明日へと続く記憶

アニメ、ゲーム、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ 

ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)
(2012/06/21)
三上 延

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読書期間:2012/6/23~2012/6/26

【評価……B
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
ミステリー
恋愛
構成
家族愛


 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6



 鎌倉の片隅にあるビブリア古書堂は、その佇まいに似合わず様々な客が訪れる。すっかり常連の賑やかなあの人や、困惑するような珍客も。
 人々は懐かしい本に想いを込める。それらは予期せぬ人と人の絆を表出させることも。美しい女店主に頁をめくるように、古書に秘められたその「言葉」を読みとっていく。
 彼女と無骨な青年店員が、その妙なる絆を目の当たりにしたとき思うのは?絆はとても近いところにもあるのかもしれない――。
 これは“古書と絆”の物語。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


古書が過去と現在を繋ぐ架け橋となる物語、第3巻。
累計発行部数は遂に300万部を突破し、勢いは留まるところを知りません。

今回も面白かったです。
物語をダラダラと読むのに適したお手軽な大人のライトノベルのスタイルを貫いていました。
あっさりとしながらも確かな手ごたえも感じられる読後感は素敵です。

ただ、やや安易かなと感じる部分が幾つか見られましたね。
ミステリー要素がメインではないとはいえ、もう少し捻りがないと驚きが得られません。
意外という感情は作品の面白さに直結するので、構成などにも拘って欲しいところでした。
オチが良くてもヒントを与え過ぎた結果、予想通りに事が進んでしまいましたね。

2巻で露わとなった栞子と母親・智恵子の確執。
行方知れずの智恵子が一体何処にいるのか、そして栞子の抱える闇が晴れる時が訪れるのか。
長期路線に突入した以上、多少引っ張る分には構いませんが、テンポが崩れないかが気掛かりです。

登場人物の固定が多く、身内の話に終始している印象を抱かせます。
せっかく古書店を構えているのですから、新たな人物との交流を育めばいいのに。
確かに、店主の栞子は人見知りですが、五浦と出逢って変わってきているようですし、一応客商売をしているんですからね。
探偵ごっこもよりも、本の魅力でグイグイと引っ張ってくれるとなお嬉しいです。

本を取り扱いに関する話は、実に興味深いですね。
古書交換会」なるシステムがあることを初めて知りました。
読書家の人達にとっては、是非とも参加してみたい会合なのではないでしょうか。
同業者のみの集いのようですけど、買い手を探したいのであれば、開かれた集まりにすればいいと思うんですけど、何か理由があるんでしょうかね。

表紙は、毎度ながら越島はぐさんによる、瞳を閉じた横向きの栞子。
うなじに流れた黒髪が扇情的で大変よろしいですなぁ。
首が長すぎるのは気になりますけども。
口絵にある篠川家の古びた写真は、家族が一緒だった時の空気を感じ取れる素晴らしい一枚でした。

ミリオン作家となった手前、今まで以上に一定の刊行ペースを求められると思うのですが、質に影響するのであれば、時間をかけてでもいいので良い物を書いて欲しいと思います。

古書に関わる謎解きから家族愛へと変化しつつある主軸が好みを分けます

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テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ビブリア古書堂の事件手帖  三上延  越島はぐ  評価B 

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ビブリア古書堂の事件手帖2 ~栞子さんと謎めく日常~ 

ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)
(2011/10/25)
三上 延

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読書期間:2012/3/10~2012/3/12

【評価……B+
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
ミステリー
安定感
恋愛
構成


 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8



 鎌倉の片隅にひっそりと佇むビブリア古書堂。その美しい女店主が帰ってきた。だが、入院以前とは勝手が違うよう。店内で古書と悪戦苦闘する無骨な青年の存在に、戸惑いつつもひそかに目を細めるのだった。
 変わらないことも一つある――それは持ち主の秘密を抱えて持ち込まれる本。まるで吸い寄せられるかのように舞い込んでくる古書には、人の秘密、そして想いがこもっている。青年とともに彼女はそれをあるときは鋭く、あるときは優しく紐解いていき――。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


古書店に持ち込まれる本を巡って紡がれる人と人と繋ぐ物語、シリーズ第2巻。
今やシリーズ発行部数200万部となり名実ともにメディアワークス文庫の看板作品となりましたね。
本屋大賞8位入賞は伊達ではありません。

やはり安定した面白さを提供してくれる作家さんですね。
雰囲気も質も1巻と変わりないので、安心して読むことが出来ました。

前回同様に短編連作となっており、多様な物語を楽しむことが出来るのが嬉しい。
古書と持ち主に関わる背景を見通すかのように言い当てる栞子の推理が実に爽快です。
これは本格ミステリー小説をあまり読まない人間だからなのかもしれませんが、ミステリーの難易度が適度に感じられます。
ある程度予想が付くけれど、最後の核心の部分までは読めない微妙さ加減。
一般とラノベの中間に属するレーベルとしては、この中途半端なヌルさがベストだと思いますね。

例えば、第一話・アントニイ・バージェス『時計じかけのオレンジ』
栞子が隠している内容は、態度から途中で分かるんですが、何故秘密にしているのかまでは拾えなかったんですよね。
読み返してみると、なるほどなと思わせてくれる構成となっており、物語の畳み方に唸らされます。

