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明日へと続く記憶

アニメ、ゲーム、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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バッカーノ!1711 Whitesmile 

バッカーノ!1711―Whitesmile (電撃文庫)バッカーノ!1711―Whitesmile (電撃文庫)
(2011/12/10)
成田 良悟

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読書期間:2012/8/4~2012/8/9

【評価……B+
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
構成
期待感




 ★★★★★★★★☆☆ … 8
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8





 1711年、彼らはついに海に出る。新大陸に向け――。それぞれの心の中に吹き荒れる風を受けて――。
 マイザー・アヴァーロは探求の風。
 セラード・クェーツは野心の風。
 ヴィクター・タルポットは責務の風。
 ベグ・ガロットは研究心の風。
 東郷田九郎とザンクは義侠の風。
 グレットとシルヴィは逃避の風。
 ナイルは恩義の風。
 チェスは他人の風に吹き流されて……。
 多くの錬金術師が大海原へと旅立つ中、失意のヒューイ・ラフォレットは――。

 『不死の酒』を巡る馬鹿騒ぎ、“始まりの物語”の結末は――。
 中世を舞台にした異色作第3弾!!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


「バッカーノ!」シリーズ第17巻目。
ナンバリングされていないので分かり辛いですけど、ラノベとしては相当長編シリーズとなっています。

全ての始まり、アドウェナ・アウィス号。
船上で不死の酒を飲み交わした錬金術師たちが、いかなる理由でそこへ辿り着いたのか。
ここまで積み重ねてきた物語の原点ともいうべきエピソードが描かれた今回の内容。
面白くないわけがありません。

錬金術師オールスターといって過言ではない表紙からして豪華過ぎますね。
ヒューイが、エルマーが、マイザーが各々の想いと野望を抱き、船旅に出る経緯が遂に明かされています。
一体いつからここまで深く入り組んだ物語を頭に描いていたのでしょうか。
主要人物だけでも両手で足りない数いる中で、複雑に交差した人間関係を見事に綴っています。
この構成力は今更ながらに圧巻ものですね。

1930年代や2000年代の土台は、やはり1700年代に形成されたものでした。
全ては線で繋がっているとは、まさにこのこと。
その観点からすると、「バッカーノ!」の真の主人公はヒューイしか考えられませんね。
フェルメートがラスボス、エルマーがキーマン、ついでに言うとフィーロが第2作目の主人公って感じ。
エルマーは隠しボスになる可能性も秘めていますがね。
シリーズの決着は、馬鹿騒ぎらしく笑えるものだといいなぁ。

意外な過去が判明したキャラが何人かいましたね。
ヴィクターとセラードの乗船経緯は予想外でした。
そもそも二人に繋がりがあったことや、セラードが妙に現実派だったりしたことも驚き。
シルヴィの生い立ちも想像付きませんでした。
成程、ある意味変わっていないのはエルマーぐらいということか。
上手い見せ方ですね。

フェルメートの悪人っぷりと、エルマーの末恐ろしさが際立ちました。
イロモノ揃いである作品でも、飛び抜けて毒の強いのがこの二人ですね。
エルマーは特殊だとしても、フェルメートが天敵だと認識している対立関係が面白い。

ヒューイ、エルマー、フェルメートの3者から特別視されている彼女のその後が気になります。
哀しい結果にだけはなりませんように。

謎とされてきた登場人物達の心情や関連性などが次々と暴かれる過去編集大成

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  バッカーノ!  成田良悟  エナミカツミ  評価B+ 

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バッカーノ!1932-Summer man in the killer 

バッカーノ!1932‐Summer―man in the killer (電撃文庫)バッカーノ!1932‐Summer―man in the killer (電撃文庫)
(2011/06/10)
成田 良悟

