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明日へと続く記憶

アニメ、ゲーム、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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アクセル・ワールド11 ―超硬の狼― 

アクセル・ワールド〈11〉超硬の狼 (電撃文庫)アクセル・ワールド〈11〉超硬の狼 (電撃文庫)
(2012/04/10)
川原 礫

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読書期間:2012/7/24~2012/7/27

【評価……B
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
SF
燃え
期待感



 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7




 ブレイン・バースト内を暗躍する謎の組織≪加速研究会≫。その総本山≪東京ミッドタウン・タワー≫の頂に鎮座する、≪大天使メタトロン≫。
 完全無敵の神獣級エネミーによって守護されている≪加速研究会≫を打倒するため、七王会議が開かれた。
 そこで導き出された秘策とは、シルバー・クロウの新アビリティ≪理論鏡面≫獲得作戦だった。
 メタトロンの放つ絶対即死極太レーザーにも耐えるアビリティを習得する命を受けたクロウだが、≪心意技≫がイマジネーションによって生み出されるのに対して、≪アビリティ≫は行動をトリガーに発現する。そのため、今までのハルユキの強いイメージだけでは、≪理論鏡面≫アビリティは習得できない。
 いっこうに糸口を見えないハルユキに対して、≪アーダー・メイデン≫こと四埜宮謡が哀しい過去を語り始め――。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


「アクセル・ワールド」新章開幕。
長らく続いた「災禍の鎧」編を終え、新たな始まりを予感させる内容となっています。

いわゆる種蒔き回というやつですね。
何か大きな事が起きそうだという期待感は募りますが、伏線消化されるのは随分先だろうなぁ。
この巻だけでも楽しめないことはないんですけど、次への布石のための下積みという印象が強いです。
丁寧過ぎて展開が遅く感じてしまうのが、長所でもあり短所でもありますね。

これまで触れられてこなかったアビリティの設定について、細かく解釈が用意されていました。
しかし、ハルユキが未だに基本システムからして把握しきれていないのは、後出しで設定を追加しても問題ないようにするためなんだろうか。
そう疑ってしまうくらいに、都合がいいなと思ってしまいました。
もちろん、最初から考えていたことなんでしょうがね。

サブタイトルにもある通り、防御力がとてつもなく高いアバターが出現するのが今回の肝。
反則的な能力を有する新星に対して立ち向かうシルバー・クロウが、己を省みる流れが素敵でした。
自分自身が加速世界初となる飛翔アバターとして君臨した際に、周囲が抱いた羨望と嫉妬を本当の意味で理解出来たのは、今回が初めてのことなんでしょうね。
当時の自分を振り返ることで、更に一歩成長するハルユキが主人公として輝いていました。
「災禍の鎧」編に比べると、背負うものはなくなったことで、気楽に読める分、燃え要素も物足りなさを感じてしまったのは、仕方ないですかね。

それにしても、本道を真っ直ぐに進まない作品だなぁ。
感覚的には、RPGで主となる目的を達成するのに必要な情報をかき集めるために全く違うクエストをしているというイメージ。
このままでは≪大天使メタトロン≫戦は、きっと5巻くらい先になるのではなかろうかw

キャラクターは、七王会議に参加する面々に魅力があって良かった。
やはり王たるもの貫録が違いますね。
黄の王の皮肉屋っぽいところが結構好きだったりします。

アニメは終わってしまいましたが、おそらく原作の人気からして続編は作られるでしょうね。
その時のためにも、原作ストックを溜め込んで貰いたいなと思います。

少しずつだけれど確実に主人公の成長を実感できる丁寧さが売り

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  アクセル・ワールド  川原礫  HIMA  評価B 

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ソードアート・オンライン9 アリシゼーション・ビギニング 

ソードアート・オンライン〈9〉 (電撃文庫)ソードアート・オンライン〈9〉 (電撃文庫)
(2012/02/10)
川原 礫

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読書期間:

【評価……B+
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
SF
世界観
構成
期待感


 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8



 「ここは……どこだ……?」
 目を覚ますと、キリトは巨木が連なる森の中――ファンタジーの≪仮想世界≫に入り込んでいた。手がかりを求めて辺りを彷徨う彼は、一人の少年と出会う。
 「僕の名前はユージオ。よろしく、キリト君」
 この仮想世界の住人――つまり≪NPC≫である少年は、なんら人間と変わらない感情の豊かさを持ち合わせていた。ユージオと親交を深めていくキリトの脳裏に、とある過去の過去がよみがえる。
 それは、子供時代のキリトがユージオと一緒に野山を駆け回っている記憶だった。そしてそこには、ユージオともう一人、金色の髪を持つ少女の姿があった。
 名前は、アリス。
 忘れていけないはずの、大切な名前だった。
 ウェブ上で最も支持を得た超人気エピソード登場!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


近未来のMMO情勢を主とした現代SF物語、第9巻。
アニメ放送前に発売されたものとしては、これが最新刊にあたります。

舞台は新たなる世界へ。
アリシゼーション」と題された今回のゲームは、いつになく特殊です。
なにせリアルとゲームの区別がつかず、キリトが現状に陥った理由を全く分かっていません。
果たしては、何が真実で何が虚像なのか。
手探り状態で進む展開は、まさにRPGそのもののようでした。

うん、面白かったです。
ただ少々構えて読まないと辛い部分はあるかな。

タイトルにわざわざ「ビギニング」と付けたくらいですから、相当長いエピソードになるんだろうなと予想していましたけど、この内容は序章もいいところって具合ですね。
約400Pの厚みのある本でありながら、プロローグⅠとⅡに100P弱ずつ割いています。
要するに、半分はプロローグであり、物語は始まってもいません。
専門用語も大量に頻出するため、導入としては、かなり重たい。
前半に詰め込んでいるおかげで、後半の加速に繋がるんでしょうが、もう少しエンジンのかけ方を気遣って欲しかったです。

まさに新章突入と言わんばかりのカラーの見開き中表紙は、素晴らしい演出でした。
ああ、売れている作品は違うなぁと嫌な考え方をしていましたねw

物語の筋が理解し始めると、楽しみ方が分かってきます。
突然、見知らぬ土地に降り立ったキリトが、冷静に考察する流れは面白い。
明確なゴールの存在を把握できないので、可能性を徐々に潰していきながら推理する手法を取っているわけですが、これが結果的にキリトと同調することになっています。
第三者の視点でヒーローを眺めていることの多かったこのシリーズにおいて、主人公と同じタイミングで驚いたり、頭を働かせたりするのは新鮮な気分となりました。

珍しいことは他にもあり、何と男の仲間キャラが登場します!
AWもSAOも味方キャラの増加は常に女の子であり、男は最低限しか存在していなかった川原礫さんの作品において、これが如何に珍しいことか。
表紙にも登場している碧眼の少年・ユージオの活躍には胸を躍らせました。

キリトの能力がチートっぽかったり、口を開けば女の子を落としていたりするところは相変わらず。
ステージが変わろうが、レベルが1になろうが、スペック高くて卑怯臭いなぁ……w

非常にワクワクとできる冒険の始まりでしたね。
謎ばかりが残っているので、早く次が読みたいです。

壮大な物語が始まる予感を感じさせてくれる設定と舞台が丁寧に作られています

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ソードアート・オンライン  川原礫  abec  評価B+ 

