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明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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バカとテストと召喚獣10.5 

バカとテストと召喚獣10.5 (ファミ通文庫)バカとテストと召喚獣10.5 (ファミ通文庫)
(2012/09/29)
井上 堅二

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読書期間:2012/10/1~2012/10/2

【評価……A-
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
バカ
ギャグ
ラブコメ



 ★★★★★★★★☆☆ … 8
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7




 進路希望調査の記入内容に迷う明久・雄二・ムッツリーニの三人に、学園長が提案したのは召喚者の未来をシミュレートする新たな実験――「間に合ってます」「なんだいその反応!?」(正しい教師とのやりとり)。
 とはいえ興味をそそられたFクラス面々は早速試してみることに……。
 『僕と未来と召喚獣』他、明久と雄二を襲った衝撃の人格入れ替わり事件の顛末『僕と雄二と危ない黒魔術』など全4本でお贈りする青春エクスプロージョンショートストーリー第5弾!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


バカテスシリーズ通算15冊目、短編集第5弾。
美春と共に玉野さんが早くも表紙登場。
大躍進ですなぁ。

やっぱり、バカテスは短編集の方が面白い。
皮肉なことに、テストや召喚獣が関わらない方が、ギャグセンス抜群である作者の力を存分に発揮できるんですよね。

僕と兄さんと謎の抱き枕

高校見学にやってきた久保弟&土屋妹から見た文月学園の非日常的な学園生活。
兄が明久の抱き枕などを所有していることを知った久保弟が事実を確かめに調査しにやってくる話です。

情報収集に努める久保弟を嘲笑うかのように、生徒たちの吉井明久評が酷いw
誰に尋ねても一言目にバカと言われ、二言目に衝撃的な噂を流される始末。
それがあながち間違いではないのが、明久の明久たる所以なのでしょうがねw
久保弟は、作品内では稀にみる常識人なので、文月学園に関わらない方が彼にとっては幸せではないかな……。

僕と雄二と危ない黒魔術

バカテス版「ココロココネクト ヒトランダム」編。
怪しげな黒魔術により明久と雄二の人格が入れ替わってしまい、いつものメンバーを巻き込んだ一騒動が繰り広げられます。

もはや召喚獣のシステムすら関係のないファンタジー設定は少々突飛すぎる気がしましたね。
しかし、それすら気にならないほどに勢いが凄まじく、笑いが止まりません。
見慣れたやり取りのはずなのに、言葉のチョイスが絶妙で、何度噴き出してしまったことやら。
笑いの破壊力は、今巻最大でしたね。
玉野さんの行動がガチ過ぎて、ギャグで収まりきれなかったのはいかがと思うw

僕と未来と召喚獣

進路に悩む明久達の前に、学園長による召喚獣調整の実験が行われれる恒例の展開。
今度の召喚獣は、未来のシミュレートができるというもの。

これは興味深いエピソードでしたねー。
みんな身長が伸びたり、大人っぽくなったりしていて、外見的な成長が窺えます。
葉賀ユイさんのイラストを眺めることが出来ただけでも、この話は大成功でした。
20代中頃の明久には、今にはない余裕が生まれていて格好良かったですね。

私とウサギと仄かな初恋

吉井くんと瑞希ちゃんの過去話。
瑞希が事あるごとに匂わせていた明久に好意を抱くようになったキッカケですね。
それが遂に明かされます。

未来以上に有り得ないくらい美少年な明久がいる!
明るくて皆の輪の中心にいて、周囲に笑顔を振りまくクラスの人気者。
一体この天使のような子が、どうしてあんなにバカになってしまったんだ……。
まぁ、視点の関係から瑞希フィルターによる補正が強かったのかもしれませんが。

ネガティブな思考が常な瑞希ちゃんにとって、明久は眩しい存在だったでしょうね。
些細なことで喜ぶ二人が、微笑ましくてほんわかとした気持ちになりました。
それだけに意外なストーリー運びに少々驚きましたけど、この話、絶対裏側がありますよね。
美波の過去話が雄二視点でも語られたように、今度は明久視点で見せてくれそう。

ノンストップバカコメディの真骨頂は短編にこそある

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  バカとテストと召喚獣  井上堅二  葉賀ユイ  評価A- 

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バカとテストと召喚獣10 

バカとテストと召喚獣10 (ファミ通文庫)バカとテストと召喚獣10 (ファミ通文庫)
(2011/12/26)
井上 堅二

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読書期間:2012/1/21~2012/1/23

【評価……B-
発想 ★★★★★☆☆☆☆☆ … 5
設定 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
物語 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
バカ
ギャグ
ラブコメ
構成


 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
 ★★☆☆☆☆☆☆☆
 … 3



 ついにAクラスとの再戦を迎えた明久たちFクラス。雪辱を果たすため、そしてA教室の大画面で秘蔵DVDを観るため(一部関係者談)気力充分な彼らだったが、前回苦戦を強いられたAクラスも今回は序盤から全力全開!試召戦争は午前中から早くもクライマックス状態に。
 そんな中、突然3年生の主席がFクラスを訪れ謎の言葉を残していく……。
 『美形は帰れ!』(動物園の皆さん)果たして2年最強クラスの座はどちらの手に!?風雲急を告げる第10巻!!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


バカが騒いで奔走する学園コメディ、遂にシリーズ第10巻を迎えました。
この2年間、刊行ペースがガクッと落ちたので、思っていたより時間がかかりましたね。

物語もいよいよ大詰め。
悲願の勝利を目指し、Aクラスとの勝負に出たFクラス。
今こそ燃え上がる試召戦争が繰り広げられる!!――と言いたかったのですが……。

これはないわー。
もう、ただただ残念。
何故このような構成にしたのか、酷いオチに愕然としました。

そもそも試召戦争が、正直大して面白いものでもありません。
何度か指摘している通り、このギミックで話を広げるには限界が来ています。
テストの点数で勝負をする設定上、戦闘で優劣をつけるのは難しく、観察処分者である明久を特別視するのも、さすがに限度があるでしょう。
しかし、その制約を理解した上で、作者は頑張ったと思います。
精一杯頑張っていると伝わることが良いことだとは思いませんけど、苦しいなりにまとめられていました。
最後の最後までは。

持っていきたい展開があるのは理解できますけど、都合良過ぎて萎えてしまいました。
少なくとも今回明かされた内容では、理由になっていません。
新たな構図を見せること自体はアリだとしても、この瞬間である必要性はなかったはずです。
フラストレーションを溜めさせて、次回に爆発させるにしても、やり方がマズかった。

それに加えて、ギャグの切れ味が鈍いのも痛手でした。
哀しくなるほどにネタ切れ感が漂っています。
もちろん、バカテスワールドのノリが大好きで読んでいるため、面白い部分もあるにはあるんですが、以前だと声を上げて笑う箇所がいくつも見つかったのに、今ではニヤリと笑う程度に収まってしまっています。
バカテストの破壊力も、随分落ちてしまいましたしねぇ。

キャラで何とか引っ張っているという作品になっています。
対Aクラスということで、久保君や優子などの活躍が見られる点は嬉しかった。
特に、ギャグ要因となりつつあった久保君が、学年次席としての本領を発揮してくれたのは、見応えありました。
せっかく表紙に出ているのに、優子に比べると愛子の出番が少なかったことは残念でしたけど。
焦って暴挙に出る美波とか、ちょっと格好付け過ぎな明久と雄二とか、頼りになる秀吉とムッツリーニとか、相変わらず他人の幸せを許さないFFF団とか、いつも通り楽しかったです。

