謳っているので、キツイ印象は全くありません。
人の数だけ考えがあるというのは、素敵なことだと思います。
だからこそ、共感できる時に喜びを感じるわけですからね。

この2巻においては、竹田と堂島に共感を覚えました。
特に堂島は、個人的な好感度がウナギ登りでしたね。
登場時はキャラポジが微妙だなーと思っていたんですが、毒舌の正論ってのはスカッとして気分がイイ。
アンチの大半は、自分の品格や好きな作品を貶めていることに気付いていないんですよね。
批判することは大事だし、感情論も大いに結構だけど、やり方を間違えちゃいけないよなー。

話としては、ラノベ部設立エピソードである「ラノベ部はじめて物語」が良かったです。
竹田と美咲の幼馴染の関係が、思っていたよりも踏み込んだもので驚いた。
お互いのことを知り過ぎているというのは、切ないもんだなぁ……。
文香も健気だとは思うけど、竹田を応援せずにはいられません。

もちろん、ラノベあるあるネタも面白かったです。
ラノベが好きな人ほど元ネタが分かって楽しめる仕様には違いありませんが、単純に部員同士のやり取りも朗らかに笑えるので、コメディ小説としてもレベルは高いです。
本棚の二重置きは基本だよね、うん。

唯一突っ込むところがあるとしたら、表紙のパンチラ。
ラノベらしいといえばらしいけど、不自然なパンチラはいらないわー。

ラノベに関する濃いトークを繰り広げる部活動が参加したくなるほど羨ましい

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ラノベ部  平坂読  よう太  評価B+ 

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僕は友達が少ない⑤ 

僕は友達が少ない (5) (MF文庫J)僕は友達が少ない (5) (MF文庫J)
(2010/11/20)
平坂 読

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読書期間:2010/11/28~2010/11/29

【評価……A-
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
ラブコメ
青春
ロリ
リア充
衝撃度

 ★★★★★★★★ … 9
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★★★★★
 … 10
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8


 ある日父・隼人から電話でよくわからない話を聞かされて驚く羽瀬川小鷹だったが、星奈にそれとなく確認してみたところ、彼女のほうは特に変わった様子もない。一応気になりはつつも、隣人部ではいつものように残念な部員たちとの騒がしい日々が続いていく。遊園地に行ったり温泉に行ったり理科が作ったタイムマシンで過去に行ったり(!?)、いろんなところにGO(5巻だけに)!
 隣人部の人間関係にも変化がおとずれる、はいてもいるしはいてなくもあり、ついているようでついてない、大人気残念系青春ラブコメディ、変化と原点回帰の二学期編突入!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


友達が欲しいと思っている思春期の少年少女が友達と送る学園ライフ、通称「はがない」第5弾。

なん……だと……?
うわー、物凄いサプライズが隠されていましたよ。
いやいや、考えてみれば至極当然のことなのかもしれませんが、完全に想定外でした。
これは上手く読者の思考の死角を突いてきたなぁ。
固定観念とは恐ろしい。

この件で、ある事に対して驚きと同時に印象がまるで変わったわけですけど、意外にも賛否両論のようですね。
否定派の心情も理解はできますが、個人的には大いに支持したい。
自分でも現金だと思うんですが、湧き立つドキドキ感が止まりません。
既刊も読み直してみたら、おそらく全然別物のように感じ取ることができるんだろうなぁ。

そんな衝撃的な事実が判明した今巻ですが、相変わらず面白かったです。
若干、同じネタやオチが多いのが気になるものの、隣人部員たちのやり取りを見ているだけでも楽しいもんです。
今まで通り、表紙のキャラがメインとなる話が多く、幸村と理科のエピソードが豊富でした。

幸村も輝いていましたが、やっぱり取り上げるべきなのは理科でしょう。
前々から言っていますが、小鷹に積極的にアピールする姿は、本当に可愛いと思います。
変態というか下品な言葉を頻繁に口にするので誤解されやすいですが、彼女も年頃の女の子なんですよ!
世間的に、5巻で「理科が可愛く見える」という感想が多くて絶望しました。
理科は最初から可愛いってば!
小鷹の反応に一喜一憂している恋する少女らしい一面に、ときめいてしまいます。

それにしても、だ。
それぞれに友達のできない残念な理由があるけれど、小鷹は女の子の気持ちに無頓着すぎるのが原因だなぁ。
これだけ周囲から浴びるように好意を得ているのに、気付く素振りが一切ない。
さすがに、理科を筆頭に女の子たちが可哀想に見えました。