第二話・福田定一『名言随筆 サラリーマン』も良かった。
大輔と栞子の絶妙な距離感に、第三者を入れることで僅かに進展する様が楽しい。
もうひたすら焦れったくて、モヤモヤとして、しかし微笑ましい二人の関係が大好きです。

そして、ストーリーとして秀逸だったのが、第三話・足塚不二雄『UTOPIA 最後の世界大戦』
栞子の推理力は異常過ぎる部分はありますけど、それをフィクション上でも納得させてくれるだけの力強さはあったと思います。

シリーズ化が決まっていない1巻で一応の区切りをつけるのは、新作を書く上で当然のことです。
なので、これだけの大人気シリーズとなった今、ここから本格的な長期シリーズとなるための伏線が仕込まれていくことになるわけです。
是非ともダレることのない物語を作り上げて欲しいものですね。

伏線といえば、表紙の栞子が1巻と2巻で若干違うように描かれているのは気のせいなのか、それとも……。
作中の描写からすると、もしかしなくても、あれはそういうことですよね?
ううむ、越島はぐさんもさすがの仕事っぷりですね。

あー、栞子さんと一緒に働きてぇなー。
確かにキャラ造形が出来過ぎ感がありますが、あざとい面も含めて可愛いと思ってしまいます。
人見知りではあっても頑固なところがあったり、鋭いくせに恋愛に関しては疎かったり。
こういうギャップに弱いんですよねぇ。

古書に関わる人々の過去と想いを紐解く女店主の推理と合間に挟まれるロマンスが見所

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ビブリア古書堂の事件手帖  三上延  越島はぐ  評価B+ 

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偽りのドラグーンⅤ 

偽りのドラグーン 5 (電撃文庫 み 6-28)偽りのドラグーン 5 (電撃文庫 み 6-28)
(2011/07/08)
三上 延

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読書期間:2011/9/30~2011/10/2

【評価……A-
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
世界観
燃え
構成



 ★★★★★★★★☆☆ … 8
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7




 セーロフ王国を巡る攻防戦は、レガリオン帝国軍が優勢のまま最終局面を迎えた。
 その頃、騎士学院では衝撃が走っていた。偽りの王子であることが暴かれたジャン。だが、彼は自分こそがヴィクトルであると主張する――偽物は自分が討つと宣言をして。それはジャン・アバディーンという名を捨てるということであり、二度と本当の自分に戻れなくなることを意味していた。
 そして、すべての決着をつけるべく、ジャンは驚くべき秘策を編み出す。その姿は神童と呼ばれたヴィクトル、そのものだった。物語はついにクライマックスへ!!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


三上延氏による竜と騎士の物語、最終章。

ああ……終わっちゃった……。
物語のラストを読んだ時に湧き上がる虚無感は、名作であるほど抱く傾向がありますよね。
自分にとって、それだけ心のキャパシティを占めていた証拠ともいえます。
「偽ドラ」は、まさにその象徴たる例でした。

物凄く面白かったです……が、読了感は正直なところスッキリとはしません。
これほどモヤモヤした気分が残る最終巻を読んだのは久しぶりです。
あまりにも濃い動向に感情の整理が付いていき辛かったのが原因かもしれません。

打ち切りだろうと世間では噂されていますが、おそらく事実でしょう。
どうしても「勿体無い」という言葉が、最初に出てきてしまいますねぇ。
魅力的な舞台設定を作り、惹かれるキャラを用意し、物語を順調に重ねてきただけに、詰め込みまくりの最終巻が惜しいにも程がある。
残り1冊という状況から素晴らしく綺麗にまとめられているのは間違いないんです。
作者の力量には感心させられますし、良作だったと断言できます。
だからこそ、もっと巻数を伸ばすことが出来たならば……と夢を見てしまいます。
中途半端な解決などにはせず、回収できずに終わった伏線も残さないで完結出来たんだろうなぁ。

随所に頑張った感は見え隠れするものの、無理矢理さを感じさせないのはお見事。
特に、戦争の行方に関しては、王道的でありながらも揺れる戦局に胸が熱くなりっぱなしでした。
詰め込み過ぎというのは、逆に考えると、それだけ充実した内容だったともいえます。
段階ごとに加速する盛り上がりは、メリハリが効いていて夢中になりました。

主役はもちろん、脇役も含めてキャラクターの造形が映えていましたね。
サラやグングニル、ガートルード、ヴェルトフなど出番は少なくても、無駄なキャラは一切いませんでした。

ジャンが兄の裏切りを知ったことによる動揺から立ち直る流れは、じんわりと痺れましたね。
叱咤されたりするわけでもなく、自ら答えを見つけ出した経緯が自然に描かれていました。
主人公の成長度合いが、目に見えて分かる素晴らしい演出だったと思います。
精神論で片付けずに不利な状況を打開しようと頭を巡らせる様は、見応えがありました。

クリスは、もはや誰が見てもデレデレですよね。
行動の指針が、全てジャンが基準となっていますもん。
この娘を男とだと勘違いするのには、無理があるんじゃなかろうかw
クーデレのティアナも可愛いんですが、個人的に女の子としての魅力はずっとクリスに軍配が上がってましたね。
恋の決着は、詳しく語るとネタバレになるので避けますが、満足の出来る内容だったということだけは断言できます。
ジャンの気持ちがいまいちハッキリしなかったり、ヒロインにもっと葛藤して欲しかったりと要望はいくらでもありますけど、限られた中でよくまとまっていたと思います。