一方で、新キャラは魅力が感じられませんでしたね。
名前だけ出ていた高城も登場し、キャラ的にも面白味はあるんですけど、どうにもいけすかない。
あと、ちょこちょこ顔を出すリンネもウザったく、好きになれません。
3年生で好きになれるのは、小暮先輩ぐらいですよ。

残すところラストエピソードのみらしいですが、ここから挽回してくれることを切に願います。

成長した明久たちの姿が見られるAクラスとの再戦が見所

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  バカとテストと召喚獣  井上堅二  葉賀ユイ  評価B- 

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バカとテストと召喚獣9.5 

バカとテストと召喚獣9.5 (ファミ通文庫)バカとテストと召喚獣9.5 (ファミ通文庫)
(2011/06/30)
井上 堅二

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読書期間:2011/7/6~2011/7/7

【評価……B+
発想 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
バカ
ギャグ
ラブコメ



 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7





 召喚実験リターン!明久と雄二で喚び出した召喚獣は、まるで二人の子供のようで――って、また惨劇が繰り返されるのか!?「僕と子供と召喚獣」、ドキドキ同居生活を赤裸々に綴る「僕と姫路さんとある日の昼下がり」、謎多きムッツリーニの一面が白日の下に晒される!?「僕と土屋家と揺れない心」、高校1年生の春――すべてはこの出会いから始まった!「俺と喧嘩と不思議なバカども」の4本で贈る、青春エクスプロージョンショートストーリー集第4弾!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


アニメ二期絶賛放送中のバカテスシリーズ、短編集第4弾。

本当に読みやすくて楽しい作品だなぁ。
ストーリーをキッチリ組み立てる必要がある本編と比べて、軽快なテンポで繰り広げられるネタ中心のエピソード満載の短編集は、いつも以上に笑えることが多いのが利点です。
ただ、今回はギャグよりも、ラブコメや青春展開に力を入れた内容となっていて、笑えるというよりも面白いという感想になりますね。

『僕と子供と召喚獣』
本音を喋る召喚獣に続く、ババァ長の試験召喚実験その2。
今度は二人で召喚することで、自律行動する召喚獣のテストをすることになった明久たち。
その召喚獣は、さながら二人の子供のよう。
当然ながら、女子連中が黙っている訳がなく、またしても明久&雄二が追いやられるという定番パターンです。

明久と雄二の子供とか、明らかに狙ってやってますよね、コレ。
姫路さんや美波よりも雄二とのカップリング推しが強過ぎるw
男読者でも嫌悪感を抱かずに、むしろギャグとして楽しめているので何ら問題ないってところが凄い。

『僕と姫路さんとある日の昼下がり』
姫路さんが同居してた頃の、ほのぼのエピソード。
腐女子向けや誰特なサービスシーンが多い中で、ラブコメの王道的な内容は貴重でした。
まさかの挿絵に驚きましたよ。
でも、明久が鈍感すぎて、ニヤニヤさせられるってことはあまりなかったかな。

『僕と土屋家と揺れない心』
明久&雄二の不毛な言い争いから始まったムッツリーニ主催の企画で土屋家を訪問する話。
要するにガキの使いの「笑ってはいけない」シリーズのパロディです。
ネタ的には面白くなりそうな予感があったのですが、キレはイマイチでしたね。
無理矢理笑わせようとしているためなのか、それとも普段のギャグと異なるためなのかは分かりませんが。
この企画は、シュールな間や音、リアクションが重要なので、文章では難しかったのかもしれません。

それよりも注目すべきだったのは、ムッツリーニの家族構成でしょう。
てっきり一人っ子だと思ってたら、兄2人に妹1人とは意外すぎる。
将来、妹を盗撮したりしないか心配ですw

『俺と喧嘩と不思議なバカども』
7.5巻収録の「ウチと日本と知らない言葉」を雄二視点で描いた短編。
明久、雄二、秀吉、ムッツリーニの4人がいかにして、つるむようになったのかが明かされています。
やさぐれた雄二が、バカ正直に生きる明久を目の当たりにして、不本意ながらも惹かれていく展開が熱い。
眩し過ぎて直視できないぐらい青春街道まっしぐらのイイ話でした。

男の友情が描かれるシーンの多い回でしたね。
その代わり、カラーページの漫画は髪型を変えたヒロインズが可愛かったです。
ツインテールの美波もいいけれど、単純に髪を下ろすだけでもギャップがあって萌えるので、たまに見せて欲しいなぁ。

それにしても、著者プロフィール欄が表紙絶賛コーナーになっちゃってますねw
葉賀ユイさんの絵が素晴らしいのは同調しますが、バカテスが終わって、絵師担当が代わったらどうするんだろう。
井上堅二さんは、生きていけるんだろうかw

さて、そろそろ終わりが近づいているみたいですが、まだ次は完結ではないのかな。
あとがきを読む限り、もうちょっとだけ続きそうです。

互いを罵るほどの悪友にまでなった明久と雄二の出会いのエピソードが見所

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  バカとテストと召喚獣  井上堅二  葉賀ユイ  評価B+ 

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バカとテストと召喚獣9 

バカとテストと召喚獣9 (ファミ通文庫)バカとテストと召喚獣9 (ファミ通文庫)
(2011/01/29)
井上 堅二

商品詳細を見る
読書期間:2010/1/31

【評価……A-
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
バカ
ギャグ
ラブコメ
燃え


 ★★★★★★★★☆☆ … 8
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8



 墓穴と姦計が入り乱れた対Cクラス試召戦争。Fクラスは、なんとか初日をタイムアップで切り抜け、勝負を二日目に持ち越すことに成功した。しかし、ただでさえ低い点数をさらに減らしてしまった彼らは、いきなりピンチ状態からのスタートに!しかも、明久は風邪で不在……。どうなるCクラス戦!?この劣勢を覆すことができるヒーローはいないのか!?
 「それで、話ってなんだい吉井君?」(by知的眼鏡先生)
 勝利を信じる心と心の絆が奇跡を呼ぶ第9巻!!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


バカだからこそ、一直線に目的に突っ走ることができる熱い奴らの学園コメディ、第9巻。
Cクラスとの試召戦争後半戦に突入です。

うおー、面白れー!
ここ最近のバカテスの中では、一番楽しかったです。
本編よりも短編集の方が良かったりしてたからなぁ。

姫路さんの不意打ちによるキスで呆然となってしまった明久。
我を取り戻して学校に遅刻した時には、既に試召戦争は始まっていた。
仲間との合流を諦め別行動を取ることにした明久、開始早々苦境に立たされている雄二たちFクラス。
二人の視点から交錯する試召戦争という熱血バトルが繰り広げられています。

明久雄二の燃える友情展開は珍しくはないんですが、今回は飛びきり熱いですね。
口に出さなくても伝わる信頼関係というのは、卑怯なくらい格好良いなぁ。
普段、お互いを陥れることしか考えていないのに、いざというときに信じられるってのは輝いて見えます。

正直、召喚獣の設定的に限界が見えているので、話を広げるのは難しいんでしょうね。
それでも、十分見応えのある駆け引きが描かれていて、システムの穴を指摘するよりも絞り出した知恵に感心させられました。

まさか、Aクラスメンバーにここまで多くの出番があるとは思いませんでしたね。
明久との絡みが新鮮。
いつものFクラスとの荒っぽい関係とは一味違うマイルドなボケがおかしくて何度も笑いました。

