【ゲーム総評】 マール王国の人形姫
2021/10/19 Tue 23:43:23 [edit]
発売日 | 主なプレイ期間 |
1998年12月17日 | 2020年7月 |
▼ 作品紹介 |
日本一ソフトウェアによるミュージカルとRPGを合体させたシリーズ第1作目。
ファンシーな人形達がちょこまかと可愛らしく動くハートフルな作品。
PS1時代のRPGとしては、当時一定の評価を受けていた良作という認識です。
▼ 購入動機:体験版プレイ |
世代の方なら知っている人もいると思いますが、「電撃プレイステーションD」という体験版やムービーなどを収録したCD付きの雑誌が定期刊行されていました。
D11で本作の体験版をプレイしたのが興味を持った最初のキッカケです。
またD21~D26まで5号にわたって「電撃ミュージアム」というクイズやキャラ紹介など力を入れて紹介されていたのが、「マール王国の人形姫」の次回作である「リトルプリンセス マール王国の人形姫2」でした。
1はあくまで興味を持った程度だったのに対し、2の映像はプレイ意欲をそそられました。
やるならシリーズ1作目から始めたいなと思い、いつかプレイしようと思い続け早20年以上。
やっとこさ購入に至りました。
▼ 製品の種類:PSP / ゲームアーカイブス |
手元で気軽にプレイがしたかったので、ゲームアーカイブスで購入してPSPでプレイしました。
PS1ではおまけディスク付きの「マール王国の人形姫+1」も発売されていましたが、次回作の体験版やイラストコーナーは興味をそそられず、音楽コーナーはプレイして気に入ったらサントラ購入すればいいと思い選択から除外。
DSのリメイク作「マール王国の人形姫 天使が奏でる愛のうた」は、キャラデザが変更されていて、比較すると元々の絵柄の方が可愛かったので素直に原点で遊ぶことにしました。
▼ 総プレイ時間:24時間 |
ストーリーをクリアするだけなら15時間もあれば余裕でしょう。
RPGとしては当時としてもボリュームは少な目といえます。
周回要素は特になく、サブイベントや育成などで5~10時間追加された程度です。
今だからこそ安く購入してサクっと遊べるのは利点ですが、発売当初フルプライスで買った人は満足感薄目だったかもしれませんね。
▼ ジャンル:ミュージカルRPG |
上述した通り、本作の最大の特徴はミュージカルRPGというジャンルです。
今の時代なら他に似た作品があるかもしれませんが、当時はおそらく唯一無二の作風だったと思われます。
その名の通り、ミュージカル要素のあるRPGです。
2Dのドット絵で描かれたキャラクターがちょこまかと動きながら歌唱するシーンがホント可愛い。
発売された1998年というとFF7とFF8の間という時代で、次世代機のマシンパワーで生み出す3Dムービー主流の中で新たなベクトルを作り出したのは評価されてしかるべきだと思います。
スマッシュヒットと言うべきか微妙なところですが、ある程度は売れたようですね。
日本一ソフトウェアといえば、それこそ上記の電撃プレイステーションDで体験版でプレイした「炎の料理人クッキングファイター好」「どきどきシャッターチャンス」など一風変わったゲームを作るメーカーという認識でしたが、どうやら本作が転換期となったようです。
さて、その特徴であるミュージカル要素ですが、質は良好なもののボリュームが足りない。
誤解がないように正すと、劇中歌は多数用意されているんです。
要所となるイベントシーンには必ず挿入されているため、確かにミュージカル風だなとは思いました。
音と映像には文句があるどころか、大満足の出来です。
でも、あくまで歌の範疇であって、登場人物達がセリフを音に乗せる演劇ではありません。
ミュージカルの定義の話になると詳しくないので語れませんけど、演者が踊りながら心情を吐露したり気持ちを込めた会話をする劇というのがミュージカルと考えていたので、思っていたものと違うな、と。
唯一、タイトル画面後に流れるオープニングイベントは完璧なミュージカルでしたので、このクオリティで楽しめると期待しすぎると肩透かしを食らうかもしれません。
▼ 音楽:目に焼き付き耳に残る |