ラフエッジマグノリアの関係は、これだけでも一本の作品が書けるレベルですね。
反則的な見せ方にやられました。

その一方で、ヴィクトルグロリアの描写が、もう少し欲しかったかなという思いはあります。
単純明快な敵役には留まっていないだけに、この二人にも熱いドラマが期待できたんですがね。
唐突ながらも、僅かに垣間見ることが出来たシーンには、切なさが詰まっていました。

誰よりも一貫としていたのは、アダマスでしょう。
ベジータ的なツンデレキャラだと信じていたのに、ほとんどデレを見せずに終わっちゃいましたよ。
半端ないキャラの立ちようで、珍しいポジションのキャラで良い味出していましたね。

惜しい気持ちは残り続けますが、綺麗な終わりだったとは思います。
椎名優さんのイラストも、最後まで乱れずに魅せてくれました。
「ビブリア古書堂の事件手帖」も好きですが、いつかまたこのコンビで電撃文庫に帰ってきてくれることを願います。

タイトル「偽りのドラグーン」の意味の重さを痛感させられます

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  偽りのドラグーン  三上延  椎名優  評価A- 

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ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~ 

ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)
(2011/03/25)
三上 延

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読書期間:2011/8/9~2011/8/12

【評価……B+
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
ミステリー
安定感




 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8





 鎌倉の片隅でひっそりと営業している古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない若くきれいな女性だ。残念なのは、初対面の人間とは口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。
 だが、古書の知識は並大抵ではない。人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも。彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。
 これは“古書と秘密”の物語。

【感想】


「モーフィアスの教室」「偽りのドラグーン」など数多くの著作を持つ三上延氏の初MW文庫作品。

まさかと言ってしまうと失礼でしょうが、そうとも言いたくなるくらい爆売れしましたね。
10月現在で25万部発行しているそうなので、著者の既刊累計発行部数を、たった一冊で上回ってしまっているのではないでしょうか。
おそらく巻単位ではMW文庫のエース作品「シアター!」とも良い勝負しているはずです。

発売前の情報から面白そうだと思ってはいましたが、ここまで人気が出るとは予想できませんでした。
一応何とか初版を入手できましたけど、本屋を巡ってもなかなか見つかりませんでしたね。

人気が出た理由は、大きく分けて二つあると推察できます。
一つは、清楚で美人なお姉さんの表紙が目を惹くこと。
越島はぐさんの仕事っぷりは素晴らしかった。
もう一つは、そのお姉さんが、古本屋の店主をやっていて、古書の知識が膨大である文学少女であること。

はっきりいって、サブタイトルにもある女性・篠川栞子は、文系男子の理想の女性像でしょう。
名前からしても知的なイメージを抱かせるってのは、何気に凄いことですよ。
男性の読書家ならば、読んでみたくなる要素が、表紙とあらすじに凝縮されています。
もちろん、内容が伴わなければ口コミで広がることもなかったでしょうが、この作品が成功を収めた最大の理由は、発売前に決まっていたと思いますね。

実際に読んでみたら、栞子さんの魅力にやられました。
人見知り具合がおどおどしていて可愛く、本の話になった途端に目を輝かせるギャップもイイ。
度が過ぎている一面もありますが、それも含めて好きになれます。
20代の女性が時折見せる子供っぽさは、愛らしいなぁ。

主人公の五浦大輔は、良くも悪くも地味で作品に溶け込んでいます。
成り行きで栞子さんと関わっていくようになるのですが、いい人なんだろなというのが伝わってきますね。

作風は、大方予想した通り、古書を媒介とした人の繋がりをミステリー仕立てで描いたもの。
北鎌倉を舞台に、本好きの想いが詰まった短編が4話収録されています。
変に凝った設定はなく、物語も程良い謎かけで、あっさりと読むことができるのが特徴です。
驚かされるような物凄い仕掛けは見当たりませんが、シンプルなストーリーラインの中に芯が通っているため、中身が薄っぺらいと感じさせることはありません。
エピソード毎にしみじみと浸れる読了感が素晴らしい良作です。

個人的には、第三話ヴィノグラードフ・クジミン『論理学入門』が一番良かった。
想いを汲み取り、頭を働かせてから言葉を口にする。
そんな優しい人間になりたいもんですね。

感覚としては「付喪堂骨董店」と「文学少女」シリーズを足して、ラノベ臭を薄めた感じ。
癖のある言い回しや派手な装飾はなくても、飾らない文章が逆に綺麗で素敵。
一般文芸とライトノベルの中間を目指したメディアワークス文庫ならではの一冊ですね。
ぬるすぎず、甘すぎず。
良いお話でした。

清楚系美人の女性店長が経営する古本屋を舞台に、ちょっと不思議な事件が起きます

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ビブリア古書堂の事件手帖  三上延  越島はぐ  評価B+ 