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読書期間:2012/4/4~2012/4/8

【評価……B
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
構成





 ★★★★★★★★☆☆ … 8






 その夏、死を恐れる新聞記者は殺人鬼と出会い――死にたがりの少年は、不死者と出会った。

 1932年、NYの街を恐怖に陥れていたのは、『アイスピック・トンプソン』が現れるのは決まって雨の日。アイスピックを凶器に何度も何度も突き刺され、雨が血を流していく――。
 DD新聞社をはじめ、連続殺人鬼の記事や話題で持ちきり中、警察はグラハム・スペクターという不良少年に疑いをかける。一方、NYを訪れていたエルマーも殺人鬼にあたりを付け始め、グラハムと出会うことに。そして、自分の関係者が殺されていくガンドールたちも、徐々に事件の中心へと近づいていき……。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


「バッカーノ!」シリーズ通算16冊目。
1930年代でも時系列はまたまた遡って、2冊目となる1932年のエピソードになります。

元々、アニメDVDの特典として執筆された話を加筆して出版したものらしいです。
以前にもドラマCDの特典を通常販売されていましたが、この配慮は非常に有難い。
限定版などを買い揃えている人からすると、納得がいかないであろうとは思いますけどね。

連続殺人鬼が出没した街を舞台に、表と裏で多数の組織が関与し、思わぬ方向へと話が流れていきます。
思惑が入り乱れた結果、誰もが予想だにしない結末へと展開する構成は、もはやお手の物。
作者らしいパズル的な物語構造は、先が読めそうで読めないバランス加減が面白く、単に物語を受け止めるだけではなくて、楽しませて貰っている気分になれます。
さすがに、これだけの数を読んできたら、無闇に死人を作らず、哀しみを悲劇ではなく喜劇に変える作風が得意だというのは百も承知です。
おかげで、読了感が良く楽しめますね。

既存キャラで物語の中心に存在するのは、表紙にも登場するエルマーとグラハム。
登場人物が多過ぎる作品ですので、もはやどこで交流があるのか覚えきれなくなってきました。
最初、この二人が出逢っていたことに驚きましたが、考えてみれば気が合いそうな性格してますよね。
異常気質を持った人間同士、共感する部分があったようです。

しかし、どちらかといえば、彼らは傍観者というか付添人みたいな感じかな。
殺人鬼を軸として、新キャラが物語を動かしています。
ただでさえ、一部キャラ背景を忘れつつあるのに、これ以上増やされると、理解が遠のいてしまいそう。
人物関係図が欲しくなってきました。

一つの事柄に集結していくのではなく、小刻みにどんでん返しがあるような印象でした。
推理する楽しみもあると思いますけど、バカ騒ぎに乗っかって、まんまとミスリードに騙されるのも楽しくなります。

残すところ「バッカーノ!」シリーズは3シーズンだそうで。
これだけ撒き散らした伏線と相関図をどのように回収してくれるのか。
期待したいと思います。

断片的な情報で紡がれる得意の群像劇が先の展開を渇望させます

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  バッカーノ!  成田良悟  エナミカツミ  評価B 

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バッカーノ!1710 Crack Flag 

バッカーノ!1710―Crack Flag (電撃文庫)バッカーノ!1710―Crack Flag (電撃文庫)
(2010/04/10)
成田 良悟

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読書期間:2011/6/16~2011/6/20

【評価……B
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
構成
世界観
ロマンス



 ★★★★★★★★☆☆ … 8
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7




 全ての発端は1707年。
劇作家でもあるジャンピエールが、友人のマイザーを通じてフェルメートという錬金術師に出会ってしまったことがきっかけだった。
『不老不死』という言葉に釣られ、マイザーはベグやチェスと知り合い錬金術に魅入られていき、ジャンピエールは自分のファンというフェルメートに魅入られていった。
 そして二年後の1709年。
未だ錬金術を学ぶヒューイは、過去に囚われつつも徐々にモニカとエルマーに心を開き始めていた。
だが、この街の異物を探ろうとする使節団の来訪とジャンピエールの書いた新しい劇によって、ヒューイたちにも暗い過去の影が忍び込んでいく――。
 馬鹿騒ぎの始まりに迫る異色作第2弾!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