演出面では惜しい面があったものの、音楽は素晴らしいですね。
キャッチーなメロディーラインを奏でるBGMは、一度聴くだけで覚えてしまうほどです。
そして、イベントを盛り上げる歌の効果はやはり絶大。
特に序盤のイベントから何度も流れる「歩いていこう」が印象深く、歌詞が泣かせてきます。
ちなみに主要キャラには担当声優をつけていますが、出番は歌のみ。
ごく一部のイベントを除き、キャラのセリフや戦闘ボイスは残念ながら収録されていません。
▼ キャラクター&ストーリー:愛のある作風 |
女の子向き、または低年齢層向けのゲームと紹介されることもある本作。
確かに女性ファンが多そうな丁寧で優しい作りで、難易度も詰まるところはまずないのでRPG苦手な人でも大丈夫です。
ほのぼのとした雰囲気が楽しめて、パッケージで抱く印象のままプレイすることができます。
キャラクターは王道中の王道。
人形とお喋りができる夢見る少女・コルネットが、王子・フェルディナンドと出会うところから始まる物語。
どこに行くときも一緒の相棒役である人形・クルル、お金持ちの金髪縦ロール幼なじみ・エトワールなど少女漫画で一度は見たことがあるような面々が続きます。
憎めない悪役である魔女・マージョリーは、ドロンジョ様を彷彿とさせますね。
絵本のようにメルヘンチックな物語なんだろうなぁと思っていたら、意外とシリアスな展開もあって驚きました。
だからこそ様々な愛情を感じ取ることができるストーリーは、シンプルが故に心に響きます。
もちろんコメディタッチで描かれるイベントも多数あり、思わず笑ってしまう掛け合いは数え切れません。
登場人物から物語まで、製作者の愛を感じる作品となってます。
【ストーリー・ネタバレあり感想】 (クリックorタッチ)
クルルの正体が母・シェリーというのは途中で気付きました。
過去イベントのミュージカルシーンは本作の最大涙腺ポイントだったと思います。
父親に関して掘り下げ不足なので、これは次回作以降に絡んでくるんでしょうかね。
クリアして気が付きましたけど、本筋の半分以上を占める5つの心を入手する順はある程度自由だったんですね。
一本道だと思っていました。
実際のプレイでは、炎→聖→風→水→地の順で入手。
聖の心は直前でセーブして、雷の心入手ルートもプレイしましたけど、村人から恨まれることになるので気持ちのいいものではないですね。
カエルブルグ城のイベントも同様に他の選択肢があるのかと思いきや、ケロラインやミカエルを助ける方法はないようで。
雰囲気から油断していたので衝撃を受けました。
▼ 戦闘:評価の割れるシミュレーションRPG要素 |
戦闘はマス目上にキャラを動かすシミュレーションRPG形式。
PS1の時代だと「アークザラッド」「サモンナイト」など多くのRPGで採用されているため珍しくはありません。
ただし、ランダムエンカウントでというのはあまり見かけないんですよね。
というのも、ゲーム性の関係で毎回キャラ移動を伴うシミュレーションRPGは一度の戦闘が長引きます。
コマンド式の気楽さやアクション要素のある爽快感と異なり、どうしても面倒臭さと感じてしまいます。
しかもこのゲーム、エンカウント率が高めという難点があるため、評価を下げる要因になりやすいですね。
幸いながら1~2ターンで終了する戦闘がほとんどで、慣れてくればサクサク進めます。
範囲攻撃で一掃できた時は気持ちよかったりするので、個人的には嫌いではないですね。
仲間になる人形やモンスターが多く、本来の能力を知ることなくクリアしてしまったキャラもいたと思います。
一度に出陣できるのが主人公含め4人までなので、使いきれなかったキャラが多かったのは心残りでした。
▼ 難易度:戦闘よりもダンジョンの方が難しい |
ダンジョンはスクロールなしの一画面サイズのパーツを組み合わせて作られています。
これが無駄に広く同じ景色が続くので、全てのダンジョンが迷路と化しています。
脳内マッピングするのが好きな自分のような人間はある意味楽しめるかもしれませんが、普通は手抜きに見えてしまうでしょうね。
