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明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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“不思議”取り扱います 付喪堂骨董店7 

付喪堂骨董店〈7〉―“不思議”取り扱います (電撃文庫)付喪堂骨董店〈7〉―“不思議”取り扱います
(電撃文庫)

(2010/03)
御堂 彰彦

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読書期間:2010/3/13~2010/3/14
月間マイベスト作品

【評価……A-
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
クーデレ
構成




 ★★★★★★★★ … 9
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8





 咲と刻也。二人は予期せぬ形で出会い、物語は始まりました。ですが、それは本当に偶然だったのでしょうか?出会い、想いを育み、共に歩んできた今まで。そこに大きな偽りがあったとしたら――。この出会いは許されるぬものだったのです。
 都和子は決断します。大きな偽りによって歪んでしまった世界を正すことを。――自らの手で咲の命を奪うことを。
 咲を守りたい刻也、殺さなければならない都和子。二人の哀しくも激しい戦いが幕を開けます。大きな偽り――咲と刻也の秘密とは?そして、二人を待ち受ける運命とは?これが、二人について語る最後の物語となるでしょう。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


人の願いを叶える「アンティーク」に希望を見出す、シリーズ最終巻。

切なさが入り混じる、素敵な物語でした。
終わりを迎えたのは寂しいけれど、綺麗なラストに大満足です。

予想していた展開とはまるで違う方向に進み、驚かされました。
幾度となく裏をかかれてきた今シリーズですが、最後の最後まで良い意味で裏切ってくれましたね。

想像以上に深く重い背景がのしかかり、悲壮感が半端じゃありません。
正論と感情論のどちらもが理解できるだけに、登場人物たちの心情が苦しいほどに伝わってきました。
誰もが間違っているとは思えませんし、思いたくもないです。
だからこそ、導き出された答えには、読者である自分までもが救われる思いでした。
人によって捉え方は異なるでしょうが、エピローグで見せたあの姿を見る限り、これは紛れもなくハッピーエンドだったと確信しています。

刻也の泥臭いまでの執念と、咲を求める覚悟は、痺れるほどに格好良かった。
咲の背負った運命と、刻也に対して注がれる愛情には、胸が打たれる思いでした。
ラノベ作品で、この二人ほど幸せになって欲しいと願ったカップルはいなかったかもしれません。

これまでに登場した人物やアンティークを巧みに配置し、練り上げたストーリーには感服します。
忘れかけていた伏線も回収しており、お見事としか言いようがありません。
以前、咲の口から出た「優しいけれど傲慢」だという言葉の真実が分かったときは、身震いしました。
まだ読んでいない人は、軽く振り返っておいた方が、より楽しめるかと思います。

意図的に不明瞭にしているのか、謎は多少残っており、気にならないと言えば嘘になります。
アンティークの能力も、使い勝手が良すぎるものがいくつかあり、反則的だと思わないでもありません。
しかし、刻也と咲の二人の関係に焦点を絞った描き方は、ブレのない正統派ラブストーリーに仕上がっており、細かい点など差し置いて、純粋に感動させられました。

タケシマサトシさんの絵は、シリーズ当初と比べ荒々しいタッチに変化しましたね。
どちらにせよ、作風にもマッチしており、素晴らしいイラストでした。
毎回イラストが楽しみで仕方なかったですね。

この物語に出逢うことができて本当に良かった。
綺麗に完結していますが、アフターストーリーも読みたいと思ってしまうのは、それだけこの作品を好きな証拠なんでしょうね。
甘く平和なニヤニヤできる短編が発売されれば最高なんですが、ひとまずは余韻に浸りたいと思います。

作者の御堂彰彦さんをはじめ、この本の制作に携わった全ての人に感謝を。
お疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。

何事にも変えがたい想い人のために、運命に立ち向かう少年と少女のラブストーリー

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  付喪堂骨董店  御堂彰彦  タケシマサトシ  評価A- 

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“不思議”取り扱います 付喪堂骨董店6 

付喪堂骨董店〈6〉―“不思議”取り扱います (電撃文庫)付喪堂骨董店〈6〉―“不思議”取り扱います (電撃文庫)
(2009/10)
御堂 彰彦

商品詳細を見る
読書期間:2009/10/13~2009/10/16

【評価……B+
発想 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
クーデレ ★★★★★★★★☆☆
 … 8