秀吉人気に押されて不遇の立場となってしまっていた優子に、やっと光が当てられましたね。
ちょっと気が強いショタコン程度だと、濃い人間の多い文月学園では埋もれてしまいますけれど、しっかり者のツンデレってのはポイント高いよ。
何度かニヤケさせてもらいました。
今巻に限っては、秀吉よりも萌えましたよ。

ニヤけたというのは、愛子も同様ですね。
私はHだよと公言している女の子が見せる純情さは、破壊力が凄い。
ギャップ萌え好きとしては、たまりませんでした。
もちろん、お約束の誘惑的な行動もあり、何ともまぁご馳走様でしたという感じw

久保君は、相変わらず美味しいポジションでいらっしゃることで。
明久との勘違いコントは、もう楽しくて仕方ありません。

姫路さんは、ようやくメインヒロインとして板についてきたなぁ。
Fクラスの空気に感染してしまい、どす黒い方向に進化してしまった時は、もう清純派ヒロインに戻ることはできないなと思っていましたが、一周して芯の強い魅力的な女の子になりましたね。
明久のために、みんなのためにと頑張る姿は、頼もしさすら感じられました。

表紙の翔子は、いつの間にかに随分と成長していたんだなぁと感慨深くなったりするね、うん。
挿絵では、木下姉弟とデフォルメ明久が可愛かった。
葉賀ユイさんのイラストは、ページをめくる瞬間のドキドキ感がいいなぁと思います。

それにしても、この作者はあとがきまで笑わせてくれますね。
これぞプロというやつか、なるほど。

いつもよりコメディが控えめのかわりに、熱いストーリーを魅せてくれます

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  バカとテストと召喚獣  井上堅二  葉賀ユイ  評価A- 

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バカとテストと召喚獣8 

バカとテストと召喚獣8 (ファミ通文庫)バカとテストと召喚獣8 (ファミ通文庫)
(2010/08/30)
井上 堅二

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読書期間:2010/9/8

【評価……B+
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
バカ
ギャグ
ラブコメ



 ★★★★★★★★☆☆ … 8
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8




 玲の提案で瑞希が吉井家で暮らすことに。今まさに明久の眼前に広がるのは魅惑の同棲生活!?
 だがしかし!それは同時に異端者の終わりなき逃避行の始まりでもあり……「おい明久!お前――」もう万事休す!?と、明久の生命が危機に晒される中、再び幕を開けた試召戦争がFクラスを未曾有の大混乱へと突き落とす!昨日の友は今日の敵、あれ?あなたはどちら様??
 「ズボンだけは残しておいて下さい!」(by明子ちゃん)
 波乱の予感が吹き荒れる第8巻!!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


アニメ放送終了後、初めて刊行されたシリーズ第8巻。
短編集があったことや、アニメ効果を狙っていたおかげで、早い感覚でバカテスを読むことができていたので、半年も空くのは珍しかったですね。

さすが面白い。
久々に読むと、作者の文章センスの良さを再確認させられますね。
ドタバタコメディを書かせたら、今のラノベ界では随一の実力者でしょう。

問題点もあるにはあります。
例えば、ようやく原点回帰をして試験召喚戦争が始まったのはいいものの、あくまで勉強の点数を反映させて戦うシステムのため、広がりを見せづらい点。
結局同じような展開が続いていて、パターン化が飽きを誘い、ラブコメ要素は上昇していてもギャグの切れ味が落ちているところ。

しかし、それでも楽しいと思えるのは、勝手に走り回っているキャラ達のおかげですね。
明久たちが笑ったり泣いたり怒ったりするだけで、ここまで面白いと思えるんです。
キャラクターが牽引した結果、ストーリーが出来あがることだってあるわけです。
キャラ小説?上等ですよ!

その最たる例が、今回登場する新キャラ、玉野さんです。
いや、正確には過去にも出ているですが、メインキャラとの本格的な絡みはなかったですからね。
暴走キャラはバカテスでは珍しくないはずなのですが、この子、群を抜いて人の話を聞きませんw
スイッチが入ったかのようにテンションMAXでグイグイ引っ張る様が、すごい楽しいw
濃いキャラが多いのに、後発でここまで強烈なインパクト与えてくれるとは思いませんでした。

あと頑張っていたのは姫路さんかな。
同棲生活に入ることで、出番が増えるとは思っていましたが、彼女にしては体張っていますね。
鈍感な明久も、さすがに好意に気付く……のかどうかは分かりませんが、一歩前進なのは間違いありません。

しかし、何だかんだ言って明久との交流が一番多いのは、雄二なんだよなぁ。
お互い罵り合いながらも、不承不承協力する姿は見慣れたもんです。
男同士のやり取りが楽しく笑えるのも、このシリーズの特徴であり、良いところですね。

美波やムッツリーニ、秀吉らの出番が少なかったのは残念。
まぁ、登場人物が増えているから仕方ないかな。

7巻でマンネリを感じていましたが、盛り返してきましたね。
試召戦争の行方やラブコメ展開が続いているので、次巻が気になります。

誤解と妬みと鈍感さにより収拾がつかなくなる暴走ハイテンションコメディ

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  バカとテストと召喚獣  井上堅二  葉賀ユイ  評価B+ 

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バカとテストと召喚獣7.5 

バカとテストと召喚獣7.5 (ファミ通文庫)バカとテストと召喚獣7.5 (ファミ通文庫)
(2010/02/27)
井上堅二

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読書期間:2010/3/1

【評価……A-
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
バカ
ギャグ
ラブコメ



 ★★★★★★★★☆☆ … 8
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8




 些細な切っ掛けから始まったゲームが小悪魔ふたりに蹂躙されて!?『僕とダウトと男の尊厳』。
 学園長からのオイシイ話=惨劇フラグ!『僕とホンネと召喚獣』。
 吉井家の食卓に地獄の門が開く!『僕と福引きと闇の鍋』。
 高校一年生の春、ドイツから帰国したばかりで戸惑う美波だったが……『ウチと日本と知らない言葉』の4本で贈る青春エクスプロージョンショートストーリー集第3弾!
 「ボクが人工呼吸、してあげるから☆」(by 肉食系女)

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


アニメ放映真っ最中に発売された、短編集第3弾であり通算10冊目となる今作。
満を持してアキちゃんが表紙に登場です。

あー、笑った笑った。
前回、ちょっと飽きつつあるかなと心配になりましたが、そんな不安を吹き飛ばしてくれる出来でした。
短編集だと、基本的にコメディオンリーなので、純粋に笑えていいですね。

5.5巻と同様に、恒例のギャグ話が3篇と、締めのシリアス話が1篇の全4章となっています。

『僕とダウトと男の尊厳』
7巻のあとがきの次回予告にあった「男を懸けた脱衣トランプ対決」です。
この作品は、女の子のサービスシーンなんてないよね。分かってましたよ。
頭に腐が付く女の子へのサービスシーンはいっぱいあるのになぁw
その分、秀吉やアキちゃんが頑張るからいいのか。
まぁそれはともかくとして、姫路さんの変わりっぷりを改めて認識させられるエピソードでした。
変態レベルは、Fクラスの面々よりも学年トップ3の方が格段上ですね……。