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偽りのドラグーンⅣ 

偽りのドラグーン〈4〉 (電撃文庫)偽りのドラグーン〈4〉 (電撃文庫)
(2010/08/10)
三上 延

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読書期間:2010/8/10~2010/8/11

【評価……B+
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
世界観
期待感




 ★★★★★★★★☆☆ … 8
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8





 レガリオン帝国がセーロフ王国に侵攻を開始する。ヴィクトルの不気味な宣告が現実となり、騎士学院の面々もついに戦場へ赴くのだった。
 すでにセーロフ王国は持久戦に持ち込むため、国土の半分から撤退をしていた。その際、取り残されている民間人がいることを知ったジャンは密かに救出を目論む。だが、それは敵占領地深くから縦横に移動するという無茶なものだった。
 検問を突破するため、クリスやティアナは修道女に変装し、ジャンは農夫に化けるが、敵も馬鹿ではない。行く先々で予想もしない事態に陥り!? 大人気、学園ファンタジー第4弾!!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


竜騎士ファンタジー、第4巻。
学園を離れ、極寒の地にて、終始シリアスな展開が待ち受けています。

相変わらず地味だけど、面白い。
華のあるラブコメが多い電撃文庫の中で、目立たないものの間違いなく良作です。

本格的に舞台が戦争へと局面が移ってきました。
おかげで、各キャラの台詞が死亡フラグに聞えてしまってヤバイ。
戦争モノで誰も死なないなんてありえないんだろうけど、良キャラが多いから先が怖くなります。
まぁ、アダマスの生死だけは、どっちもアリだと思うけれどw

主題である「偽り」を前面に掲げて描かれた今回。
ジャンはもちろん、ティアナもクリスもアダマスも、そしてヴィクトルも嘘をついています。
これまでは、思い悩んだり、心苦しくなったり、葛藤したりと、各々の心情が内面では激しく動いているわりには波風は小さなものでしたが、とうとう大きく動きを見せ始めました。
次の展開がどのようにも考えられるので、予想が絞りきれません。

それにしても、クリスが他の誰よりも女の子すぎますな。
隠す気があるのかといいたくなるくらい周囲に魅力を降り注いでいます。
アダマスなんて、もう完全に虜にされているしなぁ。
気持ちは分かるけどね。
だって、ジャンのことを考えるたびに微笑むクリスは可愛すぎますよ。

ティアナもジャンの前では竜の仮面が剥がれるようになりましたけど、基本クールだからなー。
メインヒロインのはずなのに、相当分が悪いね。

毎回のことではあるものの、椎名優さんのカラーイラストに目を奪われました。
フリデリカのドアップもさることながら、黒の鉄姫&ヴィクトルの月夜を背景に立ち並ぶ姿は格好良かったです。

ラストシーンのおかげで、次巻が待ち遠しくてたまりません。
王道ならば、次は戦局の悪化、目先を変えて告白イベント、そしてヒーローは遅れてやってくる展開かな?
発売期間が空きすぎていますけど、打ち切りは勘弁してもらいたいなぁ。

「自分を偽るものは必ず報いを受ける」という言葉の重さを実感させられる

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  偽りのドラグーン  三上延  椎名優  評価B+ 

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偽りのドラグーンⅢ 

偽りのドラグーン〈3〉 (電撃文庫)偽りのドラグーン〈3〉 (電撃文庫)
(2010/04/10)
三上 延

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読書期間:2010/5/8~2010/5/10
月間マイベスト作品

【評価……A-
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★★★
 … 10
世界観
ラブコメ
ツンデレ



 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8




 騎士学院に予期せぬ訪問者がやってくる。海洋連合に名を連ねるウルス公国の公女サラ。しかも自分はジャンの許嫁だと言う。奔放な彼女の言動に腹を据えかねたのかティアナが爆発。ジャンは婿にやらんとムキになる始末。ついにはジャンを賭けた二人の勝負に発展し!?
 一方、対レガリオン帝国戦線に消極的な公国を抱き込みたい騎士学院は同盟を申し込む。だが公国に同様の提案をする帝国と利害が対立。結果、大公の酔狂により同盟相手を勝負で決めることに。その勝負とは各国の竜騎士達が腕を競い合う競技「プラネッタ」だった。ジャンは再び仮面の男と相まみえることになり!?

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


竜騎士養成学院における中世風ファンタジー、第3弾。

驚いた。これは面白い。

購入前にあらすじを読んだ時、嫌な予感がしたんですよ。
シリアスで燃える展開が続いていただけに、下手なラブコメ要素が混じって詰まらなくなってしまうのではないか、と。
いやはや、間違っていたのは自分の方でした。

ストーリーの強弱の付け方が、実に素晴らしい。
物語の繋ぎに無理がなく、綺麗に積み重ねてゆく展開に魅せられました。
想像していたものとは違ったけれど、これはこれで面白かったのでありですね。

前半は、予想通りラブ寄せされています。
あ、もちろん良い意味で。
新キャラのお披露目と同時に、既存キャラの心情が揺れ動く様を描いており、ジャンを中心とする関係図に少しずつ変化が生まれるのが見ていて楽しい。
何度ニヤケさせられたのやら、数え切れませんよ。

それに対して、後半は「プラネッタ」と呼ばれる、スポーツの一種のような競技に関わる話。
競技自体は、どこかで似たようなものを見た記憶があるためか、わりとすんなり理解できました。
設定である程度オチは読めはしましたが、分かっていても燃えるってのが王道のいいところですね。

それに加えて、何より今回秀でていた点が、キャラクターです。
ヒロイン勢はもちろんのこと、脇役も含めて魅力的でした。

もうね、クリスが可愛すぎて可愛すぎてたまらんのですよ!
仕草や思考が完全に乙女モードに入っている彼女は、色々とヤバ過ぎる。
そもそも、カラーページのドレス姿からして既に反則です。
あれを先に見て期待が高まりましたが、中身はもっと凄かったですねw

