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明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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モーフィアスの教室4 黄昏の王女 

モーフィアスの教室〈4〉黄昏の王女 (電撃文庫)モーフィアスの教室〈4〉黄昏の王女 (電撃文庫)
(2008/11/10)
三上 延

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読書期間:2009/3/10~2009/3/14

【評価……B
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆
 … 7

正宗の持つ黒い鍵《パンタソス》の力で、ツグミの事件は一応の解決を見た。
だが飯見町には《赤い目》に関する噂が蔓延し、多くの人々が《赤い目》の悪夢に囚われ目を覚まさなくなってしまう。
必死に悪夢の《親》を探す直人と綾乃を尻目に増え続ける犠牲者たち――このままでは《赤い目》が実体化し、現実世界に出てきてしまう。
一方、ツグミの仇を討つため先走った正宗は、《赤い目の悪夢》の《親》が誰かをついに突き止めるが……。
人気シリーズ、いよいよ完結!今回も口絵は椎名優描き下ろしのプレビューコミック仕様!!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


「モーフィアスの教室」シリーズ、最終巻。

もっと長く続くのかと思っていましたが、案外あっさりと終わってしまいましたね。
予定通りなのか打ち切りなのかよく分かりませんけど、一応綺麗にまとめられているので良かったと思います。

風雲急を告げるかのように見えた前回のラストですが、意外にも4巻の始まりは緩やかでした。
しかし、静かに着々と悪夢の犠牲者が増えてゆく気味の悪さが何とも言えない嫌な雰囲気を漂わせます。
そして、とうとう《赤い目》と対面を果たしてからの緊迫した展開の連続は、大きな絶望感と僅かな希望が交差するもので、物語にのめり込んでしまいました。

うん、面白かったですね。
惜しいところもいくつかありますが、概ね満足できる内容でした。

雰囲気を出すのは巧いんですが、場の盛り上げに関してはあと一歩だと感じるところが多かった。
ちょっと平坦にストーリーが進みすぎだったかなぁ。
退屈だと思ったことは一度もなかったので、内容や展開は悪くないと思います。
燃え成分が多めだったら、さらに評価が上がったでしょうね。

エピローグは、さっぱりとした爽快さを含む良い終わり方で満足。
多少物足らなさを感じるぐらいがちょうどいいという言葉をよく耳にしますが、まさしくこの作品はそれでした。

主役、脇役含めてキャラクターも全体的に立っていましたね。
特に棗と正宗はそれぞれ見せ場があって、より一層好きになれました。
まぁ、ただ三角関係はドロドロした展開こそが真髄!と思っている方は、期待しすぎない方が吉かと。

椎名優さんのイラストには、最後の最後まで圧倒的なクオリティに驚かされました。
直人と正宗の格好良い場面や、棗の照れた表情、綾乃の優しげな微笑みなど、見どころ満載です。
挿絵がこんなにも楽しみなラノベ作品は、そうそうありませんね。

地味ながら面白いシリーズでした。
4巻で完結したことは、人に勧める上では良点になりますね。

軽めのミステリアス&ダーク作品で気分転換しながら読めるシリーズ

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  モーフィアスの教室  三上延  椎名優  評価B 

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モーフィアスの教室3 パンタソスの刃 

モーフィアスの教室〈3〉 (電撃文庫)モーフィアスの教室〈3〉 (電撃文庫)
(2008/06/10)
三上 延

商品詳細を見る

【評価……B
舞台 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
ミステリー ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5

ささいな行き違いからケンカをしてしまった直人と綾乃。だが鈍感な直人は、綾乃が怒っている原因に気が付かない。
そんなある日、棗に誘われ二人きりでプールに出かけた直人は、そこでツグミと名乗る謎の女性からの呼び出しを受ける。町はずれの民家にツグミを訪ねた二人の前に現れたのは、「赤い目」を持つ夢神の女性だった――。
一方、ひとり別行動を取っていた綾乃は見知らぬ少年の襲撃を受ける。少年の手には――もう一つの《黒い鍵》パンタソスが!!
今回も口絵は椎名優描き下ろしのプレビューコミック仕様!!