お気に入りキャラである星奈は、残念さが巻を追うごとに酷くなっているような気がします。
美少女な外見に反して性格の酷さが面白可笑しいところであったとはいえ、小鷹や夜空に対して照れるところや、中身は純真なところが可愛かったのに、今回は負の面ばかりが表に出ていました。
この娘は、分かりやすいツンデレを見せてくれた方が魅力的だと思うんですよね。

逆に夜空は、残念さが鳴りを潜めつつあり、小鷹に対する好意が顔や声に出ていましたね。
非道な罠に嵌めたり、暴言を吐いたりしてこそ夜空ですが、こういう彼女も悪くないかな。
まぁ、肉に対しては相変わらずでしたがw

ストーリーは、予想通り進展がなくて少々ガッカリ。
前回の引きで、星奈との結婚話が浮上しましたが、ほとんどスルーして終わりました。
いやまぁ、きっとシリーズ終盤でまたこの話が関わってくるんでしょうがねぇ。
引きが強くても、肩透かしばかりだと、どうせ大した進展はないんだろうなと読者に悟られてしまうので、演出だとしてもやりすぎないようにして欲しいなぁ。

ブリキさんのイラストは、いつにも増してR指定が入っちゃうようなギリギリなものが多かったですね。
単純にエロティックなものから、ヤバそうな描写なまで、見所満載でした。

余談。
作中で出てきた遊園地のモデルが、地元三重県のナガシマスパーランドまんまでニヤリとしました。
ジェットコースターは、完全にスチールドラゴンだったもんなぁw
ここの温泉は、何回も行ったことがあるので、間取りが頭の中にあって滅茶苦茶想像しやすかったです。

友達作りのはずが、周囲は彼女候補ばかりの鈍感な主人公の青春ラブコメ

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  僕は友達が少ない  平坂読  ブリキ  評価A- 

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僕は友達が少ない④ 

僕は友達が少ない 4 (MF文庫J)僕は友達が少ない 4 (MF文庫J)
(2010/07/21)
平坂 読

商品詳細を見る
読書期間:2010/7/23

【評価……A-
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
ラブコメ
青春
ロリ
リア充


 ★★★★★★★★☆☆ … 8
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★★★
 … 9
 ★★★★★★★★
 … 9



 夏休み明けに衝撃的な出来事があったものの、羽瀬川小鷹は相変わらず友達のいない学校生活を送っていた。
 一方隣人部では、夜空に触発されて他の部員たちまでイメチェンに挑戦したり、手つかずだった小鳩の夏休みの宿題をみんなで手伝ったり、BLアニメを鑑賞したりと、これまでどおりの残念で賑やかな日常が繰り広げられるのだった。
 しかし、一見前と変わらない様子の夜空が、たまに可愛い素振りを見せることが……。これはもしかして――デレ期?一方星奈の父・天馬と小鷹の仲も深まったり――。
 大人気残念系青春ラブコメ第四弾、僕たちの熱く残念な季節は終わらない!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


リア充ライフを自覚せずに満喫する残念系青春ラブコメ、第4弾。

面白かったなー。
キャラが頭の中で勝手に動き回る作品は、楽しいし読みやすい。

予感はしていたけれど、やっぱり夜空との過去話は大きく進展しませんでしたね。
こんなに人気を集めている作品を、そう簡単に収束させる方向に持っていくわけがないか。
小鷹が、幼馴染のソラが夜空であると気付いた後も、変わらない日常が続いていました。

前回はネタバレになるので言及は避けましたけど、ショート姿の夜空も似合っていて可愛いですね。
黒髪ロングの方が好きだという人は多そうですが、これはこれでありだと思う。
まぁ、黒髪ロング成分については理科が引き継いでくれますよ……たぶん。

内容は、部室内で残念さを競う恒例のパターン。
初期の頃から、このシリーズはギャグのキレではなくキャラで売っている作品なんですよねー。
一見するとステータスの高い美少女なのに、性格が歪んでいたりするギャップに面白さを感じるので、似たようなシチュエーションが多くても楽しむことができます。
全体的に、星奈の残念っぷりが酷かったw
女の子として超えてはいけないラインを、ろくに考えずに飛び込んでしまうから大怪我に繋がるんだよw

ただまぁ、そろそろ読者に喧嘩売っているのかと言いたくなってきました。
恵まれている環境を認識せずに、不幸ぶる小鷹にイラッとしたり。
どれだけリア充か分かってるのかテメー……w