『僕とホンネと召喚獣』
新たな試験召喚システムの試運転を頼まれた明久たちだったが、その内容は召喚獣が召喚者の意志に反して本音を読み取って発言するという、プライバシー侵害全開のものだった……というお話。
ハチャメチャで騒がしいノリが、テンポ良くて楽しい。
自爆したり自分にツッコミを入れる様が慌しく、ニヤケと笑いが交互にやってきて、頬が疲れましたw
普段、あまり本音を言わない雄二や秀吉の動揺っぷりが面白かったなぁ。
工藤さんに翻弄される男性陣が、可哀想なぐらい本能むき出しでした。あれは男なら仕方がないw

『僕と福引きと闇の鍋』
これも次回予告にあった「いつものメンバーで贈る闇鍋の会」ってやつですね。
メンバー内に姫路さんがいるだけで、どう考えても死亡フラグが立っています。ありがとうございました。
彼女の料理スキルの成長速度は、とどまることを知らないようです。殺人的な意味で。
そのうち臨死体験から生還できない人間が出るぞ、これは。
明久と雄二が必死になるのも致し方なかろうってもんですよ。

『ウチと日本と知らない言葉』
帰国&高校入学直後の美波の過去エピソード。
明久たちとの出逢いを描いたものとなっています。
美波は初登場時から普通に日本語を喋っているので、ある程度話せるものだと思っていましたね。
そんな言葉の壁に苦労する美波に対して、笑顔で声をかける明久が良かった。
こりゃあ明久に惚れるのも無理はないわなー。優しい馬鹿は格好イイね。

それにしても、姫路さんが清純派ヒロインから滑落したこともあり、美波がメインヒロインに見えて仕方ない。
個人的に姫路さんの方が好きだったはずなのに、いつの間にか逆転して、美波を応援している自分がいます。
姫路さんは何というか……ギャグ方面で頑張って、とw

秀吉については、慣れてきたせいで萌えることが少なくなってきたなーと思っていたら、カラーページでやられました。
表紙のアキちゃんや工藤さんの男装など、今回の葉賀ユイさんの仕事は素晴らしいっ。

本編よりも踏み外した歩幅が大きいキャラが多数のバカと変態の学園ラブコメ

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  バカとテストと召喚獣  井上堅二  葉賀ユイ  評価A- 

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バカとテストと召喚獣7 

バカとテストと召喚獣7 (ファミ通文庫 い 3-1-9)バカとテストと召喚獣7 (ファミ通文庫 い 3-1-9)
(2009/12/26)
井上 堅二

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読書期間:2010/1/14

【評価……B
発想 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
バカ
ギャグ
ラブコメ
スポコン



 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7



 これまで数々の恥辱(←自業自得)に耐えてきた明久とFクラスの面々。しかし、そんな彼らも遂に爆発!?新学期早々の抜き打ち持ち物検査で聖典を没収され復讐に燃える修羅たちは、体育祭の一競技、生徒vs教師交流野球で教師陣に直接恨みを晴らさんと誓うのだが……。なんと競技は戦友を賭けた召喚獣野球に発展!パトス溢れる球宴の果てに明久たちを待つのは勝利か敗北か?
 「このままだったらお前も死ぬぞ!」(by 獲物先輩)
 熱闘激闘剛速球で贈る第7巻!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


アニメ放送直前に発売されたバカテス通算9冊目の今作。
夏休みが終わり、二学期開始と同時にやってきたのは学園モノとしては定番のイベント、体育祭でした。

色んな競技があるはずなのに、没収されたエロ本を取り返すために賭けの約束をした野球にのみ力を入れるFクラスの男達。
バカだなぁ……w(褒め言葉です)

面白いけれど物足りない……といったところでしょうか。
バカテスにしてはページ数が多くて嬉しいなぁと思っていたら、その分内容が薄めで残念でしたねぇ。
読者側の慣れもあるでしょうが、それ以上にネタ切れ感がありありと出ています。

キャラクターは活発に動いているものの、良くも悪くもいつも通りすぎて新鮮味に欠けます。
そろそろ新キャラを投入して、完成されつつあるグループに一波乱を起こしてもいい時期じゃないかな。
ストーリー展開も似たような話で、先が読めちゃいますしね。

そんな進展が見られない中で、唯一人、二度目の表紙を飾った姫路さんだけは変わり続けています。
というか、もう彼女は後戻りが出来ない域まで達してしまったような……w
シリーズ開始直後の清純派(ただし料理を除く)の彼女は一体どこへ消えてしまったのか。
今となっては、バイオレンスな美波の方が女の子らしく可愛く見えるよ!

あとは、教師との対抗戦ということもあって、鉄人の出番が増えています。
アニメではほぼネタキャラになっていましたが、イイ先生だと思いますよ。わりとマジで。

今回のメインとなった野球ネタは可もなく不可もなく。
今まで野球を題材とした小説を何度か読んできましたが、心の底から面白いと思えるものには出逢ったことがないんですよねぇ。
興味がない人にとっては、ルールが複雑なゆえに、どうしても説明が入らざるを得ません。
そうなると、詳しい人にとっては退屈で、知らない人にとってはよく分からないということになってしまいます。

召喚獣の操作とはいえ、普通に野球をやっているだけですね。
バランス調整が難しい題材を「普通に」読めるってだけでも凄いことなのかもしれませんが。
説明文に文章を割いてしまい、その代わりに笑いの数が犠牲となってしまったように感じました。
笑ったのは、野球ネタ以外のところの方が多かったし。

内容に大きな変わりはありません。
キャラ萌えをしている人ならば、シチュエーションの変化で楽しめると思います。
個人的には、バカテスのキャラはみんな大好きだけれど、特定の人物にハマっているわけではないからなぁ。
マンネリ打破のためのひと工夫が欲しいところです。

初期のインパクトある笑いには劣るけれど、安閑感のあるコメディ作品

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  バカとテストと召喚獣  井上堅二  葉賀ユイ  評価B 

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バカとテストと召喚獣6.5 

バカとテストと召喚獣 6.5 (ファミ通文庫)バカとテストと召喚獣 6.5 (ファミ通文庫)
(2009/08/29)
井上 堅二

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読書期間:2009/9/3

【評価……A-
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
オススメ度 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
バカ ★★★★★★☆☆☆
 … 7
ギャグ ★★★★★★☆☆☆
 … 7
ラブコメ ★★★★★★☆☆☆
 … 7

ついに登場!秀吉の姉・優子がFクラスに!?『アタシと愚弟とクラス交換』、夏休みはみんなで海にバカンスだ!衝撃シーン満載の『僕と海辺とお祭り騒ぎ』前後編、神童と呼ばれていた少年と物静かな少女、二人の学校生活で起こった小さな事件『雄二と翔子と幼い思い出』の4本で贈る、青春エクスプロージョンショートストーリー集第2弾!
「……?何故だか男として扱われた記憶がないのじゃが……!?」(by 比較的胸が小さい方の木下)

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


バカだけど憎めないキャラばかりの人気シリーズ。
今回は、短編集の第2弾となります。

やっぱり安定して面白いなぁ。
初期のころと比べてインパクトこそ欠けますが、ギャグのキレに衰えは感じさせません。
似たような内容を繰り返しているのに、いつまでも笑えるってのは素晴らしい。

全4章のうち、いつものバカ騒ぎが3編、ちょっぴりシリアスな過去話が1編となっています。

『アタシと愚弟とクラス交換』
秀吉と同じ容姿であり、かつ本物の女の子でありながら不遇であった木下優子が主役のお話。
……のはずが、やはり秀吉においしいところを奪われてしまっているよーな?
バカや変態ばかりのこの作品においては、(まだ)常識人だなぁ。
今後、道を外す可能性大だけどw
話的には、とりあえず優子の話を書いてみましたって程度だったので、もう少し膨らませて欲しかったかな。