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アクセル・ワールド10 ―Elements― 

アクセル・ワールド〈10〉Elements (電撃文庫)アクセル・ワールド〈10〉Elements (電撃文庫)
(2011/12/10)
川原 礫

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読書期間:2012/3/13~2012/3/21

【評価……B-
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
SF
燃え




 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6





 『遠い日の水音』――西暦二〇四六年、秋。新生≪ネガ・ネビュラス≫の一員となったシルバー・クロウことハルユキだが、とある過失でバーストポイントを急激に減らしてしまう。窮地に立ったハルユキに、タクムは加速世界の≪用心棒≫を雇うことを提案する。
 『最果ての潮騒』――西暦二〇四七年、春。新入生・能美征二の策略によって、かつてない危機に陥ってしまったハルユキ。時を同じくして、黒雪姫は修学旅行先の沖縄で、奇妙なバーストリンカーに≪対戦≫を仕掛けられていた。
 『バーサス』――西暦二〇四七年、春。ハルユキはブレインバースト内で、黒い剣士の姿をしたアバターと出会う。次元の壁を越えて、二人の主人公が激突する!
 待望の特別編!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


「アクセル・ワールド」10巻にてシリーズ初の短編集です。
収録されているエピソードは、いずれも時系列的に随分前の話ですね。

遠い日の水音』は、1巻と2巻を繋ぐお話。
アニメ放送前に文庫化したかったんでしょうね、きっと。
レベルアップにポイント消費することを知らなかったハルユキが、バーストリンク消失の危機に陥り、用心棒の力を借りてポイントを安全圏まで回復しようという展開。
リアバレの恐怖を作中で散々説いておいて、この流れは不自然だと思いました。
というか、もしハルユキが逆の立場ならば、タクムの提案をそっくりそのまましたでしょうし、仲間に助けを請うことは何ら恥ずべきことではないんですから、二人で協力して苦難を乗り越えればいいのに。
その割には、用心棒ことアクア・カレントを安易に信頼しすぎだしなぁ。
己のポリシーを貫くことも立派ですが、時と場合によるでしょう。

最果ての潮騒』は、3,4巻のダスク・テイカー編の裏で黒雪姫に起きた事件が描かれています。
ハルユキのピンチに颯爽と天馬に乗って現れたことから、何かあったんだろうなとは思っていましたが、思ってた以上に濃い時間を過ごしていたんですね。
ただ、これまた設定的に無理があるような気がします。
前々からこの作者は、面白そうな世界観を作り上げ、緻密な設定があるように見せかけて、希望と勇気とノリで破壊してく傾向があるんですよねぇ。
これで燃えたり感動したりするか、矛盾を感じて楽しめないかは人次第なのでしょうか。
基本的には面白いだけに、強引さは目立ちます。
良かったのは、珍しく味方サイドにクリムゾン・キングボルトという男性アバターが出てきたこと。
まぁ、女キャラはそれ以上に出てきていますけど。

最後は、川原礫さんが書くもう一つの大作「ソードアート・オンライン」とのコラボ作『バーサス』。
AW4巻直後辺りのハルユキと、SAOの主人公・キリトのデュエルが描かれた内容です。
両作品とも読んでいる身としては、お祭り的なSSとして楽しめました。
まぁ、何だか相手側をべた褒めしているのが自画自賛っぽく映ったのと、実力拮抗しているのに違和感を覚えましたがw
二人が勝負するということだけは知っていたので、夢オチとかifストーリーとかパラレルワールドとか、色んなパターンを妄想しました。
結果としては、ジャンプ系アニメの劇場版みたいな感じでしたね。
しかしながら、SAOを知らない人にとっては微妙だったでしょうから、人を選びますね。

一応伏線もばら撒いてはいますが、いかにも番外編といった一冊でした。
そういえば、初めて黒雪姫ピンの表紙から、ヒロイン勢3人になっていますね。
楓子も謡も作中に出てきませんから、本当にサービス以外の何物でもありません。

物語の合間や裏側を補間する意味合いの強い短編集

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  アクセル・ワールド  川原礫  HIMA  評価B- 

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アクセル・ワールド9 ―七千年の祈り― 

アクセル・ワールド〈9〉七千年の祈り (電撃文庫)アクセル・ワールド〈9〉七千年の祈り (電撃文庫)
(2011/10/08)
川原 礫

商品詳細を見る
読書期間:2012/1/31~2012/2/3

【評価……B
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
SF
燃え




 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7





 「許さない。お前を殺す――バーストポイントが全部なくなって、加速世界から消えるまで、殺し続ける」
 再び≪クロム・ディザスター≫となってしまったハルユキは、≪アッシュ・ローラー≫を痛めつけていたアバターたちを鬼神のごとき力で瞬殺する。そして、深部まで完全に≪災禍の鎧≫と融合してしまうのだった。
 滅ぼすべき敵を求めて≪加速世界≫を飛翔するシルバー・クロウ。そして彼は、次なるターゲットとして、≪ISSキット≫とその制作者たる≪加速研究会≫に憎悪の矛先を向けた。
 誰も制止不能の狂戦士。そんな彼の前に、一体のアバターが立ちふさがる。
 その名は、≪グリーン・グランデ≫。
 最強の大盾≪ザ・ストライフ≫を携える絶対防御の≪緑の王≫と、呪われた狂気のアバターが激突する――!
 ≪災禍の鎧≫編、完結!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


現在アニメ放送中である近未来SFアクション、第9巻。
帯にてアニメ化決定の文字が印字されている通り、発売したのはもう半年も前となります。

5巻から続いた「災禍の鎧」編も遂に完結。
2巻で初登場した際に仕込まれていた種が、ここまで大きく実をつけるとは思っていませんでした。
ブレインバーストのメインストーリーから外れる内容にも関わらず、これだけの巻数を消費するんですから、最終回を迎えるのは当分先になりそうですね。
レベル10となりゲームクリアを目指すという明確なゴールが提示されているのに、辿り着くまでの道が果てしなく長く、なおかつ脇道も全力で描くものですから終わりが見えてきません。
後出し情報の多さなども含め、何だか「ONE PIECE」を彷彿とさせますね。

少年ジャンプ系の王道で面白かったです。
ただし、結局振り返ってみると「災禍の鎧」編は冗長だったかなぁと感じますね。
説明に文章量が多くなってしまう癖と、作品上の時間軸で詰め込み過ぎる構成のおかげで、事件や出来事は頻発しているのに進行が鈍く感じるという不可思議な状態となっています。
以前あとがきで仰っていましたが、物語を畳むのを苦にしている部分が影響しているんでしょうね。
結末は綺麗で良い終わり方だったなと思うんで、あとは見せ方かな。

新キャラ・日下部綸の正体は、ぶっちゃけ察しが付いていました。
世間的には衝撃を受けた人が多いようですけど、おそらく予測できた方も結構いるはずです。
アノ人と親しい間柄という時点で、おかしいなと。
敵役は男ばかりで、味方は女キャラばかりとなる偏向が酷い作者ですから、予想はつきました。