「ジクソーワールド」や「どきどきシャッターチャンス」を作っていたメーカーだから、ジクソーパズルみたいなダンジョンにしたのかという邪推してしまいます。考え過ぎでしょうか。
戦闘が長引くとダンジョン構造を忘れてしまうことがあります。
途中でセーブ中断して再開しようとすると、もはや迷子の気分です。
戦闘の難易度は基本的に楽勝でしたが、死亡時のリスクがデカすぎたので慎重になりました。
HP0になると、主人公の場合はゲームオーバー、人形は高額な修理費用が発生、仲間モンスターはなんと復活不可というシビアな内容。
序盤でうっかり人形・シャルテを死亡させてしまい、お爺ちゃんに修理をお願いしにいった時に全財産の半分ぐらいを要求されてビックリしました。
人形が増えてくるとバランスよく人形育成するためにPTから外せない主人公のレベルが突出していきます。
ダンジョンマッピングに時間が掛かることもあって自然と全体的にレベルアップしていきますね。
回復系アイテムはほぼ使用しませんでした。
レベルアップ時に全快することもあって回復魔法によるMP切れはなかったですね。
【クリアデータ・ネタバレあり感想】 (クリックorタッチ)
≪クリア時キャラクターレベル≫
コルネット | 60 | 常に出続けるため必然的にレベルが上がりました |
シャルテ | 37 | 数少ない回復役で攻撃魔法も物理攻撃も悪くないためボス戦では欠かせない |
レジェム | 37 | 行動範囲の広さのおかげで「えんそう」から攻撃魔法で1ターンキルが容易い |
テル | 32 | 序盤から仲間に入り遠距離攻撃の割りに火力が高めなので、移動マス気にしなくてもいいのが楽 |
テラ | 30 | 攻撃魔法担当でMPが切れるまで撃ちまくっていました |
フレール | 26 | 物理メインでしたが、攻撃魔法も割と頼れる存在 |
コロ | 26 | 仲間になったのが終盤にもかかわらず、基本能力は高めで育てがいはありました |
キッド | 23 | 序盤のエースでしたが、範囲攻撃に乏しいのが後半辛くなりました |
デューク | 20 | キッドと同様に前衛性能は高めですが、やられる前にやるゲームなのであまり使わず |
アルバトロス | 20 | テルと同様に遠距離攻撃は便利でしたが、仲間になるのが遅すぎました |
Lくん | 21 | 移動力2は辛く、他に飛び抜けた能力もないため出番は少なめ |
チバ | 20 | 仲間になった時点でキッドとデュークの出番が減っていた時期で、出す理由が特になく…… |
ナイトスポーノ | 20 | 可愛い人形が多数いる中で特別好みでもなかったので優先順位は下になりました |
ケロライン | 30 | 転生前ならまだしも見た目がただのカエルになっちゃったのがなぁ |
ミカエル | 30 | 同上 |
ビリー | 10 | 魔法系キャラは他に使いたい人形が多くて出す機会に恵まれませんでした |
唯一の全滅はラスボス連戦の初戦であるマージョリー戦。
一撃だけでもPT半壊になる威力を持つオメガメテオを連発で放ってきてゲームオーバーとなりました。
基本的にこのゲームは先手必勝ですが、ラスボス戦ということもあって構えすぎたのがいけなかったんだと思います。
ただでさえ人形が溢れているので、仲間モンスターの必要性に疑問符が付きます。
多くのRPGで採用される好きなシステムなのですが、肝心の仲間モンスターを出陣する時が限定されます。
「えんそう」と「ごほうび」が強力すぎたこともあって、仲間モンスターの出番は人形が3体出揃う最序盤のみなんですよね。
愛情で育てるにも仲間加入時が常にレベル1スタートで、貴重なスタメン枠に出さないと経験値が入らないこともあって現実的には厳しい。
しかも上述した通り、仲間モンスターは死亡するリスクもあるため、なおのこと優先する意味が皆無です。
見た目は可愛らしいモンスターが多いだけに惜しい作りでした。
そんな哀しい存在の仲間モンスターですが、プレイ時間が長くなってしまった最大の理由は、どうしても仲間にしたかったモンスターがいたからだったりします。
沈没船にいるアリエルという人魚型モンスターです。
仲間にしたかった理由?可愛かったからに決まってるじゃないですか!