【感想】 <前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


夢神との戦いが本格化する「モーフィアスの教室」シリーズ第3弾。

既存2巻とは打って変わり、ミステリーよりもアクションメインの話でした。
テンポが良い展開で、非常に読みやすかったです。
ただ、ミステリー部分が甘く先の展開も読めやすかったのは、退屈とまではいかないまでも少々物足りませんでしたね。

メインキャラの三角関係は、棗がより直人を意識し始めたことで、混沌としてきました。
綾乃もツンデレ成分が前面に押し出されてきて、素直になれない自分を責めたりしてます。
この辺りの恋愛話だけなら平和的で和むところなんですが、そうはいかないのが直人と綾乃の事情なんですよね。

綾乃が怒っている理由が分からない直人の鈍感さは、1巻の頃から気になっていたところです。
ようやく直人も考えるようになってきましたが、綾乃の気持ちを理解するまでにはまだまだ遠いですねぇ。
棗の積極的なアピールも届いていないし、ううむ、もどかしいっ。

2巻は物語の本筋から外れた印象でしたが、この3巻では元に戻してきてます。
とうとう「赤い目」の正体が明らかになり、物語的にも盛り上がりを見せています。
1巻の頃にあったホラーの雰囲気がなくなり、よくある異能バトル系となってしまっていますので、この作品独特の魅力というものは薄れていますが、その分安定した面白さがありますね。

イラストは、さすがの椎名優さん。
カラーページの漫画や、雰囲気の描き分けた挿絵など、見惚れてしまう絵ばかりです。
表紙イラストの綾乃の身体バランスが気になるところ以外は、完璧でした。
特に棗のキャラデザはモロ好みなので、直人をデートに誘うシーンで照れているところなんかは最高でした。

最大の不満点は、妹の水穂の出番がほとんどなかったこと。
あれだけキャラが立っているんですから、もう少しくらい物語に関わらせてもいいと思うんだけどなぁ。
勿体無い。

覚悟はしていたけれど、最後のページでとんでもない事態となっているので、次巻は早めに読みたいところです。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  モーフィアスの教室  三上延  椎名優  評価B 

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モーフィアスの教室2 楽園の扉 

モーフィアスの教室〈2〉楽園の扉 (電撃文庫)モーフィアスの教室〈2〉楽園の扉 (電撃文庫)
(2008/03/10)
三上 延

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【評価……B-
舞台 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6

現実を侵食する悪夢<夢神>の一人・ヨミジを辛くも倒した直人。彼は夢と現実世界を隔てる<扉>を開く黒い鍵・モーフィアスを手に、<扉の民>として<夢神>と闘う決意を固める。
一方、直人と共に闘うことを心に決めた綾乃は、直人の家に半ば無理矢理住み着いてしまう。同居の事実を周囲にひた隠すため苦心する直人と綾乃だが、棗は何かに気が付いたようで……。
そして事情を知らない直人の妹・水穂は綾乃に嫉妬の念を燃やすが、その周囲には新たな<夢神>の気配が!
今回も口絵は椎名優描き下ろしのプレビューコミック仕様!!

【感想】 <前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>

現実に実体化する悪夢と闘う若者たちの物語、第2弾。
2巻にして、早くも教室が関係なくなってきました。

飛び抜けて凄いところがあるわけではないんですが、代わりに目立った短所も見当たらないですね。
フツーにラノベの平均的な読みごたえはあると思います。
あと一歩、設定でも物語でもキャラクターでもいいから練られていたら、もっとお勧めしやすい作品になるんだろうなぁ。
さすがに、ラノベ作品で「イラストがいいから買おうぜ!」という理由では推奨しにくいですしw

1巻では主人公・岸杜直人が何も知らない側の人間でしたが、今回はもう既に<夢神>に関して知識がある状態からスタートするので、どのように物語が展開されるのかなと注目していました。
事件そのものをミステリー風に仕立てているのは前回同様で、主要人物の人間関係を中心に描かれていますね。
複数の視点から進行するので、途中で先が読めてしまうという人もいるかもしれません。
また、学校のクラスで起きた事件に比べ緊迫感が薄いこともあり、気味の悪さでは1巻より下回ってます。

インパクトはどうしても1巻に劣ってしまうものの、安定した出来なのは間違いありません。
事件のストーリーが進むにつれて徐々に明らかになっていく真相の見せ方や構成に無理がなく、引っかかるところなく流れるように文章が読めるところは長所だと思いますね。

直人・綾乃・棗の三角関係が表面化しはじめ、さらにそこへ妹の水穂が加わってきて、恋愛方面もなかなか面白くなってきました。
良キャラの予感がしていた妹・水穂は、思っていた以上に上玉でしたね。
基本はクールで、綾乃に対してだけはツンツン。
そして、実はあまり自覚していないけど結構ブラコン入っていて、こんな妹がいたらいいなぁって思わせてくれます。