『僕と海辺とお祭り騒ぎ』
夏休みにみんなで海で遊ぶという定番イベントの話。
この小説はいつもそうだけど、サービスシーンの性別がおかしいw
特定の層に狙いすぎ……かと思いきや、洗脳されかねない破壊力はさすが秀吉の生みの親というべきか。
それにしても今更言うまでもないことだけど、明久も雄二もバカだよなぁー。
何度痛い目あっても学習しない彼らが大好きです。

『雄二と翔子と幼い思い出』
ラストを飾るのは、雄二と翔子の過去話。
翔子が雄二に惚れるきっかけとなったエピソードが描かれています。
これはなかなか良かった。
二人とも、今とは全然違う姿で新鮮でした。
雄二がどうして神童と呼ばれていたのにもかかわらずFクラス代表に留まっているのかの理由も判明して、スッキリ。
でも、翔子の愛情が何故暴力的になってしまったのかは未だ不明のまま。
あんなにも純真だった翔子はどこに消えてしまったんだ……。

ところで、感想を書くために、もう一度読んでみたら思いのほか面白くて思わず評価を改めてしまいました。
初見の時は、ギャグに慣れてしまったかなーと思ったんですが、違いますね。
期待しすぎてハードルを上げてしまったんでしょうね。

相変わらずイラストは可愛くて楽しいものばかりで嬉しい限り。
不満点といえば、秀吉の絵が少なかったことくらいです。
まぁ、出番の少なかった姫路や美波よりはマシか。
次はヒロインたちに見せ場があるといいな。

性別の境界線を度々侵す男性陣の体の張りっぷりに新たな道に目覚めそうになる

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  バカとテストと召喚獣  井上堅二  葉賀ユイ  評価A- 

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バカとテストと召喚獣6 

バカとテストと召喚獣 6 (ファミ通文庫)バカとテストと召喚獣 6 (ファミ通文庫)
(2009/04/30)
井上 堅二

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読書期間:2009/4/30

【評価……A-
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★★★
 … 10
オススメ度 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
バカ ★★★★★★☆☆☆
 … 7
ギャグ ★★★★★★☆☆☆
 … 7
ラブコメ ★★★★★★★★
 … 9

待望の夏休み!だが、悲惨な結果に終わった期末試験によりそのまま補習に突入した明久とFクラスの面々。
暑苦しい鉄人の授業を黙々と受けていたある日、「そういえば召喚システムの点数がリセットされたって話はどうなった?」と気づいた彼らは、白金の腕輪を使って召喚獣を喚び出してみる。
しかし、そこに現れたのは古今東西の物の怪に姿を変えた召喚獣だった――!?
「友達はボール!」( by 新種妖怪・坂本雄二)
負けられない肝試し対決で贈る第6巻!!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


短編集も合わせると、バカテスシリーズ通算7冊目となる今作。

試験召喚システムにエラーが発生し、何故か召喚獣がチビキャラから妖怪に変わってしまうという騒ぎに。
そんな事態に明久たちが黙ったままのわけがなく、これを好機と肝試し大会が開催されることに……というお話。

うん、面白かったです。
パターン化された展開に若干飽きつつあるものの、キャラが活き活きとしているので、バカバカしい掛け合いを見ているだけでも十分楽しいですね。

妖怪化された召喚獣を次々と呼びだすところは面白かった。
秀吉の萌えレベルの高さを再確認し、美波の妖怪には笑わせてもらいましたw
どっちも反則ですよ……意味合いは全然違うけどw

前々回ぐらいからのラブ成分多めのラブコメが今巻にも続いていますね。
今回は、姫路さんのターンでした。
立ち位置はメインヒロインっぽいはずが、秀吉には大きく差を広げられ、同格のはずの美波にも一歩リードを許していましたが、ここにきてようやく出番が回ってきました。
普段とのギャップによる印象ではどうしても美波には勝てませんが、いやはや、姫路さん格好良いじゃないかっ。
頑張っている女の子は、とてもいいものですね。うむうむ。

表紙の工藤愛子とムッツリーニのペアが、巻を追うごとに増えてきてイイ感じ。
エロいことに関してはプライドの高いムッツリーニと、飄々としている工藤さんの組み合わせが好きだなあ。

安定して面白かったし、笑いどころもいくつかありました。
ただ、文章で腹筋崩壊になるぐらい笑い転げるということはなかったかなぁ。
あ、でもイラストでは二回吹きましたw
1つは、上記の美波の召喚獣。
もう1つは……シリーズ最悪最強の破壊力を持ったP131のカット。
あの絵の精神ダメージは、もはや計測不可。
本気で気持ち悪くなるような絵って、なかなかないですよ。

ネタイラスト以外にも、良質の絵が多くて嬉しかったです。
新キャラ・小暮葵のお姉さまフェロモンに魅了され、姫路さんの格好良い姿にトキメキました。
その中でも一番良かったと思うのは、P103の姫路さんと美波。
秀吉の妖怪召喚獣を超える可愛さに、ニヤニヤさせられました。

次は短編集だそうです。
木下姉妹の話に期待せざるを得ない。

笑いの要素は若干落ちたものの、それでも安定して面白いバカラブコメディ

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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バカとテストと召喚獣5 

バカとテストと召喚獣5 (ファミ通文庫)バカとテストと召喚獣5 (ファミ通文庫)
(2008/11/29)
井上 堅二

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【評価……A-
舞台 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
オススメ度 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
バカ ★★★★★★★★
 … 9
ギャグ ★★★★★★★★☆☆
 … 8
ラブコメ ★★★★★★★★
 … 9

気ままに一人暮らしを満喫する明久の元に突如!母親からの最凶の資格がやってきた!!
アキくん大好きな彼女の出現により、怠惰で自由な毎日は一変、恐怖の減点法監視生活へ!
家族愛地獄から逃れるため、そして補修ナシの夏休みを迎えるため、期末試験で好成績を狙うしかない!
こんなときこそ頼むよ、元・神童!
「家族、か……お前も大変だな……」(by Mr.たすてけ)
というわけで、みんなのおうちで勉強会!禁忌の愛が吹き荒れる第5巻登場!

【感想】 <前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


あまりにもバカが自然となってきていて違和感を覚えなくなってきた、バカテス第5巻。
良い意味でいつも通りバカやってます。

まさに期待通り。
やっぱりバカテスは面白い!