大人しそうに見えて想いは直球で伝えてくる女の子は可愛いと思います。
設定的にも、なるほどと思わせる理屈付けがありました。
ですが、この展開は正直避けて欲しかった。
ご都合主義全開のハーレムが、無理矢理過ぎて興醒めしてしまいます。
読者視点からするとハルユキの良さも理解できますが、それと説得力があるかどうかは別物です。

いつにも増して表紙の黒雪姫がエロい。
布生地の少ない服装で横乳と尻を大胆に見せつつ、棒状のものを股に挟むなんてけしからん。
個人的には、特別女の子として惹かれるわけではないので、ただ買い辛かっただけですが。

ひとまず落ち着くところに落ち着きましたね。
随分と否定的な感想となってしまいましたが、楽しんで読んでいるのは間違いありません。
そろそろ情報を小出しにして驚きを与えるのではなく、システムを前提とした燃えバトルを見てみたいな。

憎しみと哀しみが作り出した「災禍の鎧」完結編

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  アクセル・ワールド  川原礫  HIMA  評価B 

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ソードアート・オンライン8 アーリー・アンド・レイト 

ソードアート・オンライン〈8〉アーリー・アンド・レイト (電撃文庫)ソードアート・オンライン〈8〉アーリー・アンド・レイト (電撃文庫)
(2011/08/10)
川原 礫

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読書期間:2011/11/29~2011/11/30

【評価……B+
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
SF
世界観
ミステリー



 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6




 『圏内事件』――≪SAO≫中階層で、一人のプレイヤーが殺された。その殺害現場は、決してHPが減るはずのない≪安全圏内≫だった。これはプレイヤー・キルだと仮定するも、その殺害方法に全く見当がつかず……。奇怪な事件を、キリトとアスナが追う。
 『キャリバー』――≪ALO≫伝説の聖剣≪エクスキャリバー≫。その獲得クエストがついに始まった。守護するモンスターたちの強さから一度は獲得を諦めていたキリトだったが、これを機に再び争奪戦に本格参戦する。しかし、このクエストには壮大な裏イベントがあり……。
 『はじまりの日』――≪SAO≫正式稼働初日。茅場晶彦によるデスゲーム開始の声明を受けた直後。キリトが決断した、このゲームを生き抜くための最初の一手。それは、ベータテスト時に攻略経験のあるクエストを真っ先にクリアし、初期装備よりも強力な剣を獲得することだった――。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


次世代MMOで文字通り生きる少年少女を描いた現代SF、第8弾。
2巻以来の短編集となっています。

今回は素直に面白いと思えました。
過去の感想で何度も書いていますが、この作品、些か抵抗を覚える要所があるんですよね。
ネットとリアルの切り離しが出来ていない考え方や、主人公キリトが強過ぎるご都合主義など、物語に入る前段階で引っかかって楽しめないことがあります。
それが、この8巻では最小限で抑えられていたので、気にならなかったのが大きかったです。

個人的には、上記の点を短所と捉えていますが、俺TUEEEという話が好きな人もいるでしょう。
もとより設定の組み上げ方や、物語の牽引力に関しては実力のある作家さんですからね。
評判がいいのも納得できます。

内容は、3本のエピソードが収録されています。
ちょっと短めの長編といってもいい中編2本あるので、読み応えは相当なものがありました。

中でも『圏内事件』が良かった。
SAO時代、キリトとアスナが親しくなるキッカケとなったミステリアスな事件を追う話です。
やっぱりデスゲームとしてのSAOは、緊迫感がまるで違いますね。
PKが出来ないはずの街中でプレイヤーが死んだことで、更に不安感が増大しています。
ミステリーのオチとしては、提示されていない情報もあるため反則気味ですけど、伏線はしっかり張っていましたし、何よりゲーム的なロジックの利用が非常に巧みだったので一本取られたと感心させられました。

同様にSAOの最初期を描いた『はじまりの日』も、前から読んでみたかった話でした。
ゲーム内の死をリアルの死と直結したくなくても意識せざるを得ないプレイヤーたちの焦燥感が苦しくなるほどに伝わってきます。
過酷な状況に追い込まれた中で、人を信じることが如何に難しいかを痛感させられます。

ALO伝説級の武器獲得クエストを描いた『キャリバー』は、最も戦闘描写があったにも関わらず、随分と平和な話に感じられました。
ただ仲間が集まってゲームを遊んでいるだけですから、当然といえば当然ですか。
このエピソードは、どこもかしこも「シノンさん、マジかっけぇ――!」という感想ばかりですね。
確かに、美味しいポジションで、ヒロイン勢の中でもキャラが立っていた印象を受けました。
個人的には、ハーレム阻止やツッコミ役などで活躍するクラインの存在の方が貴重で有難いなと思いましたがね。

挿絵は、絵の描き分けが素晴らしかった。
雰囲気重視だったり、キャラを映えさせたり、コミカルな笑いを誘ったりと惹き込まれる絵が多かったです。
表紙は何故か野郎二人になってますが、これはこれでありかと。
白背景に女の子が一人デカデカと飾ることが多い昨今のラノベにおいて、快挙ではないでしょうか。
一体何なんだこのキリト推しは……w

デスゲームの緊迫感を再び味わえるSAO時代の短編が秀逸

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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アクセル・ワールド8 ―運命の連星― 

アクセル・ワールド〈8〉運命の連星 (電撃文庫)アクセル・ワールド〈8〉運命の連星 (電撃文庫)
(2011/06/10)
川原 礫

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読書期間:2011/10/4~2011/10/10

【評価……B
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
SF
燃え
友情



 ★★★★★★★★☆☆ … 8
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7




 「着装……≪ザ・ディスティニー≫」
 ≪ISSキット≫に侵された≪シアン・パイル≫ことタクムへ、自分の思いを伝えるべく対戦を挑んだハルユキ。しかし、破格の力を得たタクムの前に、為す術もなく倒れる。
 体力ゲージが残り数ドットとなったハルユキだが、謎の山吹色のアバターの誘いを起点に、≪加速世界≫最強の強化外装をジェネレートする。
 「……それが、≪災禍の鎧≫本来の姿かい?」
 光の力を得た≪クロウ≫と、闇の力に染まった≪パイル≫、二人の心意が強く共鳴し合い、そして、激突した。
 それぞれの想いが絡み合い、ひとつの大きな物語へと収束したその先にあるものは――!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


近未来のMMOを舞台としたSF系青春アクションバトル、第8弾。
「災禍の鎧」編も終盤に差し掛かってまいりました。

連鎖的に繋がっていた物語の種を、回収していくターンに入りましたね。
シルバー・クロウの浄化、アーダー・メイデンの救出、シアン・パイルの解放とドンドン目的がズレていきましたが、主題は忘れていなかったようです。
広げた風呂敷を折り畳みながら、綺麗にまとめられていました。

世間的には続きで終わるような話にせず、ちゃんと締めてくれという声が多いですが、ほとんど気にしません。
それよりも、ストーリー全体が低速である方が気になります。
このペースだと、完結するのは20冊ぐらい先になるのではないかと少し不安になります。
まぁ、面白ければ良いといえば良いんですけど。