表紙のマリアに関するエピソードが多く含まれていたのも特徴の一つ。
純真なアホの子は、穏やかで幸せな気分にさせてくれるなぁ。
うんこうんこ言ってるだけなのに、微笑ましい気分になるのが不思議。
年少組では、小鳩よりもマリア派だなぁ。

ブリキさんの仕事ぶりは、ホント素晴らしいの一言。
たまに瞳が大きすぎる時もあるけれど、基本的にどれもこれも可愛い。
表紙絵のマリアの衣服のピッチリ具合は犯罪臭がしますね。

最後にまたしても爆弾が投下されましたが……まぁ予想通りかな。
そろそろ「僕には残念な友達が多い」にタイトル変更していい気がするw

ラブ要素増し増しのリア充青春ストーリー(ロリ回)

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  僕は友達が少ない  平坂読  ブリキ  評価A- 

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ラノベ部 

ラノベ部 (MF文庫J)ラノベ部 (MF文庫J)
(2008/09)
平坂 読

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読書期間:2010/4/5

【評価……B+
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
コメディ
パロディ
メタ



 ★★★★★★★★☆☆ … 8
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8





物部文香はごくごく普通の高校一年生。高校に入学して一週間、今まで通りさして特徴のないごくごく普通の毎日を送ってきた文香だが、ある時ふと気がつくと軽小説部、通称『ラノベ部』に所属することになっていた……!
かといってたいそうな事件が起こることはなく、ライトノベルを読んだりちょっとだけ変わった友達と友情を育んだり、一風変わった先輩に絡まれたりと、楽しく日常を過ごしたり過ごさなかったりしていた。
そんな、どこにでもありそうな、でもどこにもなさそうな日々が繰り広げられる新感覚ライトノベルのはじまりはじまり。

【感想】


ライトノベルを好んで読む者たちが集う「ラノベ部」の他愛ない雑談を描いた、日常系コメディ。

予想していたよりも、かなり面白くて驚きました。
なるほど、これは評判が良いわけだ。

よくある文化系部活ラノベで、いわゆる日常系と呼ばれる雑談メインの作品ですね。
「生徒会の一存」シリーズのように部室内でほぼ完結しており、なおかつ1話が10~20ページの短編となっているため、テンポのいい四コマ漫画を読んでいるような気分になります。
似ている要素は多いものの、「生徒会の一存」が激しいボケとツッコミで漫才風のテイストになっているのに対し、「ラノベ部」はシュール&まったりとした他愛のない雑談が面白可笑しくて、受ける印象は大きく異なりますね。
ゆる~い雰囲気のおかげで、気を張って読む必要性が無く、気分転換にピッタリです。

ライトノベルという言葉すら知らない物部文香が、流れでラノベ部に入部するところから始まる導入は、正面から描ききっていて感心させられました。
そもそもが定義が曖昧ではっきりとしないライトノベルという分野を説明すること自体が難しいはずですからね。
ラノベがどういったものであるかを、感覚で伝えてくれており、共感できるところが多かったです。
作品自身がラノベを体現していて、初心者向けラノベとして名高い理由も読んでみて納得できました。

しかし、だからといって、普段からラノベを読んでいる人にとってはツマラナイのかというと、そうでもありません。
ラノベ読者にとってはニヤリとさせられるネタが随所に仕込まれており、これはこれで楽しませてくれます。
ラノベ部という部活動の雰囲気を表わすのに、実在のライトノベルを使ってパロネタやメタ要素を散りばめるのは非常に効果的だったと思います。

定番のキャラクターが多く占める中で、主人公の文香がキャラ的に際立って面白い。
ただの天然系ロリ娘かと思いきや、中身はダウナー系で、思ったことを包み隠さずぶちまける性格には常にシュールな笑いがくっついてきます。
良い意味でイラストとギャップがありましたね。
ホント、キャラの立て方が上手い作者さんだなぁー。

ライトノベルに限らず、本を読む楽しさを教えてくれる良作でした。
もっと媚びている作品かなと思っていましたが、とんだ勘違いでしたね。

ライトノベルが好きで良かったなと思わせてくれる日常系部活動コメディ

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ラノベ部  平坂読  よう太  評価B+ 

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僕は友達が少ない③ 

僕は友達が少ない〈3〉 (MF文庫J)僕は友達が少ない〈3〉 (MF文庫J)
(2010/03/24)
平坂 読

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読書期間:2010/3/28

【評価……A-
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★★★
 … 10
ラブコメ
青春
ロリ
リア充