一方で、正ヒロイン(?)であるティアナも巻き返してきました。
クーデレかと思いきや、デレが進行して、一気にツンデレのようになっています。
表情や感情を表に出さずにいた彼女が、オロオロとうろたえたり、嫉妬したりする様は、これまた可愛い。
ジャンを独占したい気持ちがありありと出ていて、これからの恋愛模様がより一層楽しみなってきました。

新キャラのサラは、褐色肌に透き通った金髪が似合う天然美人キャラで、モロ好みですね。
表紙絵は少々幼く見えますが、数枚の挿絵を見る限りでは、もう少し大人っぽい。
明るい性格で、傍にいるだけでニコニコさせられる愛らしい娘ですね。
良いキャラだけに、ヒロイン候補が既に二人も存在している中で後発というのは残念というか可哀想だなぁ。
ストーリー上の活躍も今のところ目立たないし、見せ場も奪われちゃってるし……。
この手のタイプは、いつもメインや対抗馬にもなれない3番手以降のサブヒロインになりがちですね。

主人公のジャンに成長が見られるのが嬉しいなぁ。
猪突猛進としか言いようがない性格だったのが、周囲を気遣ったり、状況を冷静に判断できるようになりつつあって、随分と頼もしくなりました。

脇役のカップリングも、いくつか気になるものがあり、今後の進展から目が離せません。
カギを握るのは、やはりアダマスになるんだろうなぁー。

文章も安定感があります。
ラノベに時々ある、人物描写をイラストに任せっきりにする文章ではなく、しっかり文面で説明してくれているので想像しやすいですね。
当たり前のことではあるんでしょうが、きっちりとこなしている文章には好印象を抱きます。
さらには絵とズレがないところから、絵師との連携もバッチリだということが窺えます。

椎名優さんのイラストは、本当に毎回毎回楽しませてくれますね。
P259の挿絵にはやられた……というか、落とされましたw

巻を追うごとに面白さも上昇していくシリーズですね。
次はまた大きく物語が動きそうですし、期待大です。

掘り下げられたヒロインたちの魅力にどっぷりとハマれます

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  偽りのドラグーン  三上延  椎名優  評価A- 

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偽りのドラグーンⅡ 

偽りのドラグーン 2 (電撃文庫 み 6-25)偽りのドラグーン 2 (電撃文庫 み 6-25)
(2009/11/10)
三上 延

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読書期間:2009/12/3~2009/12/4

【評価……B+
発想 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
世界観 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
クーデレ ★★★★★★☆☆☆
 … 7

生徒会長アダマスとの試合に勝ち、一躍時の人となったジャン。だが、持ち前の負けん気が災いし、大きな失態を犯してしまう。ジャンは再び厄介者として、立場が危うくなってしまうのだった。
危難は続く。学院島にスパイが潜入している――。その噂が本物となったとき、ティアナが狙撃される。犯人はあろうことか、クリスだった。クリスこそスパイだと決めつけるアダマスに反発するジャン。クリスの無実を信じ、本物のスパイの探索を始めるのだが……。
全ての謎が明らかになった時、騎士学院に大きな危機が迫る!大人気、学園ファンタジー第2弾!!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


竜と騎士の養成をする学園を舞台に繰り広げられる中世風ファンタジー、第2弾。

引き続き良い意味で王道的な展開で、素直に面白かったという感想が出てきます。
世間的な注目度はイマイチなので、お薦めしたいシリーズですね。

あらすじの展開は、前巻を読み終えたときに感じた不安がそのまま的中した形でした。
嫌な流れになるのなかなと覚悟していたのですが、話は予想外の方向へと急展開します。
ともすれば、盛り上がりに欠けてしまいかねない第2巻で、キャラの魅力を掘り出しつつ、ストーリー進行をさせた作者の手腕にはお見逸れしました。
適度な謎を絡めたストーリーには惹き込まれ、純粋に楽しめました。

ジャンを筆頭に、生徒たちには全体的に考えの甘さが随所に感じられますが、それが直接的に大きな欠点にはなっていません。
生真面目な性格であったり、トラウマを抱えていたり、熱血思想であったりと、キャラクターの気持ちが伝わってきて嫌いになれないんですよね。
ただ、いつか戦場では取り返しのつかない失敗に結び付きそうで怖くもありますが。

正ヒロインでありながら美味しいところをクリスに奪われていたティアナも、遅まきながら面目躍如といった活躍で出番が増えて何より。
思っていたよりも、デレ期は早くやってきそうな気配がしますね。
まぁ、それでもクリスのギャップ萌えの対抗としてはまだまだ頼りないですがね。

椎名優さんのイラストは、安定度抜群ですね。
この質を維持し続けてもらえるのならば、嬉しい限りです。

個人的に、現在追いかけているラノベで王道的なファンタジー物が珍しいので、この作品は結構貴重だったりします。
このままハラハラドキドキさせられるようなエンターテイメント性の高い物語を期待したいですね。