心意システムは、作品内外関わらず多くの意見がありますが、個人的にはとてもいい仕様だと思ってます。
イメージが大切というのは、何事においても当たり前のことです。
それを尤もらしく説明付けているのが心意システムであって、現実世界でも似たようなものはあります。
精神状況におけるパフォーマンスの差というのは、確実に存在しているでしょう。
ただそれが、明確な形として見えやすいかどうかの違いでしかないんだろうなぁと思います。
我が身でも実感できることだからこそ、SF設定なのに共感も想像もしやすくなっていますね。

ひたすらネガティブなことを考え続けていたハルユキが、黒雪姫との出会いで日に日に成長していく過程は、眩しくなるほどに微笑ましく心が躍ります。
はっきりいえばマイナス地点にいた少年が、ここまで昇ってきたことに喜びを覚えますね。
今でも自信はあまりないようですが、仲間の窮地に惜しみなく勇気を奮う姿は、タクムが嫉妬するのも仕方がないと思えてしまいます。
本人は自覚ないでしょうけど、ネガ・ネビュラスの核となっているのはハルユキで間違いないですね。

リードの正体については、素直に考えていいものなのかな。
結局肝心な部分は伏せたままとなってしまったので、早いところ答え合わせをして欲しいなぁ。

ラストがまた気になる引きで終わっていますが、何となく予想は出来ていました。
次で「災禍の鎧」編も終了ということなので、どのように決着させるのか、楽しみです。

心に想い描いた願いを具現化する力で仲間との絆を深める話

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  アクセル・ワールド  川原礫  HIMA  評価B 

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ソードアート・オンライン7 マザーズ・ロザリオ 

ソードアート・オンライン〈7〉マザーズ・ロザリオ (電撃文庫)ソードアート・オンライン〈7〉マザーズ・ロザリオ (電撃文庫)
(2011/04/08)
川原 礫

商品詳細を見る
読書期間:2011/8/5~2011/8/8

【評価……B
発想 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
SF
感動




 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7





 キリトが巻き込まれた≪死銃≫事件から数週間。
 妖精アバターによる次世代飛行系VRMMO≪アルヴヘイム・オンライン≫にて、奇妙な騒動が起こる。新マップ≪浮遊城アインクラッド≫、その第24層主街区北部に現れる謎のアバターが、自身の持つ≪オリジナル・ソードスキル≫を賭け、1体1の対戦ですべてを蹴散らし続けているという。
 ≪黒の剣士≫キリトすらも打ち負かした、≪絶剣≫と呼ばれるその剣豪アバターにアスナも決闘を挑むのだが、結果、紙一重の差で敗北してしまう。
 しかし、そのデュエルが終わるやいなや、≪絶剣≫はアスナを自身のギルドに誘い始めた!?
 ≪絶剣≫と呼ばれるほどの剣の冴え。そこには、ある秘密が隠されており――。
 『マザーズ・ロザリオ』編、登場!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


次世代バーチャルネットゲームを舞台に生きる少年少女の物語、第7弾。
ヒロイン役であるアスナが主役となる一冊完結の話でした。

ALOの対人戦≪PVP≫で負け知らずのプレイヤー≪絶剣≫がいるという噂が流れる。
突如ALOの世界にやってきた彼女は、あのキリトすらも打ち破ったらしい。
にわかには信じられないアスナは、自らが≪絶剣≫にデュエルを挑むことを決意する。

良く言えば王道。悪く言えば安直。
お涙頂戴の感動路線が肌に合うかどうかがポイントになってきます。

あらすじを読んだだけで、ほぼ最初から最後の展開が読めてしまいました。
キリトが負けるという時点で、≪絶剣≫の抱える秘密に気付きますし、そうなると話の流れる方向も容易に想像できます。
嫌な言い方をすれば、アスナはイイ子っぷりを発揮して、キリトは貫録を損なうことなくヒーローを演じるテンプレが完成されているために、驚きはありません。
作者もあとがきにて触れてますが、ご都合主義があざといと感じてしまうのは仕方がないと思うんです。

しかし、それがつまらないというわけではありません。
創作物として考えるならば、これほど正しい選択はないと言ってもいいぐらいでしょう。
主人公とヒロインが活躍し、バトルあり感動ありのシリアスストーリーが展開されるんです。
ライトノベルの購入年齢層からすると、大正解だと思います。
個人的な意見をいえば、イイハナシダナーと思ったものの好みから多少外れますがね。

話は戻りますが、ご都合主義について。
締め方については、葛藤があったようですが、これで良かったと思います。
詳しく書くとネタバレになってしまうので避けますが、良いエンドでした。

問題は中盤。
SAOではいつものことなんですが、感情の移行が拙い。
順序をすっ飛ばして急に仲良くなったり、又はその反対で険悪になったりと、挿入されるべき描写が足りずに簡素となってしまっています。
おかげで、何故そこまでするのかという動機に繋がっておらず、リアリティに欠けます。
設定等にリアリティを持たせる必要性があるかどうかは作品よって異なりますが、キャラの感情については、仮に精神的に病んでいたりしても、納得できる推移が必須だと思うんですよ。
一目惚れならそれはそれで理由になりますが、著者の場合は、不自然に間が空いているように感じます。
これさえなければ、もっと素直に読めるんですがねぇ。

そういえば、逆手に取ったネタが仕込まれていましたね。
キリトの強さが、VRMMO世界上に轟いていて、あまりの規格外に「これだから……」とモブキャラから突っ込まれているのには思わず笑ってしまいましたw
真面目にプレイしている他の人間からしたら、たまったもんじゃないよねw
廃人というほど必死になっているわけでもないのに超人的な強さで、可愛い女の子達に囲まれている訳ですから、そりゃあ妬まれもするでしょうw

強き想いを胸に秘めた少女と出会い、己を顧みる女の子の物語

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ソードアート・オンライン  川原礫  abec  評価B 

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アクセル・ワールド7 ―災禍の鎧―  

アクセル・ワールド〈7〉災禍の鎧 (電撃文庫)アクセル・ワールド〈7〉災禍の鎧 (電撃文庫)
(2011/02/10)
川原 礫

商品詳細を見る
読書期間:2011/6/9~2011/6/11

【評価……B+
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
SF
燃え




 ★★★★★★★★☆☆ … 8
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7





 黒雪姫率いる≪ネガ・ネビュラス≫は、シルバー・クロウを≪浄化≫するため、≪アーダー・メイデン救出作戦≫を発動した。
 難度の高いミッションの中、決死の覚悟でシルバー・クロウはアーダー・メイデンと接触するも、≪帝城≫を守護するエネミー≪スザク≫の火炎ブレスにより、禁断の不可侵領域――≪帝城≫内部に突入してしまう。絶体絶命の危機に陥ったハルユキだが、彼はそこで不思議な≪夢≫を見る。≪クロム・ファルコン≫と≪サフラン・ブロッサム≫。二人のアバターが望み、砕け散ってしまった≪災禍≫の物語を――。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