アンティークを憎み、世界から根絶させるため、アンティークの力を振るう駿と飛鳥。その力に振り回されることなく完全に使いこなす駿は、異質な存在でした。
想いは同じでも、刻也はその考えに反発し抗います。アンティークの力を使いこなす者同士の戦いは熾烈を極め、それは触れてはいけない過去をも引きずり出すのでした。
刻也と咲はいかにして出会ったのか?そこに隠されたアンティークの秘密とは?二人の運命は大きく動き出します。本当の彼らを知る勇気がある方は、どうぞご覧ください。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


運命を変える力を持つ「アンティーク」に関わる人間たちのドラマを描いた、シリーズ第6巻。
今巻はいつもと少し趣が異なり、前回登場した謎の人物たちとの対立が物語を動かします。

何だこのアンティークバトルは。
頭脳戦メインなのかなと思いきや、意外と体を張っていて驚きました。
多くのアンティークを駆使し合う勝負は、なかなか見応えあります。
燃えたぎるような熱さはないのですが、ゾクッとさせられるような格好良さがキャラを引き立てていました。

本筋に入り、作品独特の陰のある雰囲気は薄れた印象がありますね。
よくある異能系ラノベになってしまったというか。
アンティークを取り巻く人間関係を見るのが好きだったので、思っていたものと違う料理を出された気分。
これはこれで美味しいのだけど、素直に満足できないみたいな感じですかね。

そして、いつも最後に締めくくる第4章のラブエピソードもまた、一味違っていました。
これまで秘められていた、刻也と咲の出逢いの物語が遂に語られます。
あぁ、最初はこんなにクールだったのね、咲さん。
だからこそ、刻也のことを名前で呼ぶキッカケとなったあの発言には、ギャップ萌えしましたw

それにしても、咲の過去には意表を突かれましたねぇ。
ミステリアスな雰囲気からして、もっと人間離れした事情があるのかと思っていましたよ。
生々しい感情が、逆に読者側の想像を容易くさせていて、咲のことを思うと胸が苦しくなりました。

予想外なところがいくつかあったものの、総評としては、やはり面白かったと言えます。
ラブ成分が物足りなかったけれど、その分、ストーリーで魅せてくれました。

次が最終巻というのが、寂しすぎます。
もっと、刻也と咲のラブラブ話を見てみたいなぁ。
本編終了後、一冊だけでもいいからアフターストーリーを書いてくれないかなー。

とうとう明かされる刻也と咲とアンティークの関連性

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  付喪堂骨董店  御堂彰彦  タケシマサトシ  評価B+ 

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“不思議”取り扱います 付喪堂骨董店5 

付喪堂骨董店〈5〉―“不思議”取り扱います (電撃文庫)付喪堂骨董店〈5〉―“不思議”取り扱います (電撃文庫)
(2009/01/07)
御堂 彰彦

商品詳細を見る
読書期間:2009/1/24~2009/1/26

【評価……B+
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
オススメ度 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
クーデレ ★★★★★★★★☆☆
 … 8
安定感 ★★★★★★★★☆☆
 … 8

付喪堂に不釣合いに置かれたパソコン。先端科学の利器とは縁遠い無表情な少女はどう扱っていいかわからない様子です。わいわい騒ぐ様はのどかで平和そのものですが、それだけお店は暇なのでした。
客と巡り合えなくても、アンティークとは巡り合えてしまうのが不思議なもの。こんな物がありました。
懸賞が当たった、テストのヤマが当たった。そんな思いもかけぬ幸運をもたらすというバングルがあるのです。ですが、その見返りが周りの人の不幸だとしたら……。周囲が苦しむのを見て、人は幸せに思えるのでしょうか。あなたはいかがですか?