お手軽に、しかし夢中で読んでしまうため、読み終わった後は時間が飛んでいるような感覚があります。
発売と同時に読みふけり、そして感想を改めて書くため目を通そうとしていたら、最初から最後までキッチリと読み通してしまってました。
短期間で二度読んでも笑ってしまう破壊力は恐るべし。
さすが外では読んではいけないラノベシリーズです。

今回は各キャラクターの家族の話。
学園を離れ、新たな視点から綴られるバカテスワールドが新鮮。
この家庭環境で育ったなら、バカになってしまうのも仕方ないなと思わせられました。

4巻では美波に絞ったラブコメでしたが、今回は全体的に恋愛感情の動きが多かったですね。
相変わらず明久は男女問わずモテモテで、そのことに全く気付こうとしない鈍感っぷりが面白い。
明久が、誰とでもカップリングの組める状況になりつつあるのが怖いw
健全な友達付き合いができているのは、ムッツリーニと翔子ぐらいしかいないんじゃなかろうか。

表紙に描かれている明久の姉・が初登場。
初っ端のイラスト付き登場シーンで吹きましたw
ブラコン臭出しまくりなのに、明久に対しての愛情表現が陰湿な苛めばかり。
姉属性持ちの自分でも、この姉を友人に紹介したくない明久の気持ちが凄くよく分かります。
明久のねじ曲がった常識や総受け体質は、玲に育成されたものだったんだろうなということが窺えます。

瑞希・美波・秀吉のヒロインたちに平等に出番があったのが嬉しかった。
今のところ、美波が一歩リードしているように見えますね。
鈍感な明久が美波を女の子として意識しているところは、もどかしくなっちゃいますな。
ああ、青春してるなぁ、とw
お似合いなのは瑞希の方だと思うんですけどね。
天然度が増していて、明久とのボケボケのやり取りが微笑ましいのなんの。

葉賀ユイさんの絵は毎度のことながら素晴らしい。
女の子や秀吉が可愛すぎて困ります。
これほどまで文章とマッチしている絵は、ラノベ全体で見てもそうはないですよ。
まぁ、一番衝撃的だったのはカラーイラストの雄二の姿だったんですがねw

物語上、召喚バトルがほぼなかったこともあって盛り上がりに欠けたところがありました。
オチの付け方も無難というか普通というか、物足りなく感じられましたね。
ぶっちゃけていえば、消化不良です。
そんな単調なストーリーでも、バカ成分が補っていたので非常に楽しかったです。
気になる終わり方をしているので、早く続きが読みたいですね。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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バカとテストと召喚獣4 

バカとテストと召喚獣4 (ファミ通文庫 い 3-1-5)バカとテストと召喚獣4 (ファミ通文庫 い 3-1-5)
(2008/05/30)
井上 堅二

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【評価……A
舞台 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★★★
 … 9
挿絵 ★★★★★★★★★★
 … 10
オススメ度 ★★★★★★★★
 … 9
バカ ★★★★★★★★☆☆
 … 8
ギャグ ★★★★★★★★
 … 9
ラブコメ ★★★★★★★★
 … 9

美波から衝撃のキス!驚きのあまり呆気に取られる明久。現場にはFクラスの面々が現れ、しぎさ、あ臨時査問会(公開処刑と同意語)が執り行われることに!
しかしそんな彼らをよそに、他のクラスはFクラスに対する武力制裁の準備を進めていた!
最大のピンチを切り抜けるため、雄二が繰り出す作戦とは?
そして作戦遂行のため、ペッタコンコはゆれまくるのだった――!
「…………矛盾してる」(byムッツリーニ)
ラブコメ全開、待望の第4巻!!

<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>

愛すべきバカたちの青春ラブコメディ、第4巻。
やっぱりバカテスは期待を裏切らないね。

ここまで読んできた人であれば、もはや説明不要ですね。
バカたちがバカをするのをバカ笑いする本です。
4巻まで来ても、クオリティに陰りが見当たりません。
要するに、外で読むのはやめましょうってことですw

ここ最近、色んなバカ本を読んできましたが、バカテスは別格
バカテス以上のものは、現時点ではないですね。少なくとも僕の知る限りでは。
他作品と比べて、笑いの破壊力が一次元違いますw

ただ今回は趣向が違います。
というのも、3巻のラストで美波があんなことをしたので、少しシリアス要素が加味されています。
中盤以降は、ギャグの切れ味は変わらないのに胸に引っかかっている部分があるために、余計なことを考えずに笑うということができないという人もいるかもしれません。
でも、ラブコメとしても十分面白いので、それはそれで満足できる内容になってますね。

まぁ、基本バカなので、これまで通りの感覚で読んでいいと思いますw
深く考えずに笑えばいいと思うよ、うん。

その中でも一番笑ったのは、ムッツリーニの盗撮写真の流れ。
本編とまるで関係ないけど、声を出して笑ってしまいましたw

今回は、もう美波のための回だと言って過言じゃないでしょう。
秀吉至上主義かつ姫路派の僕でも、美波派に転げ落ちてしまいそうなくらいに魅力たっぷり見どころ満載。
男勝りに見えて、意外とナイーブな一面を持つ美波の女の子らしさが前面に出ています。
イラストも含めて、かなり待遇されてますね。
何というか……ごちそうさま?w

明久も、ラブコメ作品としては珍しい憎めない主人公をしっかりとこなしております。
バカだけど、気持がまっすぐだから見ていて気持ちいいんだよね。
自分への好意に対して鈍感だけど、何でもかんでも鈍いわけじゃないところも好感を持てます。
バカなりに考えていることが見て取れますので、ラブコメの主人公としては個人的には満点に近い。
アキちゃん人気が高騰するのも分かるってもんですw

美波の回ということもあり、秀吉や姫路との絡みはちょっと少なめ。
だけど、どちらもインパクトを残してくれていますので、それぞれのファンも十分楽しめます。
どのキャラも可愛すぎるから、色々と困りますw

ストーリーは、これまでにないラブコメ一直線。
召喚システムを物語に入れ込むのが上手いなぁと思いました。
ラストの締め方に悶えまくり。
次巻への期待が膨らむ一方です。

コミカルなイラストも健在。
カラーページの漫画は萌えあり笑いありで非常に良かった。
あと葉賀ユイさんの絵は、冒頭のカラーイラストと挿絵などのモノクロイラストでクオリティに差ができないことのがいいですね。
表紙買いしても文中の挿絵が微妙だったりすることって意外と多いですからねー。
その点、バカテスは絵の質がレベルの高いところで安定しているので嬉しいです。
美波以外にも、秀吉、姫路、翔子の絵が可愛かった。

あー、面白かった。
ページ数が少なめだったこともあって、間を置かずに二度読みしてしまうくらい。
このままラブコメ路線で行くのか、バカコメディに戻すのか。
どちらにせよ5巻が楽しみです。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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バカとテストと召喚獣3.5 

バカとテストと召喚獣3.5 (ファミ通文庫 (い3-1-4))バカとテストと召喚獣3.5 (ファミ通文庫 (い3-1-4))
(2008/01/30)
井上 堅二

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【評価……A
舞台 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★★★
 … 10
文章 ★★★★★★★★★
 … 9
挿絵 ★★★★★★★★★★
 … 10
オススメ度 ★★★★★★★★
 … 9
バカ ★★★★★★★★
 … 9
ギャグ ★★★★★★★★★★
 … 10

明久と葉月の出会いを描いたハートフルな『予習編』、恋文をもらった明久をサーチ&デス?『僕と暴徒とラブレター』、雄二が人生の墓場へ!?『俺と翔子と如月ハイランド』の3本に加え、ムッツリーニ暁に死す!『僕とプールと水着の楽園』&たまにはこんな休日を『僕とバイトと危険な週末』の書き下ろし2本を加えた、青春エクスプロージョンストーリー集!
「おかしくない?なんだか3人は死んじゃってるような気がするけど!?」(by明久)

<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>

各所で人気爆発中のバカテスワールド。
今回は初の短編集ですが、勢いは止まりません!
公共の場で読むと、かなりの確率で白い目で見られてしまうので注意が必要です。

恒例のバカたちが所狭しとバカなことをやっているのはいつも通りです。
短編でも面白さは変わらないので、バカテス好きは買って損はありません。
むしろ、シリアス要素が大幅に省かれている分、純粋にコメディ部分にのめり込んでしまいますね。