とりあえずストーリーを先に進めようにも沈没船がイベント限定ダンジョンで、他のダンジョンでもエンカウントするか不明だったため、その場で粘るしかなく。
しかし、メタルスライム並みにエンカウント率が低いため、そもそも戦うことすら難航。
結果、コルネットのレベルが10も上がるほど戦闘を重ねたにもかかわらず、仲間になることはありませんでした。
沈没船で1匹も仲間に出来なかったところからすると、仲間に出来ないダンジョンだったと考えるべきなんでしょうかね。
結局5時間程で断念してストーリーを進めたところ、次のダンジョンで色違いモンスターのマーメイドが仲間になるいうオチ。
攻略情報もない中なので仕方がないとはいえ無駄過ぎましたね。
▼ 総評 |
素直に面白かったです。
わずか数日でクリアしてしまったのは、ボリュームのなさというよりも夢中になったというのが正解でしょう。
楽しめる自信はありましたが、予想外に良かったのは何気ないイベントのテキスト。
発売から20年経った今でも古臭さを感じさせず、キャラの掛け合いが非常に魅力的でした。
間違いなく次作もプレイすると思います。
テーマ: マール王国
ジャンル: ゲーム
タグ: ゲーム総評 マール王国の人形姫 PSP【ゲーム総評】 ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~
2021/02/10 Wed 23:59:46 [edit]
発売日 | 主なプレイ期間 |
2019年9月26日 | 2020年8月~2021年2月 |
▼ 作品紹介 |
ガストによる可愛い女の子の錬金術士物語、通称アトリエシリーズの第21作目。
3作品前後でシリーズ内でも一新するのが通例で、本作は新シリーズとして立ち上げられた1作目です。
シリーズ断トツの売り上げで歴代最高累計出荷数を記録した作品のようです。
▼ 購入動機:キャラクターデザイン |
主人公・ライザのキャラクターデザイン、これに尽きます。

とにかく可愛い!そしてエロい!
本作品の第一報でキービジュアルを見たとき、ライザの容姿に一目惚れしました。
あどけなさが残る顔立ちに健康的でムチムチな太腿がなんとも魅惑的。
発表から間もなくバズったのも頷ける見事なデザインだったと思います。
トリダモノさんの功績はとてつもなく大きかったですね。
タイミング的に発売直後にプレイはできなかったのですが、ちょうどそろそろやろうと思っていた時にセールが催されたので、発売から1年経過してのプレイ開始となりました。
▼ 製品の種類:PS4 / 通常版 / ダウンロード版 |
PS4版とSwitch版のどちらで遊ぶか、かなり悩みました。
それこそセール期間の2週間まるまる費やして、ギリギリまで情報を集めました。
比較映像やレビューなどみて最終的にPS4版を選びましたが、購入後も本当にこれが正解だったのかよく分かりません。
当然の如く、メリットとデメリットが存在していましたね。
メリットはもちろん大画面で高画質なライザを眺められること。
デメリットは作業繰り返すタイプのゲームなので、Switch版と比べたら所謂ながらプレイがし辛いこと。
自身の環境で決めていい程度の差だと思います。
DLC詰め合わせのデジタルデラックス版の購入も考えましたが今回はスルー。
どれだけやりこむか不明だったので、欲しくなったらその時考えようと思いました。
▼ 総プレイ時間:165時間 |
本編クリア時間 | 106時間 |
クリア後各種コンプリート | 32時間 |
DLC 追加ストーリー5本 | 8時間 |
DLC 秘密の孤島+追加ストーリークリア特典 | 19時間 |
疲れて休憩している時間もあったので、実際のプレイ時間は10時間以上は短いと思います。
ボリュームが少ないと聞いていたので心配でしたが、ガッツリ遊ぶことができました。
確かに難易度を下げてストーリーだけ追いかければ、おそらく30時間ぐらいでクリアできたと思います。
遊び方によって大きくプレイ時間が変わる類のゲームですね。
本筋と寄り道、どちらを優先するのかという問題です。