定番だけど飽きさせない見せ方が素晴らしいファンタジー作品

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  偽りのドラグーン  三上延  椎名優  評価B+ 

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偽りのドラグーン 

偽りのドラグーン (電撃文庫)偽りのドラグーン (電撃文庫)
(2009/08/10)
三上 延

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読書期間:2009/9/4~2009/9/7

【評価……B
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
世界観 ★★★★★★☆☆☆
 … 7

レガリオン帝国の急襲。そしてアバディーン王国は地上から消滅した。最愛の兄を失い、復讐に燃える亡国の王子ジャン。だが、相手は超大国……。ジャンの想いは空回りするばかり。そのとき運命は彼に転機をもたらす。
「あなたを騎士学院に入学させます」
美しき少女は無表情を崩さずそう言った。竜と契約し空を駆り、強力な力を振るう竜騎士。一握りのエリートにだけ許された竜騎士養成学院へ、ジャンを入学させるという。だが、それは亡き兄になりすますという偽装入学だった――。
眠りし己の力を知らず、竜騎士に力を求めた少年の物語、ここに開幕!!

【感想】


元王子の少年が竜に乗り復讐を果たさんとする王道的な中世風ファンタジー。
「モーフィアスの教室」に続く、三上延×椎名優のタッグによる新シリーズです。

なかなか面白かったです。

亡き兄の代わりに入学した竜騎士養成学校で、奮闘する主人公ジャンの話。
力を身につけて復讐を誓うわけですが、そこまで切羽詰まった感じはありません。

「とある飛空士への恋歌」と被っているところが多く見られますね。
まぁ、よくある設定なので仕方ないのですが。

伏線をしっかりと張りつつ、1巻だけでもちゃんと起承転結で締めているところは好印象。
なおかつ今後のキーとなる謎を既にいくつか仕込ませているため、先が気になる内容となっています。
導入部分としては無難な出来だったのではないでしょうか。

キャラクターの魅力もよく出ていたと思います。
ときどき熱くなってしまうこともあるけれど捻くれることはない実直な主人公・ジャン
美麗な容姿をもちながら独りを好むヒロインで、クーデレ化の期待が持てるティアナ
そして今回一番おいしい場面が多かった、クールでありながら内に燃えたぎる闘志を秘めたクリス
主要キャラ3人のベースとなる性格を、物語と絡ませながら上手く表現されていて、非常に読みやすかったです。

イラスト担当の椎名優さんは、さすがの貫録で見応えバッチリです。
カラーはともかく白黒になると途端に味気ないものになってしまう絵師が多い中で、この表現力は素晴らしいの一言。
この絵のためにも、続きを買い続けたくなるぐらいですね。

まだまだ序章に過ぎず、これからどんな展開で進むのか。
ある意味、勝負は次の2巻からでしょうね。

安心感のある文章で語られる中世風ファンタジー世界を舞台にした学園モノ

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  偽りのドラグーン  三上延  椎名優  評価B 

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モーフィアスの教室4 黄昏の王女 

モーフィアスの教室〈4〉黄昏の王女 (電撃文庫)モーフィアスの教室〈4〉黄昏の王女 (電撃文庫)
(2008/11/10)
三上 延

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読書期間:2009/3/10~2009/3/14

【評価……B
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆
 … 7

正宗の持つ黒い鍵《パンタソス》の力で、ツグミの事件は一応の解決を見た。
だが飯見町には《赤い目》に関する噂が蔓延し、多くの人々が《赤い目》の悪夢に囚われ目を覚まさなくなってしまう。
必死に悪夢の《親》を探す直人と綾乃を尻目に増え続ける犠牲者たち――このままでは《赤い目》が実体化し、現実世界に出てきてしまう。
一方、ツグミの仇を討つため先走った正宗は、《赤い目の悪夢》の《親》が誰かをついに突き止めるが……。
人気シリーズ、いよいよ完結!今回も口絵は椎名優描き下ろしのプレビューコミック仕様!!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


「モーフィアスの教室」シリーズ、最終巻。

もっと長く続くのかと思っていましたが、案外あっさりと終わってしまいましたね。
予定通りなのか打ち切りなのかよく分かりませんけど、一応綺麗にまとめられているので良かったと思います。

風雲急を告げるかのように見えた前回のラストですが、意外にも4巻の始まりは緩やかでした。
しかし、静かに着々と悪夢の犠牲者が増えてゆく気味の悪さが何とも言えない嫌な雰囲気を漂わせます。
そして、とうとう《赤い目》と対面を果たしてからの緊迫した展開の連続は、大きな絶望感と僅かな希望が交差するもので、物語にのめり込んでしまいました。

うん、面白かったですね。
惜しいところもいくつかありますが、概ね満足できる内容でした。

雰囲気を出すのは巧いんですが、場の盛り上げに関してはあと一歩だと感じるところが多かった。
ちょっと平坦にストーリーが進みすぎだったかなぁ。
退屈だと思ったことは一度もなかったので、内容や展開は悪くないと思います。
燃え成分が多めだったら、さらに評価が上がったでしょうね。

エピローグは、さっぱりとした爽快さを含む良い終わり方で満足。
多少物足らなさを感じるぐらいがちょうどいいという言葉をよく耳にしますが、まさしくこの作品はそれでした。

主役、脇役含めてキャラクターも全体的に立っていましたね。
特に棗と正宗はそれぞれ見せ場があって、より一層好きになれました。
まぁ、ただ三角関係はドロドロした展開こそが真髄!と思っている方は、期待しすぎない方が吉かと。