短編5本のうち前半3本は他所で掲載されたことがあるものらしいですが、僕は全て初見でした。

「バカとテストと召喚獣 ~予習編~」
2巻で登場した美波の妹である葉月と明久の出会い編です。
タイトルの予習編とあるように、1巻より少しだけ前の話ですね。
葉月初登場時には分からなかったことが明かされていて、この章を読んだ後に改めて2巻のその部分を読むと面白いです。
明久の優しさに、ほんわかと心温まります。
バカだけど女の子から人気が高いのも頷けますね。

「僕と暴徒とラブレター」
ラブレターを貰った明久が、F組のクラスメイト(男女問わず)に追いまわされるお話。
これぞバカテスの土台にある面白さと言えるでしょう。
基本的にバカなのに、変なところだけは頭の回転がいい連中たちの奔走振りには笑いを堪えるなんてことはできません。
明久vsムッツリーニでは、攻守の切り替えの早さに吹きっぱなしでしたw

「俺と翔子と如月ハイランド」
この短編集で唯一の例外であるといっていい話。
主人公が雄二の視点で進み、シリアス要素も含んだ内容となっています。
もちろん、バカたちのノンストップの掛け合いは健在です。
過去に雄二と翔子との間に何かがあったことを匂わせていますが、一見シリアス風に思わせておいてバカなことなんだろうなと思ってしまうのは、この世界に訓練されすぎなんでしょうかw

「僕とプールと水着の楽園」
3巻のあとがきで読者の妄想を激しく助長した水着の話。
姫路や美波や翔子を差し置いて、注目度ナンバー1秀吉の水着お披露目タイムです。
果たして、秀吉が着る水着とは男物なのか女物なのか、はたまたネタ系になるのか!?
それは読んだ人だけのお楽しみってことでw
一言感想を言わせてもらうならば……反則的だよなぁ、これw
もはや読者や登場人物は当然のこと、作者やイラストレーターまでもが秀吉の性別を男としてではなく性別「秀吉」として見ているという事実w

「僕とバイトと危険な週末」
水着の話ともに書き下ろされた新作短編集は、いつもの男3人+秀吉でバイトをする話。
何気に秀吉の破壊力が一番高かったのは、この話なんじゃないかなと思うのは僕だけ?
秀吉のウエイトレス姿に萌えない奴はいないでしょう。うん、間違いない。
ついでに明久にも萌え要素があるので、そちらの方にも萌えて頂けるんじゃないかと。
コントの切れ味も良く、笑いどころが一番多かったですね。
特に、「アイス」のくだりは腹が痛くなるほど笑わせてもらいましたw

これに加えて、章の間に挟まれるコントが楽しすぎる。
恒例のバカテストは1問だけで、他は特設コーナーが設けられていました。
どれも面白かったけど、「土屋と工藤の性活小噺」が特に秀逸でした。

2月上旬に読んだばかりですが、感想を書こうとパラパラと読み返していたら、一冊丸ごと読み直してしまいました。
ハマると抜け出せない、凶悪なまでの中毒性が恐ろしいっ……!

3巻のラストも気になるのに、今回の最後で新キャラ登場フラグを立たせるとは……。
こりゃあもう、すぐにでも新刊を出してもらわないといけませんねw

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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バカとテストと召喚獣3 

バカとテストと召喚獣3 (ファミ通文庫 い 3-1-3)バカとテストと召喚獣3 (ファミ通文庫 い 3-1-3)
(2007/08/30)
井上 堅二

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【評価……A
舞台 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★★★★★
 … 10
文章 ★★★★★★★★★
 … 9
挿絵 ★★★★★★★★★★
 … 10
オススメ度 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
バカ ★★★★★★★★★★
 … 10
ギャグ ★★★★★★★★
 … 9

■評価【A-】⇒【A】 2008.7.3修正

学力強化合宿を翌日に控えたある日、明久のロッカーに一通の手紙が置かれていた。
「こ、これはもしや……!」
胸ときめかせながら封を切る明久だが、その中身は「あなたの秘密を握っています」という脅迫文と、明久の恥ずかしい写真の数々だった!犯人を探し出すため、やはりここは女子風呂を覗くしかない!?さあ行け!我らがムッツリーニ!
「あ、あれ?僕の出番は?」(by明久)
超人気御礼!青春エクスプロージョン系ラブコメ第3弾!

<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>

もはやバカしか出てこないシリーズ第3弾。
Fクラスどころか、全校生徒がバカなんじゃないかと懸念が拭い去れなくなってきました。

今回も相変わらずのテンションで弾けていて面白い。
2巻で少々パワーダウンしたかな?とも思いましたが、今回は1巻並かそれ以上の勢いがあります。
そりゃもう強引すぎるぐらいに。
単調とも感じなくはないですが、そこら中に爆笑ポイントが潜んでいるため手が止まることはありませんでした。
作者が2巻のあとがきで、今度はもっとバカな内容にすると言っていましたが、まさしくその通りの内容となってますね。

物語はあらすじにもあるように、女子風呂を覗こうとする熱き漢たちの戦いを記録したものです。
これ以上はネタバレになるので内容については伏せますが、本末転倒もここまで来ると感心しますw

分かってはいたけど、バカしかいません。
翔子と雄二のバカップルのやりとりは、見ていて飽きません。
雄二はもはや運命(翔子)から逃れることはできないでしょうw
あの一途さには、やられました。
あと、表紙にもやられましたw

姫路はますます黒くなっちゃって、もう取り返しのつかないレベルまで到達している気がする。
黒い娘は嫌いじゃないけど、人の話を聞かないタイプにだけはなって欲しくないなー。
1巻の頃の、純真無垢な姫路が今や懐かしいw

逆に黒さで言えば、一枚も二枚も上手な美波は、今回は少し大人しいかな。
女の子としての面が多く見られるので、美波ファンは必見でしょう。
バイオレンスな彼女が見たいというMな人にとっても、満足いく内容になっているかとw

いつもおいしいところを奪っていくムッツリーニは、今作もしたたかです。
こういうエロの回は、さらに輝きを増しますね。
何故か無駄にかっこよく見えるから困るw
そういえば、初期の頃はちゃんとムッツリしていたけど、今では開き直ってることが多いような……w

他にも1巻のころに出てきた同級生の登場人物が何人か再登場してます。
使い捨てにするにしては濃いメンツだったので、出てきたときはやっぱりなと思いましたよ。

そして、作者の贔屓がいい意味で露骨な秀吉は、ますます特別な存在になりつつあります。
何と今回は秀吉のデレが見られるんです!
思わずときめいちゃうのは、性別関係なく、人として仕方ないよね。
順番的に次の表紙を飾るのは秀吉で間違いないはずなので、今から期待せずにはいられません。

明久のギャグやノリツッコミが面白すぎてたまりませんね。
特に前半から中盤にかけては、笑いっぱなしでした。
とてもじゃないですが、人前で読めませんよ、コレ。

最後の最後で思わぬ展開になったので続きが気になりますが、どうやら次は短編集らしいです。
あとがきによると水着の話らしいですが、秀吉はどちらの水着を着ることになるのでしょうかw
ああぁ、待ち遠しいなぁー。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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バカとテストと召喚獣2 

バカとテストと召喚獣 2 (ファミ通文庫 (い3-1-2))バカとテストと召喚獣 2 (ファミ通文庫 (い3-1-2))
(2007/04/28)
井上 堅二

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【評価……A-
舞台 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★★★
 … 9
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
オススメ度 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
バカ ★★★★★★★★☆☆
 … 8
ギャグ ★★★★★★★★☆☆
 … 8