「バッカーノ!」シリーズ通算15冊目。
1700年代としては、2冊目になります。

ロットヴァレンティーノの街で起こった一連の「仮面職人」事件から数年後。
ヒューイモニカエルマーの3人は少年少女から青年へと成長しつつあった。
そんな彼らに、不穏な影が舞い込む――というストーリーです。

これまでで最も異色であり、タイトルの馬鹿騒ぎに偽りのある回でした。
刊行順に読んでいれば、ヒューイとモニカの辿る運命は既知と言ってもよくて、覚悟して読んだ人も多いかと思います。
とんでもないことをあっさりと描かれる傾向がある作品ですが、この巻は重かったです。

ヒューイって、こんなに人間味溢れる性格をしていたのか。
1930年代の彼を見ていると、感情はあっても無機物的でしたからね。
モニカとの関係も、もっと機械じみた理論の結果なのかと思いきや、随分と情熱的で驚きました。

だからこそ、分かっていてもこの結末は哀しくなりますね。
胸に鋭利な刃物が突き刺さるかのような痛みがあります。
作者が堪えるぐらいですから、相当ですね。

それにしても、フェルメートの外道っぷりには、嫌悪しか抱きません。
犯罪に手を染めたり、人を簡単に殺めたり、馬鹿な連中は山ほど出てくる作品ですけど、コイツの場合はタチが悪過ぎる。
チェスとの一件を思い出してみても、ヒューイが可愛く思えるぐらいの悪役ですよ。
裏から掻き乱す存在なので、物語を面白くしてくれるのは確かなんですが、感情的には胸糞悪いという複雑なキャラです。
最終的には、きっと盛大に転ぶのでしょうが、フェルメートが痛い目を見る想像がつきませんね。

マイザーベグチェスなど後に不老不死を手に入れる錬金術師たちの若い頃の姿もあり、どのような流れで踏み込んで行ったのか、少しずつ暴かれていく過程も興味深いですね。
特に、マイザーの変貌ぶりは急激でした。
これはまた今後に裏エピソードが挿入されそうな予感がしますね。

久しぶりに読んだ1700年代ということもあって、すぐには思い出せない内容もありました。
ここが「バッカーノ!」シリーズ最大かつ唯一明確な欠点ですね。
構成が入り乱れているのが面白く興味をそそられるのですが、通して読んでいないと忘れてしまいます。
読みなおせよと言われればそれまでなんですが。

次の1700年代は1711年らしいですが、いよいよ錬金術師が結集する話になるっぽいですね。
どう考えても仲良くやれるわけがない面子が、いかにして揃ったのか気になります。

人を信じることができない人間が芽生えた愛情に戸惑いながらも大切にしようとする物語

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  バッカーノ!  成田良悟  エナミカツミ  評価B 

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バッカーノ!1931 臨時急行編 Another Junk Railroad 

バッカーノ!1931 臨時急行編―Another Junk Railroad (電撃文庫)バッカーノ!1931 臨時急行編
―Another Junk Railroad (電撃文庫)

(2009/01/07)
成田 良悟

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読書期間:2011/2/26~2011/2/28

【評価……B
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
構成





 ★★★★★★★★☆☆ … 8






 【マンハッタンで待ちます。何時までも貴方を待ちます。どうか探してください】
 発端は大陸横断特急の屋根に刻まれたシャーネの言葉だったのか、グラハムが兄貴と慕うラッドが列車から落とされた瞬間だったのか、もしくは意外な不死者が乗車していた事実に気付かなかったことだったのか――?
 そして終点は本当にニューヨークなのか、DD新聞社副社長のボヤきなのか、不良少年達の友情物語なのか、それとも――実は始まりに過ぎなかったのか?
 ジャグジーたちと共に暮らすことになったシャーネと彼女を探し続けるクレア。
二人が出会う幻の『1931 回想編』に、多数の後日談を大幅加筆して登場!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