【感想】


個人的に大プッシュしている「付喪堂骨董店」シリーズの第5弾になります。
意外と出るのが早かったなぁという印象があるのは、4巻が出るのに間があったからでしょうか。

相変わらずの出来栄え……と言いたいところでしたが、若干今までと異なりますね。
今後関わってくるであろう新キャラの登場、咲の見えない心など、次への布石となる種が多く見られる回でした。
その分、僅かながら物語の面白さが減ってしまっているように感じられました。

また、文章が簡潔なのは作者の良いところなんですが、今回に限っては簡素すぎたかな。
サクサクすぎて文章が薄味だったので、もう少しクドさを出してもいいと思いますね。

◆第一章 幸運
いつも通りのアンティークに着目した話。
叙述トリックが面白く、こちらの期待を上回ってくれるのが嬉しい。
予測できそうで半歩届かないのが計算だとしたら凄すぎですね。

◆第二章 希望
これもよくあるパターンの一つで、神話ベースの話。
これまでにもこの類の話は何度かありましたが、個人的には性に合わなかったりします。
テーマはいいと思うんですけどね。
どうしてもゲストキャラに焦点が行くので、刻也たちの視点が少なくて物足りないのかもしれません。

◆第三章 言葉
珍しく第二章から続きの話。
第二章とほぼ同じテイストながら、より刻也と咲に関わる内容になっていて何とも意味深な内容でした。
ちょっとぐらい強引な方が、刻也は格好良く見えますね。

◆第四章 本音
メインディッシュにしてデザート。
地味で暗めの話が多いシリーズが毎回読了感が素晴らしいのは、この第4章のおかげですね。
恋人を通り越して新婚夫婦になっているかのような2人の強い結びつきにニヤニヤしまくり。
ギャグ小説で笑いを堪えきれないから人の目が気になるという本は結構あったりしますが、顔がニヤけてゆるんでしまうから外で読めない本は貴重です。

もはや咲の可愛さは凶悪的。
無表情キャラが口を滑らせ本音を言ってしまった時に一瞬見せる焦った態度の破壊力は異常です。
刻也のことを何でもないように振る舞っているけれど、内心ではラブ度MAX状態の咲がとにかく可愛い。
ずっと第四章だけ読んでいたいですけど、きっと全編通してこの調子だったら胸焼けしそうですねw

◆総評
シリーズ間の比較評価は微妙になってしまうかもしれませんが、単品でみれば十分すぎるほどに面白かったです。
次回から、ストーリーに何か動きがあるのかな。
それが不安でもあり楽しみでもありますね。

ああ、もちろん、タケシマサトシさんの絵も良かったです。
カラーページの咲と都和子さんが寝そべっているイラストが一番お気に入り。

電撃文庫版 「世にも奇妙な物語」

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  付喪堂骨董店  御堂彰彦  タケシマサトシ  評価B+ 

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“不思議”取り扱います 付喪堂骨董店4 

付喪堂骨董店 4―“不思議”取り扱います (4) (電撃文庫 お 9-7)付喪堂骨董店 4―“不思議”取り扱います (4) (電撃文庫 お 9-7)
(2008/07/10)
御堂 彰彦

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【評価……A-
舞台 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
オススメ度 ★★★★★★★★
 … 9
クーデレ ★★★★★★★★
 … 9
安定感 ★★★★★★★★
 … 9

不思議な力が宿った器物――アンティーク。今日も贋物を掴まされた美人が嘆いています。つまり付喪堂の店頭に新たなガラクタが増えたわけです。
アンティークは人を選ぶのか、切にその存在を願っている者は期せずして手に入れることがあるようです。ある少年の話をしましょう。
幼馴染みの恋多き少女のキューピッド役をする少年がいました。彼は運命の赤い糸を自由にできる指輪を手に入れたのです。人の運命を握ってしまった少年はどうなるのでしょう?それは本来の出会いを捻じ曲げてしまうわけで……。あなたならそれでも使いますか?

<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>

付喪堂骨董店シリーズ第4弾。

段々と恋愛要素が強くなってきました。
だが、それがいい。

第4章だけが明らかに異彩を放っていましたが、ここまで来ると1~3章にもそれぞれ方向性や特性が感じられるようになってきましたね。
この飽きさせない構成は素晴らしいとしか言いようがありません。
しかも、今回はそれに加えて咲の登場頻度が増えているので、比例するようにニヤけ度もアップです。

◆第1章
ギミックに凝っていて、結末を読ませない話が多い印象。
ミスリードさせられるストーリーが面白い。
導入部分として相応しい読みやすい話で、なおかつ心をガシッと掴んで離しません。
この4巻の第1章「影」も上記に関しては同様で、安定した出来栄えとなっています。