 ★★★★★★★★ … 9
 ★★★★★★★★
 … 9
 ★★★★★★★★
 … 9
 ★★★★★★★★★★
 … 10



 友達作りを目的とした残念な部『隣人部』が誕生して一ヶ月。努力の甲斐もなく、羽瀬川小鷹たち隣人部の面々は誰一人友達ができることなく夏休みを迎えてしまった。様々なイベントを経験し、友情が深まる――リア充たちがますます繁栄する季節、夏。来てしまったものは仕方がないということで、まだ見ぬ「友達と一緒に楽しく過ごす夏」の予行演習のためにプールに行ったり合宿をしたりする隣人部のメンバーたち。果たしてその成果はあるのか、そもそもそんな練習に意味はあるのか……!?
 露出度アップなのに残念度もアップの残念系青春ラブコメ第三弾、夏こそホットに残念!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


友達が少ないと思いこんでいるリア充達の青春ライフ、第3弾。
略称の「はがない」も随分と通じるようになりましたね。

何というサービス回。
肌色がいっぱいでした。ありがたやーありがたやー。

文句のつけようもなく面白いなぁ。
キャラ紹介も2巻までで一通り終えているので、ある意味今回からが本当の隣人部の活動が始まったと言えます。
ラブコメ度がアップしていて、ニヤけたり悶えたりと大変でしたw
エロさ増し増しは、下手をすると陳腐に見えて逆効果になりますが、それもまた心配いりません。
ブリキさんの絵との相乗効果は天井知らずで、まさに眼福でしたよ。

ラブコメはキャラ命といっても過言ではないですが、この作品はその点では満点に近い出来です。
ハーレムを形成しているのに、各自残念なところがあるため、単純な構図とならないところがイイ。
基本的に小鷹を慕っているんですが、ツンデレやら変態やら忠誠心やらと歪んだ感情が多いので、小鷹も素直に受け止められないんですよね。
鈍感の一言で済ませるには少々酷でしょう、これは。
まぁ、そもそも全員鈍すぎて、部員を友達だと認識していないわけですけどねw

どのキャラも好きで困るんですが、あえて選ぶとしたら一番好きなのは肉こと星奈かな。
容姿端麗のお嬢様でキツイ性格をしているのに、イジられてツンデレ風に喜んだり、暴走してドジったり、小鷹と親密になって嬉しがったりするのが可愛いのなんの。
つーか体張りすぎで、ごちそうさまでした可哀想すぎる。
高慢で男を虫けらのように扱うシーンが、隣人部の活動内では出てこないので、欠点がほぼないようにも見えるんですよね。
ああ、でもギャルゲー脳は残念か……w
何かにつけてゲーム内シチュと結び付ける癖は、もはや末期だもんなぁw

ロリキャラに抵抗がある自分が、マリアと小鳩に対しては全く拒絶感が芽生えません。
細かいことを抜きにして、とにかく愛でたい気持ちにさせてくれます。
マリアの危険すぎる純情っぷりには、頭を撫でて笑顔にさせたくなりますね。
アホの子+幼女がこれほど素晴らしいとは知りませんでした。
小鳩のイタ可愛さは、たまに見せる素とのギャップが激しく、つい萌えてしまいます。
あんちゃん」と呼ぶ小鳩は反則的に可愛くて、星奈が興奮するのも理解できますね。

部内で最も変態である理科が、唯一外的関わり合いがあるってのも可笑しな話だなぁw
歩くセクハラ状態で、小鷹を籠絡することしか頭にないのに、常識は持っているんですよね。
分かっていてやっているから、余計にたちが悪いとも言えますがw

周りのキャラが濃いせいで、男の娘という絶大な支持を受けやすい位置にいるはずの幸村が目立たない……と思っていたら、今回は頑張ってくれました。
ようやく背徳的なシーンを見せてくれていて、服装は誰よりも女の子っぽい。
しかもそれが似合っているもんですから、ついつい男であることを忘れてしまいます。

そして、部員に対して非道なことをするため人によっては評価の割れる夜空は、最後の最後に動きましたね。
イイとこ取りだなぁと思いつつも、ラストのページにやられた。
ちなみに、星奈派というだけであって、夜空も普通に好きです。どうでもいいですか。