大切な仲間との絆を描いた正統派SFアクション、第7巻。

良い意味で、先の読める分かりやすい作品ですね。
ベタベタなところが逆にイイ!といえる近頃では希少なシリーズかもしれません。

話の主軸がどんどんズレていくのだけれど、結果的には一周している構成が憎らしいですね。
最終目的のために必要なキーアイテムを探す過程で、別のお使いをさせられるRPG展開のようでした。
長ったらしいと面倒臭くなる気持ちも芽生えますが、比較的巧く繋いでいると思います。
冒頭から唐突に始まった過去編が、予想外の文章量だったのには少々戸惑いましたがね。

その≪災禍の鎧≫が誕生するキッカケとなるエピソードは、切なさと憤りを覚えました。
サイドストーリーの挿入時期としては、ここで相応しかったのか判断付きませんが、語られるべき内容であったのは間違いありません。
練り込んだ設定から察するに、決して思いつきではなく、初期の段階から考えていた伏線なんでしょうね。
≪災禍の鎧≫一連の流れに深みを与える秘話でした。

本題は、ハルユキの浄化のはずなんですが、加速世界ではそれ以上に怪しい影が動きつつあります。
熱く燃える少年漫画の王道を行く展開に、興奮しました。
それだけに、口絵のネタバレ度が高過ぎたのが勿体無かったなぁ。
口絵を見るだけで、今巻の半分ぐらい理解出来てしまうのは、さすがにやりすぎだと思います。

タクムに出番があったのは嬉しいのだけど、こういう形を希望していたわけではないんだ……。
1巻の衝突では全てが昇華されず、燻っていた陰が残されていたのは、前々から描写されていましたけれど、もっと前向きな解決編となることを望んでいました。
その辺りは、能美征二とのバトルで見せたことになっているのかなぁ。

ちなみに、またしても良いところで次回へ続くとなっているわけですが、まぁいいんじゃないでしょうか。
確かに非常に気になるシーンではありますけどね。
妙にこの作品だけは切り方が酷いと言われ、作者も気にしているようですけど、卑怯なぐらい引っ張ってくれた方が楽しみになれます。

友のために自分が出来る最大限の頑張りが熱く胸を打ちます

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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ソードアート・オンライン6 ファントム・バレット 

ソードアート・オンライン(6) ファントム・バレット (電撃文庫)ソードアート・オンライン(6) ファントム・バレット (電撃文庫)
(2010/12/10)
川原 礫

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読書期間:2011/3/31~2011/4/2

【評価……B+
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
SF
燃え
緊張感



 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8




 銃と鋼鉄のVRMMO≪ガンゲイル・オンライン≫で発生した≪死銃≫事件を調査するため、≪GGO≫へえとログインしたキリト。
 一見超美少女キャラと見間違えるアバターにコンバートされるトラブルに遭った彼だったが、スナイパーの少女・シノンのナビゲートにより、全ガンナーの頂点たる対人トーナメント≪BoB≫に無事参戦を果たす。
 キリトは、銃が支配するこのゲームで唯一≪光剣≫を駆使、≪BoB≫を勝ち進む。その奇抜な戦闘スタイルが話題となり、徐々にゲーム内での知名度は上がっていった。
 そして≪BoB≫決勝。数多の強敵がひしめく≪バトルロイヤル≫の中、ついに≪死銃≫が姿を現す。果たして≪死銃≫とは何者なのか。本当に≪仮想世界≫から≪現実世界≫へ影響を及ぼすことができるのか……キリトは単身、≪死銃≫へと挑む!!
 『ファントム・バレット』編、完結!!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


近未来SF世界におけるMMOを舞台に繰り広げられるアクションバトル、第6弾。
≪ファントム・バレット編≫完結編です。

うん、これは面白かった。
巻数を重ねるごとに少しずつ微妙なところが増えていたため、不安な一面もあったのですが、久々に不満点よりも満足感が上回る読後でした。

やはりオンラインゲームの死がリアルの死に直結する状況は、緊迫感が半端ありませんね。
VRMMO≪ソードアート・オンライン≫の物語が描かれた1巻に惚れこんで追い続けることになった身としては、死銃による殺人事件の恐怖は、あのデスゲームを彷彿とさせる内容で手に汗握りました。
巧みな文章により一層に、命の重さを感じ取ることができる点も秀逸です。

≪ガンゲイル・オンライン≫のPv大会≪BoB≫の模様が熱くて良かった。
戦闘は、迫力あるシーンの連続で、見応え抜群です。
相変わらずキリトの強さが際立ちますが、今回は敵味方ともに見せ場がありました。
不自然なまでの一騎当千よりも、拮抗したバトルロイヤルの方が断然燃えるに決まっています。
まぁ、プレイし始めたばかりのキャラが、対人のスペシャリスト達の集う大会の本戦に出場している時点で、リアリティなんて皆無なんですけどね。

物語の展開は、良く言えば王道、悪く言えばテンプレ通りの同じパターン。
分かりやすい面白さを目指しているのかもしれませんが、勧善懲悪ばかり描かれても、またかと思うだけで心に響くものはありません。
死銃の正体なんかもう想像通りすぎますし、犯人のキャラ造形も一辺倒でつまらない。
主人公は最強に格好良くてはならないと考えているかのような、無双っぷりも苦手です。

こういうところが、きっと中高生には受けるんだろうなー。
自分が中学生の時に出会っていれば、きっと素直に称賛していたのではないかなと思いますよ。

死銃のトリックについては、ギミックとしては面白味がありますが、ちょっと拙い気がしますね。
オチを知ると、今まで気が付かなかったことに不自然さを感じます。
盲点というには反則的で、前巻より続いた謎の解明としては、何だか狐につままれた気分で、スッキリしません。
あれだけ実行不可能という難題として提示しておいて、これはないなーというのが正直な感想。
着眼点は素晴らしいだけに、もうひと捻り欲しかったなぁ。

エピローグは、丁寧過ぎると言うか冗長だったというか……。
ご都合主義なところも目に付きますし、何かと惜しいですねぇ。
面白いんだけど、気に食わない点が多々あるように感じるのは、相性なんだろうか。

とはいえ、過去最高の分厚さも気にすることなく、ガツガツと読み進めることができました。
質の高い良作であることは、間違いないでしょうね。

リアルとゲームが交差する状況で行われる命を賭けた戦いが熱く燃えます

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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アクセル・ワールド6 ―浄火の神子― 

アクセル・ワールド 6 (電撃文庫 か 16-11)アクセル・ワールド 6 (電撃文庫 か 16-11)
(2010/10)
川原 礫

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読書期間:2010/12/3~2010/12/6

【評価……B+
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
SF
燃え




 ★★★★★★★★☆☆ … 8
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7





 黒雪姫率いる軍団≪ネガ・ネビュラス≫。その躍進を担っていた銀翼が、もげようとしていた。謎の組織≪加速研究会≫とのバトル中、ハルユキは突如復活した≪災禍の鎧≫の浸食を受ける。彼は未だ、その呪縛から逃れられなかった。
 事態を重く見た≪純色の七王≫は、≪加速世界≫の最高意志決定機関である≪七王会議≫を開く。そこでシルバー・クロウに下された決定とは、≪浄化≫と呼ばれる強化外装の完全解除を行うこと。従わなければ、残りの六王から賞金首に指定され、事実上≪加速世界≫から追放となる。
 最も高度な解呪コマンドである≪浄化≫。その鍵を握るアバターは、≪無制限フィールド≫の意外な場所に幽閉されており……。
 ≪加速世界≫では、致命的な危機を抱えたハルユキ。なのだが、≪現実世界≫では飼育委員活動中に知り合った小学四年生の少女と、なぜか心の交流が深まってしまって――。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