サブクエストだけならまだしもキャラ強化ができるのに打ち切り状態で進めるべきか否か。
先に主食だけ食べきってしまうのは勿体ないと思ってしまうタチなので、バランスよく進めて行きました。
ストーリーがトントン拍子で進むので装備作成など階段飛ばしで強化することも可能なのですが、きっちり毎回錬金するために素材集めなどをしていたのが時間かかった要因でしょうね。
どちらが正解とは言いませんが、おかげで隅々まで遊び尽くせたのは間違いないと断言できます。
▼ ジャンル:錬金術RPG |
20年以上も続く人気シリーズ作品ですが、本作が初めての購入となります。
1&2作目である「マリーのアトリエ」「エリーのアトリエ」を体験版でプレイして、凄い楽しかった思い出が残っています。
どの作品もプレイすれば楽しめるであろうと分かっていながらも、購入までには至らず縁のないシリーズでした。
キッカケはイラストでしたけど、手に取ることができてよかったです。
そして、プレイしたからこそ気が付いたことがあります。
アトリエシリーズってここまで純粋なRPG作品だったんですね。
初期作品との比較になりますが、もっとシミュレーション寄りのゲームという認識でした。
限られた期間内に自分好みの育成をしてマルチエンディングを迎える、周回ありきのゲームだと思っていました。
いつの頃からゲームデザインの変更があったのか分かりませんが、完全に一本道のRPGですね。
これはこれで楽しめましたけど、初期のアトリエシリーズにも興味が湧いたので機会があれば遊んでみたいところです。
▼ セールスポイント:ライザの容姿 |
ゲームクリア後でも本作の最大の魅力はライザの容姿であると思っています。
ストーリーやゲームシステムなどが駄目だったわけでもなく、単純にライザに目を奪われてしまうだけです。
発売前に爆発的な話題となったのは伊達じゃありませんでした。

谷間が丸見えな薄着とヒップラインが性的すぎるホットパンツ。
体を動かすたびに揺れる豊満な胸とか上着から見え隠れする太腿とか、一貫して計算され尽くしているのが分かります。
キャミソールの紐が浮いているところなど、フェチズムにもバッチリ対応。
あざとさ全開のカメラアングルで、イベントシーンは常にライザに視線が向かってしまいます。
エッチすぎますよ、この娘。
フォトモードでスクリーンショットの撮影に夢中になってしまうのも仕方がないんです。
逆に言えば、ライザのキャラデザに反感を覚えるのであれば常時ストレス溜まることになるのでオススメできなくなります。
ところで、この作品、CERO判定がB(12歳以上対象)なんですよね。
「なんてこないあたし」と自称するライザにプレイヤーは総ツッコミすると思います。
しかし、恐ろしいことにこんなモデルも裸足で逃げ出すようなプロポーションを持ちながら、ゲーム内では一切言及されません。
本人の自覚はもちろん、他のキャラから身体的特徴を触れられたり、軽い下ネタもありません。
年頃の男女が一緒に過ごす中で、まるっきり性的な話題を口にしないのは逆に不自然に見えました。
まぁ別にこのゲームにラッキースケベ的な展開を求めていたわけでもないですしね。
違和感があるだけで、愛でるだけならば問題はありません。
ただ、判定基準のためなのかカメラのズームに限界があるのだけは残念でした。
▼ キャラクター:見た目は大人、頭脳は子供 |
飛び抜けて肉付きの良いライザに隠れがちですが、物語冒頭で友人となるクラウディアも見事なスタイルで見惚れます。
幼馴染みのレントは筋肉隆々で、ガタイの良さなら作品内でも随一でしょう。
同じく幼馴染みのタオは15歳ということで、ライザ達と比べて2,3歳年下ということもあってまだまだ成長途中でしたね。
見た目のデザインを優先したためか、若干ライザ達の年齢がミスマッチしているように見受けられました。
17歳のライザやクラウディア、18歳のレントは見た目がしっかりしている分、思考パターンが余計に幼く感じます。
いっそのことライザ達も15歳前後にすれば良かったと思うのですが、キャラデザありきになってしまったのでしょうかね。
キャラの表情やポージングがワンパターンで若干物足りないかな。
