『宇宙兄弟』42巻 感想
2023/02/24 Fri 23:55:20 [edit]
「宇宙兄弟」42巻のネタバレ感想です。
終わりへのカウントダウンが続く、クライマックス編の中盤から終盤あたりといった感じです。
残り僅かとなった時間を惜しむように船外活動を行うムッタ。
一時は帰還手段が途絶え不安に押し潰されそうだったけど、兄弟で月に降り立つ夢が実現した今は宇宙を去ることが名残惜しくなっているのでしょうね。
再会した後は話のテンポを早めてもいいのにじっくりと描いたのは、作者も物語を畳むのが寂しくなっているのかなと思いました。
とはいえ、ダラダラ続けていては名作も駄作となってしまいます。
多少間延びしていた部分はあるものの描く必要性は感じられましたし、無駄な引き伸ばしなかったので安心しました。
近未来で現実から離れた物語なので、どこまでがリアルなのか判断付かないものが多数あります。
今回でいえば、月に水分があるという話。
調べてみても確たるものは見当たらず、様々な論文ばかりが並んでいます。
それでも水分があること自体は間違いなさそうですが、月の探索において人類が活用できるほどの大量の水があるかどうかは机上論のようですね。
ムッタたちが発見した手掛かりは、今後の宇宙開発において世紀の大発見だったようです。
兄弟が合流してからは今までの苦労が報われたかのように平和的でスムーズに事が運んでいました。
しかしながら、メタ的な視点になりますけど本作がこのまま終わるとは誰も思っていなかったのではないでしょうか。
月を後にした一行に待ち受けていたのは、何と帰還船が燃え盛る緊急事態。
行き場のない宇宙船の中で炎に襲い掛かるなんて、絶望的にも程がある。
消化はきっと間に合うんでしょうけど、今度は酸素が足りなくなる問題が発生することは目に見えていますね。
吾妻の負傷具合も気になるところですし、まだまだ油断なりません。
無事帰るまでが旅。
ブライアン・ジェイの悲劇を繰り返してはならないと関係者は皆必死に取り組んできたはず。
きっと生還してくれると信じています。
テーマ: 漫画の感想
ジャンル: アニメ・コミック
タグ: 宇宙兄弟 宇宙兄弟(巻感想) 小山宙哉『宇宙兄弟』41巻 感想
2022/06/10 Fri 23:10:55 [edit]
「宇宙兄弟」41巻のネタバレ感想です。
遂に月面に降り立った南波兄弟。
幾度もの試練を乗り越えた再会は、ここまで読んできて良かったと思える達成感すらありました。
無事に地球へ帰るまでがミッションとはいえ、本作品の最大の盛り上がりは前回で終わったといえます。
そのため終わりが近いのかなと思っていたのですが、まだしばらくは続くようですね。
合同ミッションに挑んだりしてて、比較的平和な内容でした。
これ以上トラブル発生しなくてもいいんですけど、物語としては起伏が必要になるんでしょうね。
日々人のパニック障害が再発する怖さは常に付きまといます。
本当に問題ないのだとしても、最悪の事態は想定してしまうのは致し方ない。
だからこそNASAでは居場所がなくなったわけですしね。
腕を擦っているのが嫌な伏線にならなければいいな。
まぁでも大丈夫か。
何ってたって頼れる兄貴が隣にいるんですから。
洞窟奥へ単身乗り込んで行っちゃうような日々人だけだと心配になるけれど、近くに六太がいると安心感が違いますね。
メッセージ性が強い作品なので、毎回響く言葉があります。
今回一番印象に残ったのは、父親がムッタに向けて送った「存分に楽しみ直せよ」という台詞。
あまりに多くの出来事があったため後ろ向きになっていたこともあったけど、せっかく月にいる今を大事にしなければ勿体無いですよね。
シンプルながらに良い言葉だなと思いました。
面白くて大好きな作品だけに、現実との乖離に悔しくもあります。
現在の世界情勢を完全に切り離して読むのが心情的に結構大変です。