椎名優さんのイラストには、最後の最後まで圧倒的なクオリティに驚かされました。
直人と正宗の格好良い場面や、棗の照れた表情、綾乃の優しげな微笑みなど、見どころ満載です。
挿絵がこんなにも楽しみなラノベ作品は、そうそうありませんね。

地味ながら面白いシリーズでした。
4巻で完結したことは、人に勧める上では良点になりますね。

軽めのミステリアス&ダーク作品で気分転換しながら読めるシリーズ

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  モーフィアスの教室  三上延  椎名優  評価B 

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モーフィアスの教室3 パンタソスの刃 

モーフィアスの教室〈3〉 (電撃文庫)モーフィアスの教室〈3〉 (電撃文庫)
(2008/06/10)
三上 延

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【評価……B
舞台 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
ミステリー ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5

ささいな行き違いからケンカをしてしまった直人と綾乃。だが鈍感な直人は、綾乃が怒っている原因に気が付かない。
そんなある日、棗に誘われ二人きりでプールに出かけた直人は、そこでツグミと名乗る謎の女性からの呼び出しを受ける。町はずれの民家にツグミを訪ねた二人の前に現れたのは、「赤い目」を持つ夢神の女性だった――。
一方、ひとり別行動を取っていた綾乃は見知らぬ少年の襲撃を受ける。少年の手には――もう一つの《黒い鍵》パンタソスが!!
今回も口絵は椎名優描き下ろしのプレビューコミック仕様!!

【感想】 <前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


夢神との戦いが本格化する「モーフィアスの教室」シリーズ第3弾。

既存2巻とは打って変わり、ミステリーよりもアクションメインの話でした。
テンポが良い展開で、非常に読みやすかったです。
ただ、ミステリー部分が甘く先の展開も読めやすかったのは、退屈とまではいかないまでも少々物足りませんでしたね。

メインキャラの三角関係は、棗がより直人を意識し始めたことで、混沌としてきました。
綾乃もツンデレ成分が前面に押し出されてきて、素直になれない自分を責めたりしてます。
この辺りの恋愛話だけなら平和的で和むところなんですが、そうはいかないのが直人と綾乃の事情なんですよね。

綾乃が怒っている理由が分からない直人の鈍感さは、1巻の頃から気になっていたところです。
ようやく直人も考えるようになってきましたが、綾乃の気持ちを理解するまでにはまだまだ遠いですねぇ。
棗の積極的なアピールも届いていないし、ううむ、もどかしいっ。

2巻は物語の本筋から外れた印象でしたが、この3巻では元に戻してきてます。
とうとう「赤い目」の正体が明らかになり、物語的にも盛り上がりを見せています。
1巻の頃にあったホラーの雰囲気がなくなり、よくある異能バトル系となってしまっていますので、この作品独特の魅力というものは薄れていますが、その分安定した面白さがありますね。

イラストは、さすがの椎名優さん。
カラーページの漫画や、雰囲気の描き分けた挿絵など、見惚れてしまう絵ばかりです。
表紙イラストの綾乃の身体バランスが気になるところ以外は、完璧でした。
特に棗のキャラデザはモロ好みなので、直人をデートに誘うシーンで照れているところなんかは最高でした。

最大の不満点は、妹の水穂の出番がほとんどなかったこと。
あれだけキャラが立っているんですから、もう少しくらい物語に関わらせてもいいと思うんだけどなぁ。
勿体無い。

覚悟はしていたけれど、最後のページでとんでもない事態となっているので、次巻は早めに読みたいところです。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  モーフィアスの教室  三上延  椎名優  評価B 

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モーフィアスの教室2 楽園の扉 

モーフィアスの教室〈2〉楽園の扉 (電撃文庫)モーフィアスの教室〈2〉楽園の扉 (電撃文庫)
(2008/03/10)
三上 延

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【評価……B-
舞台 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6

現実を侵食する悪夢<夢神>の一人・ヨミジを辛くも倒した直人。彼は夢と現実世界を隔てる<扉>を開く黒い鍵・モーフィアスを手に、<扉の民>として<夢神>と闘う決意を固める。
一方、直人と共に闘うことを心に決めた綾乃は、直人の家に半ば無理矢理住み着いてしまう。同居の事実を周囲にひた隠すため苦心する直人と綾乃だが、棗は何かに気が付いたようで……。
そして事情を知らない直人の妹・水穂は綾乃に嫉妬の念を燃やすが、その周囲には新たな<夢神>の気配が!
今回も口絵は椎名優描き下ろしのプレビューコミック仕様!!