そのため声優さんの演技と表情が合っていない場面もあったので、次回作以降で改善してくれると嬉しいのですが。
▼ システム:錬金術という作業ゲー |
グラフィックに関する話が先行する形となりましたが、肝心のゲームはやりごたえのある内容に仕上がっていました。
ゲームの根幹となる錬金術システムは、ストーリー上でチュートリアルがある親切設計となっています。
出来ることが少しずつ解放されていく仕組みとなっているので、覚えながら成長することができます。
ただ説明書に載っていないことも多くて説明不足気味なのは惜しかった。
武器付与効果みたいにクリア後に理解できたこともあったくらいです。
基本的には素材の収集から始まり組み合わせて新しいアイテムを生成する流れ。
同じことを繰り返すシーンもありますが、より良い物を作るためと思うと苦にはなりませんでした。
強化するためには欠かせない「ジェム」稼ぎを数時間かけたりしても報われるのが分かっていればへっちゃらってものです。
プレイ前から作業ゲーであることは分かっていました。
それ故に寝転びながら遊べるSwitch版にするか悩んだわけですしね。
作業ゲーの良いところは、とにかくコツコツと積み重ねれば確実に成長できる点でしょう。
RPGの楽しい場面の一つにキャラクターの強化は重要なファクターとなります。
調合を成功していく喜びと合わさって、しっかり作業する意味に繋げているところは評価されていいと思います。
武器防具はともかく、アイテムは豊富な種類を上手く使いこなせなかった感覚が残っています。
違いがイマイチ分からずじまいでした。
錬金効果や特性も様々なバリエーションが用意されいたものの、結局使うものが偏ってて活かしきれなかったですね。
▼ 戦闘:見てて楽しいけど、見ることが大変 |
戦闘がリアルタイムバトルで、スピーディーな展開と迫力のある動きで魅せてくれます。
コマンドを選んでいたら他のキャラのターンが回ってきてしまうので、最初は思い通りに動かせず苦労しました。
RPGで仲間キャラに「めいせいさせろ」の指示を選ぶタイプの方は不満を持つかもしれません。
スキルのモーションが格好良くて雑魚戦でも見応えのあるため飽きずに楽しめます。
敵側に大技が用意されている関係で緊張感のある戦いと戦略を立てる醍醐味があることも大きい要因です。
とはいえ、基本的には適当に殴ったりアイテムを使っていれば簡単に敵を倒せます。
少し遊んでみて戦闘が温かったので、早々に難易度をNORMALからHARDに変更しました。
楽勝だなーと思っていたのですが、実は序盤で5回ぐらい全滅を経験しています。
理由は一つだけ。
これがこのゲーム最大の欠点ですが、戦闘画面が見辛過ぎる。
正確に言えば、画面情報量が多くて文字が小さいものだから、必要な内容が目に入ってきません。
全滅しているのは被ダメージ量に気付かずに、いつの間にか死んでいたというのがほぼ全ての原因です。
与えるダメージも同時に攻撃しているシーンも多いおかげで、全然把握できていません。
せっかく錬金術で装備を新調したり新アイテムのお披露目をしてもダメージの数値が目で追いきれず達成感が味わえないという残念なことになっています。
クリティカルかどうかなんて判断できた試しがありません。
状態異常も喰らっているのかどうか分からないまま戦うことになります。

戦闘画面の一例。
多数の数字や効果が瞬間的に飛び交い、すぐに表示が消えていきます。
リアルタイムでなかったりログが残るのであればまだカバーできたのですがね。
スキルを使用するためのタクティクスレベル、アイテムの使用回数を管理するコアクリスタル、仲間からの指示を達成することで特殊な追加攻撃をするオーダー、割り込んで行動できるクイックアクションなど戦闘はあらゆる要素を詰め込んでいます。
それぞれのシステムは面白い試みで、戦闘を楽しくする要素だったと思います。
慣れるほど戦闘しなくてもよかったり敵が弱かったりして、プレイヤー側の経験値を蓄積することがあまりできなかったので、理解しきれないまま終盤まで進んでしまいました。