加速世界で行われる大規模な次世代MMO風アクションバトル、第6巻。
表紙が無駄にエロいのは、誰の趣味なんだろうか。

読み応えがあって、面白かったですね。

注目すべきなのは、遂に登場した純色の七王の面々でしょう。
これには、テンションが上がりました。
やっぱり、実力者が集う会合というのは、緊張感があっていいものです。
まぁ、キャラを作り過ぎている人物は、中二病っぽく見えましたがw
今回は顔見せ程度だったものの、今後の熾烈な争いを予感させるものでした。

少年漫画の王道的な燃えを感じさせるのが、このシリーズの特徴であり魅力ですね。
奇をてらった手法を用いなくても、物語を読ませるだけの力強さがあります。
3巻のような意表を突いた展開は、個人的には大好きなんですが、評価は割れてしまいますしね。

実は、≪ブレイン・バースト≫には、ハルユキが知らない秘密があったのだ――という展開が、さすがに多すぎ。
おかげで、説明に費やしているページ比率が凄いことになっています。
新たに判明する設定にワクワクもするんだけど、ハルユキに伝えてない理由が弱い気がします。
情報をあれもこれも中途半端に植え付けられている印象があって、何かしっくりときません。
そりゃまぁ、既に停滞するまで解明されたMMOに参加した初心者みたいな立場なので、分からないことだらけというのは納得できるんですがね。

≪ブレイン・バースト≫の仕様上、登場キャラは年齢的に幼いのは仕方ないとして、何故ロリばかりなんだ。
ショタがいてもいいと思うんだけど。

一つの壁を乗り越えたこともあってか、フーコのキャライメージが、良くも悪くも変わったなぁw
神秘的な佇まいから、笑顔で怖いことを言うお姉さんに変わった感じw

タクムの存在意義が、ハカセキャラに落ち着いてしまっているのが泣ける。
登場する女の子はみんなハルユキに目を向けていて、タクムに対してはぞんざいな扱いになりすぎじゃないかなぁ。
主人公を中心に配置するのはいいことなんだけど、男の脇役にも愛を与えてやって欲しい。

MMORPGをプレイしたことがある人なら、想像しやすい反面、違和感が拭いきれない設定もありますね。
自分がプレイヤーなら、絶対に主要レギオンには参加せずに、自由気ままに遊びたいな。

それにしても、あとがきが凄い不安だ。
ちゃんと、ある程度のけじめはつけてもらいたいのですがね。

ゲーム的な面白さが増してきて、続きが気になる構成となっています

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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ソードアート・オンライン5 ファントム・バレット 

ソードアート・オンライン〈5〉ファントム・パレット (電撃文庫)ソードアート・オンライン〈5〉ファントム・パレット (電撃文庫)
(2010/08/10)
川原 礫

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読書期間:2010/8/13~2010/8/15

【評価……B
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
SF





 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6






 ≪SAO≫事件から一年が経った。
 ある日。キリトは、総務省≪仮想課≫の菊岡誠二郎から奇妙な依頼を受ける。
 銃と鋼鉄のVRMMO≪ガンゲイル・オンライン≫で突如発生した≪死銃≫事件。漆黒の銃を持つ謎のアバターに撃たれたプレイヤーは、実際に現実でも≪死≫に至る……。その不気味な事件の捜査を断り切れなかったキリトは、≪仮想世界≫が≪現実世界≫へ物理的に影響を及ぼすことに疑いを抱きつつも、≪GGO≫へとログインする。
 ≪死銃≫の手懸りを掴むべく、不慣れなゲーム内を彷徨うキリト。そんな彼に救いの手をさしのべたのは、長大なライフル≪ヘカートⅡ≫を愛用するスナイパーの少女・シノンだった。
 新エピソード突入!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


新刊が出る度に部数が伸びている人気シリーズ。
今回から舞台が変わり、銃アクションゲームのMMO編に突入します。
表紙の子は、剣を携えていますが。

うーん、やっぱり引っかかるところが多いなぁ。
作品としてのレベルは高いのだけど、突っ込みどころが目に付いてしまって萎えてしまいます。

相変わらずのキリト無双は、爽快どころかイラッとしました。
もうね、主人公補正が強すぎるんですよ。
どれだけ他プレイヤーが苦労していても、新しく始めたゲームであっても関係ありません。
チートという言葉が冗談でないぐらい、やりすぎています。

SAOの時は、ソロ廃人で寝る間を惜しむようにレベルアップに励んでいたので良しとしましょう。
でも、ALO時代からは、ろくにキャラクターを育ててもいないのに強すぎる。
キリトがゲーム内に入るだけでバランス崩壊してしまうのは、いかがなものか。

しかも、登場する新ヒロインのシノンは、会って間もないうちに何故かときめきモードに入ってしまうし。
キリトは、男と女とで対応がまるで変わる女たらしにしか見えない。
ま、基本的に格好良いとは思うし、世間的には受けているので、おそらく穿った見方なんだろうなぁとは思いますよ。

ネトゲにドップリと漬かり込んでいる台詞が散見されるのも、正直引いてしまいます。
リアルとネットの線引きが曖昧。
これだけの技術が発達した世界において、リアルとネットに差がなくなってきたのはいいんです。
だったら、ネット内の発言もリアルに準拠しているべきじゃないでしょうか。

とまぁ、これだけ不平不満はあるにも関わらず、楽しんでいる自分もいるのが悔しい……w
エンターテイメント作品としては、盛り上げどころを分かっていて、面白いんだよなぁ。
設定についても、全貌は把握できませんが、実際にプレイしてみたいと思わせる要素はあります。
キャラの台詞に引っかかりを覚えても、地の文は読み応え十分です。

もういっそのこと、シノン視点で最初から最後まで描いてくれた方が良かったかも。
キリトに出会う前の戦闘シーンは、なかなか緊張感あって悪くなかったと思います。

「ファントム・バレット」編は今巻では終わっていませんので、物語に関してはこれからですね。
予想外の展開が待っていることを期待します。

主人公が反則的なまでに活躍するのが好きな方は楽しめるかと思われます

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ソードアート・オンライン  川原礫  abec  評価B 

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アクセル・ワールド5 ―星影の浮き橋― 

アクセル・ワールド〈5〉星影の浮き橋 (電撃文庫)アクセル・ワールド〈5〉星影の浮き橋 (電撃文庫)
(2010/06/10)
川原 礫

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読書期間:2010/6/20~2010/6/22

【評価……B+
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
SF
燃え




 ★★★★★★★★☆☆ … 8
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7





 中学内格差の頂点・能美征二による謀略は去った。≪スカイ・レイカー≫も加速世界に復帰し、これにより黒雪姫率いる≪ネガ・ネビュラス≫は、他の軍団に見劣りしない勢力となっていった。
 とある日、ハルユキは軌道エレベータ≪ヘルメス・コード≫に日本の≪ソーシャルカメラ・ネットワーク≫が導入されるというニュースから、新たなるゲーム・ステージの気配を察知する。
 そこに辿り着いたハルユキは、≪謎の運営者≫から提供された≪ブレイン・バースト≫史上でも最大のミッションイベントを体感する――!
 「……鴉さん。これは、どういう、ことですか?」
 それはさておき、同時進行で発生していたのは、黒雪姫とハルユキのお泊りイベントで、さらにそこに≪スカイ・レイカー≫ことフーコさんも乱入してきて!?