【感想】 <前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>

現実に実体化する悪夢と闘う若者たちの物語、第2弾。
2巻にして、早くも教室が関係なくなってきました。

飛び抜けて凄いところがあるわけではないんですが、代わりに目立った短所も見当たらないですね。
フツーにラノベの平均的な読みごたえはあると思います。
あと一歩、設定でも物語でもキャラクターでもいいから練られていたら、もっとお勧めしやすい作品になるんだろうなぁ。
さすがに、ラノベ作品で「イラストがいいから買おうぜ!」という理由では推奨しにくいですしw

1巻では主人公・岸杜直人が何も知らない側の人間でしたが、今回はもう既に<夢神>に関して知識がある状態からスタートするので、どのように物語が展開されるのかなと注目していました。
事件そのものをミステリー風に仕立てているのは前回同様で、主要人物の人間関係を中心に描かれていますね。
複数の視点から進行するので、途中で先が読めてしまうという人もいるかもしれません。
また、学校のクラスで起きた事件に比べ緊迫感が薄いこともあり、気味の悪さでは1巻より下回ってます。

インパクトはどうしても1巻に劣ってしまうものの、安定した出来なのは間違いありません。
事件のストーリーが進むにつれて徐々に明らかになっていく真相の見せ方や構成に無理がなく、引っかかるところなく流れるように文章が読めるところは長所だと思いますね。

直人・綾乃・棗の三角関係が表面化しはじめ、さらにそこへ妹の水穂が加わってきて、恋愛方面もなかなか面白くなってきました。
良キャラの予感がしていた妹・水穂は、思っていた以上に上玉でしたね。
基本はクールで、綾乃に対してだけはツンツン。
そして、実はあまり自覚していないけど結構ブラコン入っていて、こんな妹がいたらいいなぁって思わせてくれます。

水穂と並んでピックアップされているのが、直人と綾乃の共通の友人であるです。
しかし、棗って、こんなに怖い女の子でしたっけ……?w
何だか妙にいや~なフラグが立っている気がしてなりません。
暗い雰囲気で包まれている作品なので、棗はひょっとしたらブラックサイドに堕ちてしまうのでは……という考えがよぎります。
衝撃を受けて忘れられない作品にはなるだろうけど……望みはしませんw

椎名優さんのイラストは、今回も素晴らしいの一言。
若干キャラクターデザインに古臭さを感じる面もありますが、些細なことです。
黒の細い斜線で影が描かれているところが、すごい好きです。
トーンを惜しみなく使用していて、モノクロの挿絵なのに鮮やかにさえ感じられるほどですね。
この大胆かつシャープな線の引き方には憧れるなぁ。

続巻を買うのは確実なんだけど、すぐに買って読まなければと思うほどではないかな。
面白いんだけどなー。ちょっと惜しい。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  モーフィアスの教室  三上延  椎名優  評価B- 

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モーフィアスの教室 

モーフィアスの教室 (電撃文庫 み 6-20)モーフィアスの教室 (電撃文庫 み 6-20)
(2008/01/10)
三上 延

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【評価……B-
舞台 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
ホラー ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
グロ ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5

東京郊外の高校に通う岸杜直人のクラスで、多くの生徒達が不思議な夢の“教室”。その夢の中で怪物に喰われた者は、二度と目を覚ますことはない――。
悪夢に囚われた友人達を救うため、直人は傍若無人な幼馴染み・久世綾乃と共に夢の秘密に迫る。
やがて直人は、自分の夢の“教室”にだけ、不思議な扉があることに気が付く。なぜか綾乃は、「その扉を開けてはいけない」と直人に忠告するが……。
現実世界を侵食しはじめた「悪夢」を直人は止められるのか?そして綾乃の知る真実とは――?

ラノベを購入する際に、決め手となるのは結局のところ面白そうであるかどうかという感覚的ものになります。
あらすじや他人のレビューは大変参考になりますけどね。

そういう観点からいえば、この作品は読む前から飛び抜けて面白い!ということはないかわりに、それなりに楽しめるだろうなぁと薄々感じていました。
まさしくその予想は当たっていて、ある意味期待通りだったと言えますね。

そのように感じていたにもかかわらず、何故購入に至ったかというと、ぶっちゃけると動機の9割がイラストです。
椎名優さんの絵は素晴らしいね!

表紙買いなんて危険な話は渡らない性格なんですが、カラーページのイラストに惹かれてしまいました。
挿絵のレベルも高く、イラストだけで結構満足したところがありますw
ラノベのイラストで、ここまで緻密に描き込まれた絵はそうそう見られませんよ。
いわゆる萌えるような可愛い絵柄が多い中で、椎名さんのような線の細い綺麗な絵は貴重です。

一方、内容はというとサスペンス&ホラー作品
ホラーとはいっても軽めのもので、見えない何かにドキドキと怯えるようなものではなく、刻々と迫りくる恐怖の前に嫌な汗をかくような種類です。
グロテスクな表現も多少混ざっているので、そういうのが苦手な人にはお勧めできません。
逆に、大歓迎という人にとっては物足りないと感じるかと思われます。

夢と現実が密接に関わり合う設定は、目新しさこそありませんが、無難にまとめられています。
これは作品全体にも言えることで、文章や構成が巧いというよりも、バランス調整が巧いんです。
1つの「世界」を作り上げるのが優れている作者さんのようですね。

キャラクターは、平凡でどこにでもいそうな主人公・岸杜直人と、典型的なツンデレ幼馴染みのヒロイン・久世綾乃、それに加えて二人の友人であり美少女クラスメイト・倉野棗がメインキャラ。
この三者の恋愛模様も、これからシリーズを通してどう展開していくのか、見物です。
綾乃もいいけど、個人的には棗をプッシュして行きたいですね。
あと、今回出番の少なかった妹・水穂も良キャラっぽいので、今後に期待です。

今巻だけでも一応のところ完結してますが、まだ始まったばかりという印象の強い1巻でした。
シリーズ物の1冊目としては、良かったんじゃないでしょうかね。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  モーフィアスの教室  三上延  椎名優  評価B- 

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