結局のところ本当の意味で理解しながら戦えたのは、クリア後の要素からでしたね。
▼ 難易度:基本的には低め |
他シリーズとの比較はできませんが、あまり難易度は高く感じませんでした。
ライザはレベル66、錬金レベル88でクリア。
どうやら初期はレベル50までのキャップがあったそうなので、相当高レベルになってしまったようです。
ラスボスが手応えなさすぎて困りました。
第二形態も含めて10ターンも掛かってなかったと思います。
わざとラスボスのスペシャルアタックを喰らってみましたが、一撃あたり一桁しかダメージ喰らわなかったので危機感も何もありません。
レベル上げすぎちゃったかな。
でもクリア前に放置していた錬金を開拓して装備を整えていたらいつの間にか上がっていたんですよね。
ジェムや素材を集めているだけでもある程度敵と戦うことになるので勝手に成長してしまいます。
最強装備のレシピは持っていましたけどあえて作らなかったりと、これでも抑えているつもりだったんですが。
上述した通り、序盤でHARDに変えてクリアまで進めました。
クリア後は解放されたCHARISMAに遊び、最終的には最高難度のLEGENDで最強ボスにも勝利しています。
▼ ストーリー:ひと夏の少年少女の冒険譚 |
シナリオ担当は「灼眼のシャナ」を手掛けた高橋弥七郎さん。
購入してから気付いたので驚きました。
「シャナ」では原作未読でアニメ1期しか見たことがないため、この方の文章に触れるのは初めて。
本作の雰囲気に合わせているのかもしれませんが、いたってノーマルな文体ですね。
キャラクターの性格付けも突飛なものはなく、ストーリーも最初から最後まで予想できる範囲内。
良く言えば安定している内容で、悪く言えばちょっぴり刺激が足りないかなといった感じ。
▼ 音楽:全体的に地味な印象 |
アトリエシリーズといえば、良質な音楽に恵まれている作品というイメージを抱いています。
プレイはしていなくてもサブスクなどで聴いているお気に入りの曲はいくつかあります。
本作も結構期待していたのですが、目立ってコレだ!という曲は見当たらなかったかなぁ。
決して悪くはないのですけど、大人しい曲調が多くて前面に出てくる曲が少なかったですね。
おそらくフィールドや戦闘ではボイスやSEなどで音が混ざることで音楽だけを聴く場面がなかったのも原因だと思います。
事実、サントラで聴くと別の印象を抱きました。
こちらはまた後日記事を書きます。
★更新⇒「ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~ オリジナルサウンドトラック」
▼ DLC:オススメ度に差があり |
クリア後のキャラ育成も極めた後、悩みながらもDLCを購入しました。
買ったのは追加ストーリー5本と超高難度マップ「秘密の孤島」で、衣装やBGMはスルー。
早期購入特典であるライザの衣装「サマーアドベンチャー!」が別売されていれば考えたんですがね。
追加ストーリーはいずれも1~2時間程度で終わる内容です。
一応クリア報酬が本編データにフィードバックされるので全く無関係の番外編ではなかったのは良かったと思います。
■タオストーリー『糾える縄の如く』 オススメ度★☆☆
軽くネタバレになっちゃいますけど、シナリオに無理がありすぎました。
水路をそう簡単に止めることはできないし、止めたとしたら大事になります。
完全に水が引くまで時間かかるだろうし、釣りをするぐらいなのに魚が全滅するとは考えないのでしょうか。
追加ストーリーで唯一村の中を行動できるので、タオでNPCと会話を楽しめるのが数少ないメリットです。
■レントストーリー『本当の力』 オススメ度★★☆
追加ボスとガチンコ勝負ができるのが売り。
錬金は出来ないので用意された装備やアイテムなどで戦う必要があります。
なかなか痺れる戦いができるので、本作の戦闘が好きな人は購入してもいいと思います。
■アンペル・リラストーリー『終わった物語の、その先へ』 オススメ度★★★
他キャラと異なり本編クリア後のストーリーを追加専用MAPで楽しめます。