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


リアルの裏で展開される格ゲーMMOを描く人気シリーズ、第5巻。

前回で能美征二を打倒し、新たな仲間スカイ・レイカーを加えたハルユキたち。
しかし、スカイ・レイカーは未だネガ・ネビュラスに溶け込んでいるとは言い難かった。
一歩引いた立場にいる彼女の姿を、ヤキモキしながら見ていた彼らに思いもよらぬ新フィールドの話が舞い込んでくる……というストーリー。

面白かったです。
さすが、安定度抜群の作者さんですね。

スカイ・レイカーこと倉崎楓子にスポットが当てられた回でした。
仲間になったとあっさり流すわけではなく、しっかりと彼女の苦悩や黒雪姫との絆を描いており、丁寧な仕事ぶりには感心させられます。

種蒔き回かなと思いきや、随分と盛り込んだ内容となってますね。
終盤の展開は、いつかは来るだろうと予期していましたが、このタイミングだとは思いませんでした。
今回は、もっと純粋にスカッとした物語に徹しても良かったのではないかなー。
詰め込み過ぎとは言いませんが、個人的には3,4巻のように、ハッキリとテーマが定まった話の方が好きです。

まぁ、急展開には驚かされたものの、テンションは上がりましたけどね。
どちらも質がいいだけに、両方同時に食べるんではなく一品ずつ食べたいみたい、という感覚でした。

それにしても、相変わらず、設定の練り込み方が上手い。
近未来の話なのに、現在でも想像ができる延長線上の世界になっているんですよね。
もちろん、発展しすぎな分野もあれば、不自然なまでにアナログであったりするところもあるけれど、この手の作品の中では現実味が突出しているように感じられます。

SAOに負けず劣らず、ハルユキもハーレムの主人公になりつつありますね。
作者がハーレム好きと公言しているため仕方ないとはいえ、ここだけはちょっと残念だなぁ。
登場する女キャラが軒並みハルユキを好きになるのは、いかがなものか。
そのせいで、タクムが空気となってしまっていて、不憫すぎる……。

さて、次巻はいよいよ各レギオンの王が登場しそうで、wktkしますね。
本格的なレギオンバトルが始まりに、期待が高まります。

飛翔する夢を一度は挫折した女の子に、もう一度活力を与えようとする友情ストーリー

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  アクセル・ワールド  川原礫  HIMA  評価B+ 

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ソードアート・オンライン4 フェアリィ・ダンス 

ソードアート・オンライン〈4〉フェアリィ・ダンス (電撃文庫)ソードアート・オンライン〈4〉フェアリィ・ダンス (電撃文庫)
(2010/04/10)
川原 礫

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読書期間:2010/4/16~2010/4/19

【評価……B
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
SF
燃え




 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6





 SAOから未だ帰還しないアスナを救うため、疑惑のVRMMO≪アルヴヘイム・オンライン≫にログインしたキリト。
 その次世代飛行系ゲーム≪ALO≫は、≪魔法≫という概念、プレイヤーの反応力と判断力が勝敗を決めるアクション要素、そして≪妖精≫となって空を駆け巡る≪飛翔システム≫と、≪SAO≫に勝るとも劣らない高スペックで数多のプレイヤーを魅了していた。
≪妖精≫スプリガンとなったキリトは、アスナの幽閉先――全プレイヤーの最終目標≪世界樹≫目指し突き進む……!
 道中、妖精種族≪サラマンダー≫のプレイヤーたちの策略により、絶体絶命の危機に陥るキリトだったが、≪シルフ≫の少女・リーファの助力、ナビゲートピクシー・ユイのバックアップを受け、どうにか九死に一生を得る。
 そしてついにキリトは≪世界樹≫の根元までたどり着く。しかしそのとき、リーファとキリトは互いの≪秘密≫を知ってしまい……。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


SAOシリーズ、第4弾。
フェアリィ・ダンス編の下巻であり、1巻から続いた物語のエピローグにもなります。

うーん、面白いのは面白いのだけれど……。
この作品、MMO未経験者が読めば、概ね楽しめるかと思います。
しかし、一経験者からすると、納得できない点が散見されます。
作品の熱量は凄いんだけどねぇ。

良くも悪くも、キリトが一直線で突っ走って姫を奪還する話です。
主人公が脇目も振らずに必死になる姿に熱くなったり、一騎当千のごとく活躍する見て爽快感を味わえたりと、まさに少年漫画の王道的な展開が続いています。
タイミングだけの問題で、次に起こる要素は大抵予想がつきますし、驚きは少なかったかな。
それでも楽しませてくれるのだから、作者の力量はさすがですけどね。

唯一意外だと思ったのは、キリトとリーファが互いのリアルを知るキッカケ。
思っていたよりもあっさりだったので、せっかくの仕掛けなのに勿体無いなぁと思いましたが、最後まで読み終わってみると、絶妙な時期に挿入したことが分かります。
なるほど、あくまでヒロインはアスナってことか。

それにしても、都合の良い展開が多すぎやしないか。
キリトさんぱねぇ!とか、チート乙といった定型句が皮肉になってきている気がする。
強引な舵の切り方が気になり始めると、純粋に楽しめなくなってきます。
本当にリアル生活を行っているのかと疑わしき人物しか出てこないしなぁ。

この作者さんは、世界の構築は本当に素晴らしくて、舞台設定も細かく作っているのに、自ら壊し過ぎているところがあるんですよねぇ。
例えば、今回のALOについても、奥深そうなシステムなのに食い散らかした揚句に、ぶっ潰した印象があります。
ストーリー上、テンポ重視になるのは理解できますけれど、ゲームを犠牲にされるのは哀しいなぁ。

あとこれは、不満というか、個人的な倫理観や考え方とのズレだとは思うんですが、キリトに共感が出来ないところが多くて参りました。
近未来のVRMMOという新ジャンルのゲームであっても、ゲームはゲームでしかないというのが持論なので、性に合わないのも当たり前でしょうね。
ゲーム内データに感情移入する前に、プレイヤーキャラに思いやりを持てよと言いたくて仕方ない。

MMOとしての楽しさは、正直ほぼなかったかと思います。
少なくとも自分は、これを読んでMMOをやりたくなったとは思えませんでした。
それさえ目を瞑って、物語中心に読めば、まぁそれなりに面白かったです。

シリーズとして1つの区切りをつけるエピローグが丁寧に描かれていて好印象でした

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ソードアート・オンライン  川原礫  abec  評価B 