◆第2章
1章がストーリー重視であれば、2章は設定重視ですね。
アンティークそのものに着目していて、それに関わる刻也と咲が翻弄される役として描かれています。
今回はアンティークよりも刻也中心に描かれていたので、読みやすかったです。
アンティークの新しい使い方などが出てきてましたが、これは今後の伏線になってくる予感。

◆第3章
魅力的なゲストキャラが登場することが多い回。
アンティークを利用することの是非を考えさせられるものとなっています。
暗い話であるのと同時に印象深い話でもあるので、いつまでも記憶に残ります。
後に来る第4章が微笑ましいエピソードであるため、より一層この第3章の重苦しさが際立ちますね。
今回の「小指」は比較的軽い話かなと思ったんですが……。うん、見事にひっくり返してくれました。

◆第4章
もう語るまでもないですが、咲の本領発揮の回です。
咲視点で見られるのはこの第4章だけ!
無表情で一見何を考えているのか分からない彼女の少女らしい感情にときめきまくりです。

もちろん今回の「秘密」も咲の可愛らしい戸惑いが見られます。
そして、それと同じぐらいに刻也の慌てっぷりも拝めます。
二人揃ってウブすぎで、見ているこちらが恥ずかしくなりますw
相手の感情が読めずに勘違いして落ち込んだり慌てたりするくせに、心の奥底では繋がっている二人の関係が素敵。
この二人なら最後には誤解が解けるんだろうなと安心して見ることができます。

◆華麗なイラスト
毎度ながらタケシマサトシさんの絵に見とれてしまいます。
特にこの4巻はシチュエーション的においしい絵が多いこともあって、非常に良かったです。
表紙絵にある咲のゴスロリファッションもいいけど、チャイナドレスにはやられました。

◆総評
地味で暗い雰囲気なのが、モロ好み。
「12DEMONS」も面白かったし、これは今後この作者の本は名前で買ってしまうでしょうね。
次巻が楽しみすぎてデビュー作の「ヒトクイ」も読んでしまいましたよ。

あー、早く次が出ないかなぁー。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  付喪堂骨董店  御堂彰彦  タケシマサトシ  評価A- 

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“不思議”取り扱います 付喪堂骨董店3 

付喪堂骨董店 3―“不思議”取り扱います (3) (電撃文庫 お 9-6)付喪堂骨董店 3―“不思議”取り扱います (3) (電撃文庫 お 9-6)
(2007/10)
御堂 彰彦

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【評価……A-
舞台 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
オススメ度 ★★★★★★★★
 … 9
クーデレ ★★★★★★★★
 … 9
安定感 ★★★★★★★★
 … 9

今日も閑古鳥が鳴く付喪堂骨董店。ごくまれにやって来る客も無愛想な少女のあやしい接客に回れ右をしてしまうのだ。
スレンダーな大人の美人と無表情な少女、そして見た目普通の少年。骨董店は三人の大騒ぎで今日も賑やかです。つまり、付喪堂は今日も暇です。
お客さんは来ませんが、付喪堂には不思議な事件だけは舞い込んできます。ちょっとそんな話をしましょうか。
最近恋人を亡くした少女がいました。彼女は夢の中で好きな人に会えるという香炉を手に入れたのです。あなたなら夢の中に逃げますか?それとも所詮は夢と割り切って辛い現実を生きますか?彼女の選択は――それはあなたが確認してください。

不思議な力を持った道具「アンティーク」に翻弄される人間模様を描いた物語、第3弾。
やっぱりこれは面白い!

このシリーズは、本当に毎回サクサクと読めてしまうなぁ。
全4章からなる構成がお見事。
適度な文章量、飽きさせないストーリー、心地良い構成バランス。
それらの土台の上に、魅力的なキャラクターと興味をそそられる不思議なアイテム「アンティーク」が物語を深みを与えていて、思わず読みふけってしまいます。

1章「」、2章「人形」、3章「」は毎度ながら少々ダークなお話。
このシリーズは安易なハッピーエンドがなく、バッドエンドで終わる話も珍しくありませんので、結末がどちらに転ぶのか分からなくて最後まで楽しめるのがいいところですね。
明らかにミスリードを誘っていることが分かっていても、真相が暴かれたときにある爽快感はヤミツキです。
しかし、何度も同じ手に引っ掛かりすぎているような気がするなぁ、自分w
まぁ、結果として楽しめているわけですからいいんですけど。