水穂と並んでピックアップされているのが、直人と綾乃の共通の友人であるです。
しかし、棗って、こんなに怖い女の子でしたっけ……?w
何だか妙にいや~なフラグが立っている気がしてなりません。
暗い雰囲気で包まれている作品なので、棗はひょっとしたらブラックサイドに堕ちてしまうのでは……という考えがよぎります。
衝撃を受けて忘れられない作品にはなるだろうけど……望みはしませんw

椎名優さんのイラストは、今回も素晴らしいの一言。
若干キャラクターデザインに古臭さを感じる面もありますが、些細なことです。
黒の細い斜線で影が描かれているところが、すごい好きです。
トーンを惜しみなく使用していて、モノクロの挿絵なのに鮮やかにさえ感じられるほどですね。
この大胆かつシャープな線の引き方には憧れるなぁ。

続巻を買うのは確実なんだけど、すぐに買って読まなければと思うほどではないかな。
面白いんだけどなー。ちょっと惜しい。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  モーフィアスの教室  三上延  椎名優  評価B- 

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モーフィアスの教室 

モーフィアスの教室 (電撃文庫 み 6-20)モーフィアスの教室 (電撃文庫 み 6-20)
(2008/01/10)
三上 延

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【評価……B-
舞台 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
ホラー ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
グロ ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5

東京郊外の高校に通う岸杜直人のクラスで、多くの生徒達が不思議な夢の“教室”。その夢の中で怪物に喰われた者は、二度と目を覚ますことはない――。
悪夢に囚われた友人達を救うため、直人は傍若無人な幼馴染み・久世綾乃と共に夢の秘密に迫る。
やがて直人は、自分の夢の“教室”にだけ、不思議な扉があることに気が付く。なぜか綾乃は、「その扉を開けてはいけない」と直人に忠告するが……。
現実世界を侵食しはじめた「悪夢」を直人は止められるのか?そして綾乃の知る真実とは――?

ラノベを購入する際に、決め手となるのは結局のところ面白そうであるかどうかという感覚的ものになります。
あらすじや他人のレビューは大変参考になりますけどね。

そういう観点からいえば、この作品は読む前から飛び抜けて面白い!ということはないかわりに、それなりに楽しめるだろうなぁと薄々感じていました。
まさしくその予想は当たっていて、ある意味期待通りだったと言えますね。

そのように感じていたにもかかわらず、何故購入に至ったかというと、ぶっちゃけると動機の9割がイラストです。
椎名優さんの絵は素晴らしいね!

表紙買いなんて危険な話は渡らない性格なんですが、カラーページのイラストに惹かれてしまいました。
挿絵のレベルも高く、イラストだけで結構満足したところがありますw
ラノベのイラストで、ここまで緻密に描き込まれた絵はそうそう見られませんよ。
いわゆる萌えるような可愛い絵柄が多い中で、椎名さんのような線の細い綺麗な絵は貴重です。

一方、内容はというとサスペンス&ホラー作品
ホラーとはいっても軽めのもので、見えない何かにドキドキと怯えるようなものではなく、刻々と迫りくる恐怖の前に嫌な汗をかくような種類です。
グロテスクな表現も多少混ざっているので、そういうのが苦手な人にはお勧めできません。
逆に、大歓迎という人にとっては物足りないと感じるかと思われます。

夢と現実が密接に関わり合う設定は、目新しさこそありませんが、無難にまとめられています。
これは作品全体にも言えることで、文章や構成が巧いというよりも、バランス調整が巧いんです。
1つの「世界」を作り上げるのが優れている作者さんのようですね。

キャラクターは、平凡でどこにでもいそうな主人公・岸杜直人と、典型的なツンデレ幼馴染みのヒロイン・久世綾乃、それに加えて二人の友人であり美少女クラスメイト・倉野棗がメインキャラ。
この三者の恋愛模様も、これからシリーズを通してどう展開していくのか、見物です。
綾乃もいいけど、個人的には棗をプッシュして行きたいですね。
あと、今回出番の少なかった妹・水穂も良キャラっぽいので、今後に期待です。

今巻だけでも一応のところ完結してますが、まだ始まったばかりという印象の強い1巻でした。
シリーズ物の1冊目としては、良かったんじゃないでしょうかね。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  モーフィアスの教室  三上延  椎名優  評価B- 

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