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アクセル・ワールド4 ―蒼空への飛翔― 

アクセル・ワールド〈4〉―蒼空への飛翔 (電撃文庫)アクセル・ワールド〈4〉―蒼空への飛翔 (電撃文庫)
(2010/02/10)
川原 礫

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読書期間:2010/2/14~2010/2/16

【評価……B+
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
SF
燃え
完成度



 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8




 日常で≪ブレイン・バースト≫を巧みに使いこなし、中学内格差の頂点に君臨する謎の新入生・能美征二。ハルユキは、能美の狡猾な策略によって自身の≪翼≫を奪われ、完全敗北を喫した。
 ――しかし、ハルユキは、再び立ち上がる。≪もう下を向いて歩かない≫と心に決めたハルユキは、親友・タクムと共に≪ダスク・テイカー≫へ反撃を開始する。キーとなるのは、≪心意システム≫、≪スカーレット・レイン≫、そして≪メイド服少女≫!?
 最強のカタルシスを以てしておくる、次世代青春エンタテイメント!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


現実世界と仮想世界で繰り広げられる近未来青春系アクションバトル。
前回の強烈な引きにより、非常に待ち遠しかった今巻ですが、待っただけのことはありました。

充実感たっぷり。
面白いと感じた以上に、上手いなぁという印象が残った内容でした。
設定にしろストーリーにしろ、納得させられるだけの整合性があり、完成度の高さは感心させられます。
いや、もちろん専門的な知識や現実性を考えると、明らかに創作の世界の話なんですが、読書中にそれを感じさせない力強さがありました。

気になっていた物語は、ひとまず完結。
綺麗にまとめられており、3巻でモヤモヤしていた人もスッキリできたことでしょう。
ちなみに、個人的には絶望的な展開から這い上がるキャラが好きなので、3巻の方が燃えましたがね。
簡単には落ち込まなくなったハルユキを見ていると、成長したなーと嬉しく思う反面、何だか残念な気持ちも芽生えてしまう自分は少々性格がねじ曲がっていると自覚していますw

3巻では主人公のハルユキ自身が落ち込んでいたために描ききれなかった周囲のキャラに焦点が合わされています。
タクム、チユリ、そして敵側にいる能美も含めて、より掘り下げて描写されることで、キャラがさらに立っていますね。
単にストーリーを追うだけではなく、作品に厚みを持たせる構成には毎度驚かされます。

これまた前回、批判の種となっていた心意システムも、作中内で上手く制限がかけられています。
舵取りが難しい設定ですが、この作者なら特に不安もなく受け入れられますね。
それだけの実力を伴っていることは、これまで読んできた作品で思い知らされてますから。

少年漫画の王道的な展開の連続で、ある意味予想通りではありましたが、それでも文句なしに楽しめます。
広げた風呂敷は確実に畳みつつ、新たなる伏線を散りばめる手腕はお見事。
読了感の素晴らしいラストで、次への期待も膨らみますね。

……あと最後の黒雪姫先輩の絵にはやられたw
あれはニヤニヤしてしまうのは仕方ないでしょw

友情・信頼・絆という青春小説に相応しい単語が当てはまる熱いエンターテイメント作品

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  アクセル・ワールド  川原礫  HIMA  評価B+ 

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ソードアート・オンライン3 フェアリィ・ダンス 

ソードアート・オンライン〈3〉フェアリィ・ダンス (電撃文庫)ソードアート・オンライン〈3〉フェアリィ・ダンス (電撃文庫)
(2009/12/10)
川原 礫

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読書期間:2009/12/10~2009/12/12

【評価……B+
発想 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
SF ★★★★★★☆☆☆
 … 7

禁断のデスバトルMMO『ソードアート・オンライン』から現実世界に戻ってきたキリト。彼は攻略パートナーであり、想い人であるアスナのもとに向かう。
しかし、結城明日奈は、あの悪夢のゲームからまだ帰還していなかった。
困惑と絶望に包まれるキリト。唯一の手がかりは、鳥籠の中で佇む≪妖精姿≫のアスナという謎の画像データのみ。どうやら彼女は、高スペックVRMMO≪アルヴヘイム・オンライン≫というゲーム内に囚われているらしい。
キリトはアスナを救うため、飛翔する妖精プレイヤーたちが交錯する≪ALO≫に飛び込んでいく……!!WEB上でも屈指の人気を誇った『フェアリィ・ダンス』編、スタート!!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


現実世界と仮想世界がリンクし始める、シリーズ第3巻。

タイトルのMMO「ソードアート・オンライン」での日々は、1巻の本編と2巻の短編で終了しているのにも関わらず、どのように続きを作るのかと思ったら全く別の新しいMMOの冒険が始まりました。
SAOがクリアされたのに何故かアスナを含めた数百人がリアルに帰還していない中で、別ゲーム内の画像にアスナと思わしき姿が映っており、彼女を救うためにキリトが再び立ち上がるといった展開です。

面白い……のだけれど、引っかかる点もなきにもしあらず。
SAOはプレイヤーにとっては仮想世界=現実でもあって、リアルに戻れない絶望感や死と隣り合わせの緊張感が伝わってきて非常に燃えました。
それに対して、今回の舞台であるMMO「アルヴヘイム・オンライン」はヌルイんですよねぇ。
それだけであれば物語的に仕方ないの一言で済むんですが、プレイヤーのロールプレイが度を超えていて、違和感を拭えません。
ファンタジー世界の住人になりきりをしているようで、考え方が重かったり言動が痛く感じたりしてしまいます。
もうちょっと裏側に現実があることを考慮に入れて欲しかったなぁと思いました。

そんな棘が引っかかりながら読んでいても面白いと思えるのだから、作品としては本当に良質です。
SAOとは異なるシステムにワクワクさせられたり、アクションシーンの迫力にドキドキさせられたりと、相変わらずエンターテイメント性の高い仕上がりとなっています。

にしても、キリトさんマジぱねぇ。
無双っぷりもさることながら、出逢う女性とフラグを立てまくるとか、天然タラシ度がさらに上昇してるじゃないか。

一方で、居ても立ってもいられない気持ちは分かるけど、下調べもせずゲーム内に飛び込んでいくのはキリトらしくないような気がしますね。
まぁ、SAOと違ってゲーム内の生死がリアルに影響するわけではないからプレイしながら覚えていくのも悪くはないんですがね。
アスナの情報を手に入れたいのなら、もっと他にもイイ方法があったのではないかなと思いました。

義妹の直葉は可愛らしい造形だと思うんですけど、個人的には惹かれませんでした。
世界観の構築などの力量に対して、キャラ設定が弱い作者さんですが、直葉はメインヒロインのアスナよりも丁寧に恋心に揺れる様子が描かれていて良かったと思うんですよ。
しかし、妹属性がないためなのか、萌えは湧き立ってこず……。
例えばこれが同級生キャラであれば悶えていたんだろうなぁ。分かりやすい性格だな自分。

1巻の頃からそうだけど、挿絵の指定が少しズレている気がする。
いやまぁ、サービスシーンは大事だし嬉しい気持ちもあるけれど、いくらなんでもストーリー的に関係なさすぎでしょw

何やら文句が多い感想になってしまいましたが、非常に楽しんで読ませてもらいました。
次でフェアリィ・ダンス編は完結ということなので、盛り上がりに期待です。

新しい舞台について的確なタイミングで説明が入るためストレスを感じさせません

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ソードアート・オンライン  川原礫  abec  評価B+ 

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