個人的に一番良かったと思ったのは3章の「」。
「付喪堂骨董店」らしい、切なく暗い話。
少しでも内容に触れるとネタバレ直結してしまうので詳しくは語りませんが、このテーマは惹かれた。
読了後、深く考えさせられました。

巧みに利用すれば便利なはずの「アンティーク」は、使用者を幸せどころか不幸に貶める象徴として描かれていることが多いですね。
それが欲望に堕ちた人間の本質を表しているかのようで、当事者たちの言葉は虚飾されたものと違って直に胸に響いてきます。
納得できるだけの背景があるので、言葉に重みが感じられるんですよ。
全4章に分割しているため、1つ1つの話が100ページすらないというのに、この文章や物語の奥深さは素晴らしいですね。

1~3章とは別格のラスト第4章「眠り姫」の咲の可愛さは反則的。
平静を保っているように振る舞っているけど、内心動揺しまくりなのが咲視点から丸見えです。
もうね、悶死させる気ですか貴方は!
これをニヤけずに読める人がいたら、それはそれで尊敬してしまいそうです。

似た者同士なのに二人ともシャイだからすれ違い続けてばかりなんですよねー。
当人達は上手くいかないことに嘆くかもしれないけど、第三者から見れば贔屓なしで見てもラブラブにしか見えんw
刻也と咲の視点が交互に切り替わる構成も板についてきていて、文章的にも楽しいですね。

また、いつものようにタケシマサトシさんのイラストが物語に花を添えてくれています。
走り描きに見えるものもありますけど、腕が確かなので、それすら味のある絵に見えてしまいます。

これまで絶賛してきた作品の多くは、既に一般的にも評価されているので、今更僕がこうしてブログに書かなくてもラノベ読みなら当然読んでいるものだったりします。
ですが、この「“不思議”取り扱います 付喪堂骨董店」はまだまだ評価が低いと思うんですよね。

今年に入って面白い本はいくつも読んできました。
その中でも、今一番お勧めしたいのは間違いなくこのシリーズです。
決して明るい話ではないことで誰にでも楽しめる種類の本ではなくなっていて、オススメ度は星1つ落としていますが、読みやすさ保障できます。

もっと売れて欲しい、いや売れるべき本でしょう。
今後に繋がるように、しっかりと定価で買いたいと思わせてくれる作品ですね。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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“不思議”取り扱います 付喪堂骨董店2 

付喪堂骨董店 2―“不思議”取り扱います (2) (電撃文庫 お 9-5)付喪堂骨董店 2―“不思議”取り扱います (2) (電撃文庫 お 9-5)
(2007/06)
御堂 彰彦

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【評価……A-
舞台 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
オススメ度 ★★★★★★★★
 … 9
クーデレ ★★★★★★★★
 … 9
安定感 ★★★★★★★★
 … 9

今日も閑古鳥が鳴く付喪堂骨董店。ごくまれにやって来る客も無愛想な少女のあやしい接客に回れ右をしてしまうのだ。
だが、奇妙な事件だけはほっといても舞い込んでくる。不思議な力を宿した『アンティーク』を求める人たちは後を絶たないのだ。映した世界の音を消し去ってしまう鏡『明鏡』、被せるとまったく同じもう一人の自分が作れる仮面『マスカレード』――。
一見すると便利なものでも使い方を誤れば大変なことになったりする。彼らは『アンティーク』に飛びつくのだが……。
あなたならこの不思議な品をどう使いますか?

不思議アイテムに一喜一憂する人々を描いたシリーズ第2弾。
今回も、ちょっと悲しいお話が多めになっています。第4章を除いて。
どこかの感想で「世にも奇妙な物語」のラノベ版というたとえがありましたが、なるほどなと思いました。
まさしくそんな感じです。

短編が4本収録されている形ためというのもありますが、この作品の読みやすさはかなりのものだと思います。
文章に品があって、喉通しのいいワインのような上質さを味わうことが出来ます。

前回同様に第1~3章までは、不思議な力を持っている「アンティーク」と呼ばれる道具に関わる人間の悲劇、狂気が表立って描かれています。
そして、第4章が打って変ってラブコメの王道まっしぐらなのも1巻と一緒ですね。