いよいよ学園祭!文月学園ならではの試験召喚大会も催される。明久たちFクラスの面々は先の戦争に負けて以来「みかん箱」「ござ」という極貧の設備に甘んじてきた。そんな劣悪な環境と超頭の悪いクラスに絶望した瑞希の父親が、なんと娘に転校を勧めている――と明久は美波から打ち明けられる。憧れの瑞希の転校を断固阻止する為、明久は学園祭の出し物で資金を稼ぎ、人並みの設備を購入、さらに召喚大会での優勝を画策するが!?
えんため受賞作第2弾。

<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>

おバカさんシリーズ第2弾。
1巻に引き続き、バカっぷりを拝見できます。

相変わらず、面白すぎる。
今回は、ストーリーに比重を置いてるところがあり、ちょっとだけ真面目な展開があったりもします。
それでも、流れとしては1巻同様、バカ相手にバカなツッコミを入れる内容となってます。
ずっとニヤニヤしぱなっしでしたw

学園物では欠かせない学園祭が今回の舞台です。
1巻のころから指揮官として地位を確立していた雄二が、もう1人の主人公に見えてきました。
前巻ではラスボス役として出番の少なかった霧島翔子が暴走していて、雄二を引きたてています。
冷静な策士に見える雄二が、翔子の前ではかたなしですからねw
しかし、どうして雄二が翔子をそこまで遠ざけるのか理解できませんね。
まぁ、あれほど惚れられていたら怖いと思うのかもしれませんけどw

秀吉の可愛さはさらに磨きかかってますね。
メインヒロインの座は揺るがないね、うん。チャイナ服最高。
姫路はFクラスにかなり毒されてきてますね。
黒い娘になりつつあるのはいいけど、美波と被らないか心配。
まぁ、あのレベルのヤンデレに到達するにはもう少し時間かかるかな?w

バカテストも健在。
今回は、学園祭のアンケートという形で一問一答があって、そちらも面白い。

葉賀ユイさんのイラストは、この作品のコミカルな作風とピッタリ合いますね。
今回も堪能させていただきました。
特に翔子と秀吉がよかった。
それと、冒頭の漫画が面白すぎ。
ムッツリーニいい顔しすぎだろw

1巻と比べてしまうと、どうしてもインパクトは落ちてしまってますが、それでも十分面白いです。
1巻が面白いと思ったら、文句なし買い。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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バカとテストと召喚獣 

バカとテストと召喚獣 (ファミ通文庫)バカとテストと召喚獣 (ファミ通文庫)
(2007/01/29)
井上 堅二

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【評価……A
舞台 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★★★
 … 10
文章 ★★★★★★★★★
 … 9
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
オススメ度 ★★★★★★★★
 … 9
バカ ★★★★★★★★
 … 9
ギャグ ★★★★★★★★★★
 … 10

「こんな教室は嫌じゃああっ!!」
アホの明久は叫んだ。ここ文月学園では、進級テストの成績で厳しくクラス分けされる。
秀才が集まるAクラスはリクライニングシートに冷暖房完備だが、彼のいる最低Fクラスの備品はボロい卓袱台に腐った畳だけ。
明久は密かに憧れる健気な少女・瑞希の為、組代表の雄二をたきつけ対クラス戦争を始める。
それは学園が開発した試験召喚獣を使い、上位の教室を奪うという危険な賭けだった!?
第8回えんため大賞編集部特別賞受賞作。

2007年最爆笑作品はこれに決まり!
もうね、面白すぎるよ、これww

僕の中では、ハルヒ以来の大ヒット作品です。
お笑い部門でいえば、これ以上のラノベを僕は知りません。
個人的に、こういうバカ(最上級の褒め言葉です)な本をあまり読まないということを抜きにしても、笑えることは保障できますね。

はっきり言って、手放しで誉めることができない部分だって少なくありませんが、そんなことが些細なことだと思ってしまうほどに笑いが止まらないんです。
一応指摘する前に、今作の大まかな内容に触れておきましょう。

テストの点数に応じて強さが変わる召喚獣を操ってクラス間で戦争を行い学力を向上させようという試み、『試召戦争』をメインに話が進みます。
バカばかりが集まるFクラスが、上位クラスに対してどのようにして勝ち進んでいくかがポイントとなってくるわけです。

この試験召喚獣というのが説明不足で、どういう技術を使っているのか、さっぱり分かりません。
平均的な人間の半分くらいの身長くらいの大きさの召喚獣を呼び出してバトルを行っているんですが、具体的な操り方とかほとんど説明ないしね。
それに、そこまでの技術がありながら、召喚システム以外は現実と大差ない世界に見えます。

とまぁ、設定に関しては、かなり甘いところがあります。
ですが、そんな戯言なんぞで、文句を言うつもりなんてさらさらありません。
この作品の魅力に、そんなの関係ないのさ!

まず、登場人物がバカすぎて愛らしいw
最強のバカである主人公・吉井明久を筆頭に、インパクトの強すぎるメンツが揃ってます。
表紙にデカデカと描かれている、学年2位の学力を持ちながら天然風味の巨乳娘、姫路瑞希。
貧乳にコンプレックスを抱くポニテ帰国子女、島田美波。
かつては神童と呼ばれていたが、今ではFクラス代表にとどまっている明久の悪友、坂本雄二。
演劇部のホープであり、おそらく読者人気ナンバー1であろう美少女、木下秀吉。
エロの知識なら誰にも負けない通称ムッツリーニ、土屋康太。
学年首席でありながら超絶美貌を兼ね備えている才女、霧島翔子。

どいつもこいつも素敵すぎます。
特に、秀吉が可愛すぎて困ります。
もう秀吉がメインヒロインでも、読者は全く不満ないよw

ただでさえ強烈な個性をもったメンバーが揃っているところに、さらに葉賀ユイさんのイラストがイメージを強く残します。
ラノベで時々ある冒頭のカラーページに漫画形式で登場人物を紹介する手法をこの作品も採用していて、これが効果的に作用しています。
おかげで、最初から主要人物が印象付けられていて、物語内でのドタバタが想像しやすいんですよ。
この文章とイラストの融合は、ラノベならではのもので、お見事ととしか言えないですね。
将来、アニメ化されるかもしれません。
アニメの適性がありますよ。

カラーページの漫画の1ページ目から、この作品の傾向を色強く出しています。
どんな感じかというと……。

「これが難しいと噂の振り分け試験か……」
「確かに難しいけど問題ない……この程度なら」
「十問に一問は解ける!」


上のような大真面目なバカっぷりが延々と続きます。
こんなバカの上、卑怯者でいくじなしの主人公だけど、それでも嫌な奴に見えないのは熱血的なバカだからだろうね。

あと、章の合間にバカテストというものがあって、そのバカ解答と教師の冷静な突っ込みが面白いw
これだけでも読む価値はあると言っていいくらいです。

人の目があるところでは読んではいけない本ですね。
笑いをこらえきれなくて、気味悪がられる可能性がありますw

元々シリアスな本が続いたので、たまには気分転換に気軽に読めるものをと思って手に取ったみたのがキッカケでしたが、大当たりでした。
読んだことのない方は、是非どうぞ。
ラノベらしいラノベを読みたい人は、非常にお勧めです。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  バカとテストと召喚獣  井上堅二  葉賀ユイ  評価A 

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