アメリカとロシアが協力して宇宙開発に投資する日は訪れるのかなぁ。
テーマ: 漫画の感想
ジャンル: アニメ・コミック
タグ: 宇宙兄弟 宇宙兄弟(巻感想) 小山宙哉『宇宙兄弟』40巻 感想
2021/09/29 Wed 23:58:20 [edit]
17巻以来の南波兄弟が表紙を飾る「宇宙兄弟」40巻のネタバレ感想です。
とうとうこの瞬間がやってきました。
全世界が注目する中で六太と日々人が宇宙で再会となる節目の巻です。
やっぱり一筋縄ではいかず機器トラブル発生しましたね。
しかし物理的な回線ケーブル切断というのは予想外でした。
バックアップ管制センターに向かう話は出ていましたけど、これぐらいは緊急時の備えがあってもいいと思うんですけどね。
何はともあれ急遽手動着陸を余儀なくされたマクシム4。
六太は居ても立っても居られず、着陸予定ポイント周辺を見回ることに。
おかげで基地で再会するよりもドラマティックな展開になりました。
感極まって嬉し恥ずかしい顔をしている六太に対して、単に久々に再会しただけのような表情の日々人が彼らしいですね。
そして、感動的だけどあとで茶化されそうなキザな台詞を吐くのも六太らしい。
タイトル回収となる「僕たちは宇宙兄弟です」は、この物語も終わりが近いことを印象付ける一言でした。
成長して大人になっても、舞台が宇宙であっても、この二人は兄と弟でしかないんですよね。
なんていうか、羨ましいなって思います。
あとはこのまま無事帰還するだけですが、ちょっと嫌なフラグが立ちましたね。
緊急連絡が入る流れは、シャロンの身に何かあったのではと頭をよぎりました。
今回は父親のぎっくり腰で終わりましたけど、今度はなんだと油断させてからの鬱展開になりそうで怖い。
せりかの実験で希望の光が見えているとはいえ、現実ではALSは不治の病です。
少なくとも漫画の中だけでも最悪の展開にならないで欲しいと願うばかりです。
テーマ: 漫画の感想
ジャンル: アニメ・コミック
タグ: 宇宙兄弟 宇宙兄弟(巻感想) 小山宙哉『宇宙兄弟』39巻 感想
2021/09/26 Sun 22:07:32 [edit]
「宇宙兄弟」39巻のネタバレ感想です。
苦難の連続で幾度も挫けそうになった日々人が遂に月に向けて出発。
兄の窮地に駆け付けるため全力で走る弟という構図は卑怯すぎるほどに最高です。
まさしくクライマックスで盛り上がります。
丁寧すぎて進展が鈍いこともままありますが、だからこそ物語がここまで辿り着いたことに感動できます。
月面天文台の成果に喜び身体が震えるのは、何も登場人物達だけではありません。
自分達が頑張ったおかげで多くの人を笑顔にすることができたなんて、これ以上ない誇りになるでしょうね。
感無量という言葉がピッタリです。
日々人がNASAのクルー面々と再会するシーンにはぐっときます。
やり残したことなど一つもなく、準備万端って感じ。
せりかの時もそうでしたけど、外野の声が邪魔臭いですね。
日々人の奮闘を知らず、自覚の無い言葉の暴力で傷付けるマスコミやSNSがうっとおしい。
でも現実には似たようなことが毎日数え切れないくらい発生しています。
現代社会の問題の一つで、最近色んな媒体でテーマに掲げているのをみます。
正解を探すのは難しいですけど、366話「暴投男とびしょ濡れ男」で語られるアズマの小話は粋でスッキリしましたね。
これでいよいよ兄弟が宇宙で再会……とはいかないんでしょうね、きっと。
危機的または機器的トラブルが続出する作品なので、現地でまたとんでもないことが起こるのでしょう。
発作についても不発弾という表現を残していますし。
それでも六太と日々人なら何とかしてくれるはずと信じています。
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タグ: 宇宙兄弟 宇宙兄弟(巻感想) 小山宙哉| h o m e |