それにしても、予想外に進展が早くて驚かされました。
もう少し日常系コメディをダラダラと続けるのかと思っていましたよ。
とはいっても、次巻で何食わぬ顔で普段通りの話が始まってもおかしくはないですが。
小鷹への感情が恋愛寄りの星奈と、友情寄りの夜空の対比は今後の展開を期待させて止まないですね。

夏を満喫しすぎていて、正直羨ましいです。
小鷹、頼むから代わってくれ。

既にMF文庫では、ゼロ魔に次ぐぐらいの看板タイトルになるぐらい売れているようですね。
十中八九、この勢いでアニメ化までするでしょうなー。

美少女たちの裸満載の残念系青春ラブコメディ

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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僕は友達が少ない② 

僕は友達が少ない 2 (MF文庫J)僕は友達が少ない 2 (MF文庫J)
(2009/11/21)
平坂 読

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読書期間:2009/12/1
月間マイベスト作品

【評価……A-
発想 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★★★
 … 10
ラブコメ ★★★★★★★★☆☆
 … 8
青春 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
ロリ ★★★★★★★★
 … 9
妹属性 ★★★★★★★★☆☆
 … 8

隣人部――それは残念な連中が日夜友達作りのためにギャルゲーや演劇などどこか空回りな活動をしたり、ダベったりしている残念な部。
残念系美少女の三日月夜空や柏崎星奈、美少女メイド(ただし男子)の楠幸村に加え、幼女シスターで顧問のマリア先生やいろんな意味で常識を超えた天才少女の志熊理科も加わり、ますます騒がしくて取り返しのつかない状況になってしまった隣人部。
その中でただ一人の常識人(ただし友達は少ないというか、いない?)羽瀬川 小鷹はいったいどうなる!?
大人気の残念系青春ラブコメ第二弾、友達を募集しつつスタート!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


残念系青春ラブコメというフレーズが相応しすぎるリア充たちの部活モノ、第2弾。

これは素直に面白いという言葉が出てくるなぁ。
誰にでも楽しめる作風ではないけれど、1巻を面白いと感じた人であれば、ほぼ間違いなくハマれるのではないでしょうか。

相変わらず客観的にみると、小鷹が女の子たちに囲まれて充実した青春を送っているようにしか見えません。
憎らしくも羨ましい学校生活に、ニヤニヤさせられます。

1巻でも序章や口絵で登場していたキャラが登場し、遂に隣人部のメンバーが揃います。
マッドサイエンティストっぽい志熊理科は、序章で顔出ししたときとはまるで印象が異なりますね。
微妙なキャラだなーと思っていたら、予想外に可愛らしくてビックリ。
ポニテに眼鏡の容姿も好みのツボをついていて、かなり好きなキャラになりました。
多少(?)手遅れ感のある性格ではありますが、おかげで時折見え隠れする素直な女の子っぽい発言がギャップに感じられて可愛いなって思いますよ。
夜空や星奈が恋愛関係において、疎かったり回りくどかったりするのとは対照的に、不躾までに小鷹へ恋愛感情をぶつけてくるところが気持ちがいいものですね。

同じく幼女シスターのマリアもほぼ初登場。
ロリには興味がない……はずだったんですが、何だこの愛らしい生物はw
純真すぎるというか、何でも勢いで信じてしまう子供らしさには心がスカッとさせられますね。
夜空が苛めたくなる気持ちも分かるってもんです。
まぁ、夜空は黒いというか外道すぎるけれどw

そして、最後に厨二病全開の小鳩が隣人部に加入。
金髪碧眼のゴスロリ美少女なのはいいとしても、言動が痛すぎるw
その一方で、重度のブラコン気質があり動揺すると方言で地が出るところは保護欲をそそられます。
妹属性がない自分でも、小鳩には惹かれるものがありますね。
きっと将来、黒歴史になるんだろうなぁとほくそ笑みながら見守りたい娘だなぁw

ブリキさんのイラストは文句なしに素晴らしく、物語に華を添えます。
芸術的な肉つきですよ、これは。
どの娘も可愛くて、見ているだけでも幸せです。

1巻よりもラブ要素が増えてハーレム展開になっていますが、友達作りに勤しむことも忘れていませんのでブレはありませんね。
次も非常に楽しみです。

性格はアレなのに萌え心をくすぐられる女の子たちが多く登場する青春ラブコメ

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  僕は友達が少ない  平坂読  ブリキ  評価A- 

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僕は友達が少ない 

僕は友達が少ない (MF文庫J)僕は友達が少ない (MF文庫J)
(2009/08/21)
平坂 読

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読書期間:2009/10/30
月間マイベスト作品

【評価……A-
発想 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
ギャグ ★★★★★★★★☆☆
 … 8
ラブコメ ★★★★★★★★☆☆
 … 8
青春 ★★★★★★★★☆☆
 … 8