またアンペルの錬金術を操作できるだけでなく、ボス撃破のために自由度の高い戦略を練ることができます。
本編では語られなかった補足するもので満足感高めの内容でした。
■クラウディアストーリー『クラウディアのアトリエ』 オススメ度★★★
単純にクラウディアを操作できるだけでも嬉しい。
錬金術のような調合システムで「料理」を楽しめるのがポイント。
マルチエンディング搭載しており、料理結果に変化があるのも面白い。
■シーズンイベント『常夏の女王と秘密の隠れ島』 オススメ度★★★
常夏ビーチで浮かれ気分のライザ達を垣間見れるストーリー。
専用MAPと専用BGMが用意されていて、他の追加ストーリーと比べたら力が入っているなと感じます。
DLCの水着を購入していなくても、締め括りのエピソードでみんなの水着姿が見れるのは得した気分になれます。

四つん這いアクションのライザが見られるのはここだけ。
これだけでも買いたいと思う人はいそうですね。
■超高難度マップ「秘密の孤島」 オススメ度★★★
本編内で追加される隠しダンジョン的な位置付けで最強のボスと挑めるDLC。
新しい素材や錬金効果などが追加されており、最強装備やアイテム作成には必須です。
油断していたつもりはなかったのですが、2回全滅させられるほどの強敵でラストを締め括るのに相応しい相手でした。
▼ やりこみ要素:コンプリートに意味を見出せる人は楽しめます |
■レベル99、錬金レベル99、ゴールドカンスト、クエスト全クリア
クリア直後に難なく達成。
難易度を上げると獲得経験値が膨大になるので簡単にカンストしてしまいました。
■最強武具作成(DLC未購入時点)
これは時間かかりました。
素材の厳選をするために畑栽培やぷに育成をひたすら繰り返し。
素材のための素材集めからしているので果てしなく遠い作業でした。
しかし、そのおかげで文字通り装備品の能力値が桁違いにアップしたためやりがいはありましたね。
■隠しボス撃破
ようやく歯応えのある敵と戦えたというのが率直な感想。
戦闘システムもこの頃から本当の意味で理解し始めたといえます。
■トロフィーコンプリート
裏ボス撃破と共に達成。
攻略情報を見ずともコンプリートできました。
ちなみに、2021年2月現在で達成者は14.3%です。
■ラムローストくん2号
準備期間も考えると一番時間がかかったのが、戦闘練習モード「ラムローストくん2号」の最大ダメージ数。
報酬が貰える100万ダメージのハードルが高く、攻略情報を見ずに到達できる気がしません。
装備の品質をとことん追求し、バフとデバフを掛けまくって、緻密な行動パターンをようやく辿り着きました。
世の中には何百万ダメージを計測している人もいるそうですが、そこまではさすがにやりこめませんでした。
■図鑑コンプリート
アイテムとモンスターはほぼ意識することなくクリア。
問題だったのは錬金効果と特性。
図鑑を埋めていく作業も達成感を味わえるので、それなりに楽しめました。
ただ残念だったのはDLCを購入しないと100%にできないという点。
結果的に購入したので達成できましたが、そのためだけに買うのは抵抗あります。
▼ 総評 |

多少なりとも気になる点はあったものの総じて良作だったといえる完成度でした。
キャラやストーリー、戦闘システムなど全ての面で平均以上の出来で非常に楽しく遊ぶことができました。
説明不足気味なところもありましたが、新要素が追加されるたびにチュートリアルが入ったりと丁寧な作りを目指したことは伝わります。
初動だけでなく継続的に販売好調だった理由は、確かな中身が伴っていたからでしょう。
シリーズ初体験でしたが、買って良かったと思いました。
ちなみにプレイ期間中に発売された「ライザのアトリエ2 ~失われた伝承と秘密の妖精~」は既に購入済みです。
これは絶対2もやりたくなると思ったので、早期購入特典目当てで発売日に既に買いました。
他にもやりたいゲームがあるので一度離れる予定ですが、ライザに恋しくなったら始めてみるつもりです。
テーマ: ライザのアトリエ
ジャンル: ゲーム
タグ: ゲーム総評 ライザのアトリエ PS4| h o m e |