どちらも非常に面白いんですが、4章の咲のクーデレには参りました。
今回は多少ツンデレがブレンドされていますが、コレはコレで良しw
表情には出さないけれど、感情の起伏は結構激しいところがいい。
平然としていても、実は喜んでいたり泣きそうになってたりするところが、何と可愛らしいことか。

そのお相手、主人公の刻也はどうやら鈍いタイプのようで、恋に対しては鈍感極まりないというギャルゲーの主人公としての適性バッチリです。
本当はそういう男は好きではないのですが、咲に好意を抱いているのが周囲にはバレバレなのに、当の本人たちがお互いの気持ちに気が付いていないところを見ていると微笑ましく感じて不思議と許せてしまいますw
変に他のキャラが登場して二人の間を邪魔されるよりも、このすれ違い振りを見ている方が楽しいですね。

いつか、作者にはラブコメで一冊書いてみて欲しいなぁ。
あー、でもこの絶妙なバランスで混ざっているからこそ、咲に萌えるのかもしれないなー。

御堂彰彦さんの作品は、どれも安定感がありますね。
毎回A-ランクをつけるかどうか悩んできましたが、安心して読めるということで思い切って付けちゃいます。
今のところ、この作品だけがA-ランクになっていますが、著者の他作品もほとんど同じくらいの高評価をしているつもりです。

タケシマサトシさんの絵も相変わらず美人系を麗しく描いていらっしゃってて惚れちゃいます。
この著者とイラストレーターのペアは、相性いいよなーと感じますね。

構成もお話も非常に良く個人的にはかなり好みのシリーズですね。
派手なキャラやストーリーはなく、とことん地味なんだけど、それが落ち着いた雰囲気を作っています。
あまり感想を見かけませんけど、知らない人も多いのかな。
オススメですよ。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  付喪堂骨董店  御堂彰彦  タケシマサトシ  評価A- 

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“不思議”取り扱います 付喪堂骨董店 

付喪堂骨董店―“不思議”取り扱います (電撃文庫)付喪堂骨董店―“不思議”取り扱います (電撃文庫)
(2006/10)
御堂 彰彦

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【評価……B+
舞台 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
オススメ度 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
クーデレ ★★★★★★★★☆☆
 … 8

クーデレ 2008.7.11追加

この世界には『アンティーク』と呼ばれる物がある。年代物の骨董品や古美術品のことではない。幸運を呼ぶ石、未来の姿が映る鏡など、不思議な力が宿った器物を指す。
世の中は広いもので、そんな怪しい物を扱う店があったりする。付喪堂骨董店~FAKE~。だが、名前の通り扱っているのはそれの偽物ばかり。無愛想な少女が不気味な品ばかり勧めるので閑古鳥が鳴いている胡散臭い店なのだ。でも、ごくまれに本物が舞い込んでくるから面白い。
では、そんな変わった品を手にしてしまった人たちのことを、これからお話しよう。

12DEMONS」のコンビ、著者・御堂彰彦と絵・タケシマサトシによる新シリーズ。
アンティークと呼ばれる不思議な現象を起こすアイテムに関わる人たちを描いた作品です。

4章仕立てになっていて、最後の4章を除いて基本的に同じ流れになっています。
1つ1つの短編がきちんとまとめられていて、サクサク読めます。
使い方次第で幸福にも不幸にもなる道具「アンティーク」の見せ方が上手い。
「アンティーク」自体はそこまで特徴的って代物でもないけど、それに振り回される人々がリアルに描かれてます。

物語の転調が面白かったのは、1章と3章。
特に3章の最後の1ページは印象的でした。
全体的に悲劇的なお話が多かったですね。

そして、ラストを飾る第4章は唐突にラブコメ路線。
ヒロイン・咲のクーデレっぷりを拝めます。
昨今、ツンデレは生産過剰気味ですが、クーデレは意外にも少ないように感じられます。
表情の変化が乏しい咲が見せる照れた様子には、ニヤニヤせずにはいられませんw

タケシマサトシさんのイラストは「12DEMONS」の頃と少し変わった様子。
トーンを多用していることで、漫画絵のように感じました。
これもまた悪くはないけど、個人的には水彩画タッチの絵の方が好きだったかな。

この人の書く文章は、シンプルで頭の中にすんなりと入ってくるのが心地良くて好きです。
これからも積極的に読んでいきたい作家ですね。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  付喪堂骨董店  御堂彰彦  タケシマサトシ  評価B+ 

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