学校で浮いている羽瀬川 小鷹は、ある時いつも不機嫌そうな美少女の三日月夜空が一人で楽しげに喋っているのを目撃する。
「もしかして幽霊とか見える人?」
「友達と話していただけだ。エア友達と!」
「(駄目だこいつ……)」小鷹は夜空とどうすれば友達が出来るか話し合うのだが、夜空は無駄な行動力で友達作りを目指す残念な部まで作ってしまう。しかも何を間違ったか続々と残念な美少女達が入部してきて――。
みんなでギャルゲーをやったりプールに行ったり演劇をやったり色々と迷走気味な彼らは本当に友達を作れるのか?
アレげだけどやけに楽しい残念系青春ラブコメディ誕生!/td>

【感想】


タイトルとイラストに惹かれて購入した作品。
よくある一発ネタの設定で読者の興味を誘うラブコメかなーと思っていましたが……。

何これ、予想以上に面白いよ!
これは思わぬところで当たりを引きました。
安っぽいコメディなんだろうなと勝手に想像していてゴメンナサイw

転校してきて以来、上手く友達を作ることが出来てない主人公・羽瀬川小鷹と、見た目は黒髪ロングの美少女なのにエア友達と会話しちゃってる残念なヒロイン・三日月夜空が出会うところから始まる青春ラブコメです。
友達作りのために、友達を作るための部活を作ればいいじゃないかという某団長と似たような発想から生まれた「隣人部」での部活動を短編集のような形で語られます。

まず、ネタそのものには新鮮さはありません。
ここ数年流行りの特殊な部活動の日常を綴った内容で、今やコメディの定番ともいえるものですね。

しかし、そこに「残念」というキーワードを盛り込むことで、面白さが飛躍的に上昇しています。
恵まれた容姿等を持ち合わせているからこそ、性格が酷さが際立って残念なことになっています。
このギャップがたまらなく面白い。

この作品の最大の魅力は、間違いなくキャラクターですね。
みんな素晴らしいのですが、その中でもヒロインの片割れである柏崎星奈がツボすぎて参りました。
スポーツ万能かつ成績優秀な金髪巨乳美少女でありながら、自分以外の人間(特に男)を下衆としか見ていない高慢なお嬢様で、口も悪ければ性格も悪くて手の施しようがない残念な性格です。
そんな自己中心的でナルシストな彼女が、時折見せる打たれ弱さに萌えて仕方ありません。
あだ名の話には、不覚にも悶えてしまいました。
もうね、あえて言いましょう。大好きだ!と。

夜空の暴言の数々も相当えげつない。
かつてないほどの口の汚さに、逆に清々しささえ覚えますw
友達がいないはずなのに妙に会話スキルが高く、人を嵌めるテクニックが非常に恐ろしい。
リアルにいたら、絶対に近づきたくないお相手だw

三次元の女性は二次元の女の子みたいに優しくない、という話をよく耳にしますが、このヒロイン達は負けていないと思う。
よくもまぁそうポンポンと罵倒する言葉を羅列することができるなと感心さえしてしまいますよw
喧嘩するほど仲がいいとは言いますが、そんなレベルでは済んでいませんね。
まぁ、どう見てもこいつら友達同士にしか見えませんがw
くそぅ、リア充めがっ!

そして、ブリキさんの絵が女の子たちの魅力を3割増しどころか、3倍ぐらいに引き上げています。
頬や太もものむちむち加減が素晴らしいすぎる。
眼福、眼福。

この衝撃度は、コメディ作品ではバカテス以来かもしれません。
クオリティを維持出来るのであれば、アニメ化も十分考えられます。
1巻を読んだ時点で将来性を見込める作品は、そうそうありませんよ。

ただし、人によっては引きかねない単語を連発したりもするので、安易に作品をお薦めは出来ません。
どちらかといえば男性向けで、かなり尖がった作品であることも否定できないと思います。
だからこそ、ハマると抜け出せないとも言えますね。

性格が最悪の美少女たちが口喧嘩を繰り広げる残念系青春ラブコメディ

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  僕は友達が少ない  平坂読  ブリキ  評価A- 

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