「バッカーノ!」通算14冊目。
ドラマCDの特典「回想編」に100ページほど加筆された内容となっているそうです。

2,3冊目で描かれた1931年代のフォローをするエピソードが挿入されるとは思いませんでした。
フライング・プーシット号事件は、構成やキャラ配置が見事で、印象深い回だったんですよね。
その後の話や、あの列車にまつわる隠された物語を読むことが出来て、素直に嬉しいです。

何故このタイミングに1931年代なのかというのは、読む前に想像した通りでした。
随分と長い間、伏線を張り続けていましたねぇ。
ただ、まだあくまで触りの段階なので、やはり1935年代に突入しないと本当の意味で開花はしません。

それよりもこの巻の醍醐味は、クレアとシャーネの再会でしょうね。
いかにしてクレアがシャーネを落としたのか、遂に明かされます。
何というかもう自由というか、何でもアリだよなぁ、この男はw
そういうところが大好きですが、パワーバランス崩壊しすぎだろうw

グラハムは、この時代から関わっていたのかー。
アニメやドラマCDはスルーしていたので、この巻の口絵を見るまで知りませんでした。
独特の台詞回しが耳に残るキャラで、初登場時からお気に入りのキャラです。

懐かしい人物も再登場したりしていて、補足的な意味合いでは満足度は高めです。
シナリオ自体に大きな進展があるわけではないものの、人間関係の繋がりを読むのが楽しいシリーズなので、たまには遡ってみるのもいいのではないでしょうか。

「バッカーノ!」シリーズを読み始めたのが、この巻が出る数ヶ月前でした。
2年以上かけて、ようやく当時の最新刊まで追いついたわけですが、当然その間にも新刊は出ます。
まさか、あれから2冊しか新刊が出ないとは予想していませんでしたね。
次巻で追いついてしまうのが、ちょっぴり寂しいです。

1931年代の流れで読むとネタバレを食らうので、発刊順に読むことをお薦めします

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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バッカーノ!2002【B side】 Blood Sabbath 

バッカーノ!2002「B side」―Blood Sabbath (電撃文庫)バッカーノ!2002「B side」―Blood Sabbath
(電撃文庫)

(2007/11)
成田 良悟

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読書期間:2010/11/13~2010/11/22

【評価……B
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
構成
衝撃度




 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7





 私の名前はコピーキャット。
 私は単なる模倣犯。
 模倣すべきは悪意と偶然。
 一つの世界を再現しましょう。
 あの時の豪華列車を再現しましょう。
 閉じられた世界を再現しましょう――。

 双子の豪華客船は未曾有の危機に瀕していた。シージャックされていくチェスの乗る『エントランス』。だが、そこに衝突しようと迫るもう一方の『イグジット』は、狂信者や『仮面職人』などの不死者を狙う輩により壊滅的状況に陥っていた。その船上に存在したモノとは――!?惨劇のフィーロの新婚旅行の行方は――!?そして、物語は核心へと近づいていく――。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


「バッカーノ!」通算13冊目。
2002年代の下巻にあたります。

いつもと比べると爽快感は、ちょっと欠ける内容だったかなぁ。
【A side】から温め続けていた話を、中途半端な温度で解凍してしまったかのような印象を受けました。
本来【C side】まで描かれる予定だったものを、無理やり2冊にまとめいるという事情により、400Pを超える本の割には味気ない解決編となってしまっていますね。
編集部の意図は読めませんけど、これは勿体無い。

飛ばし気味で物足りなさを感じるものの、構成はさすがで、きちんとまとまっています。
それに今回の目玉は、最後に控えている余章にありますしね。
そう考えると長い前座だことでw
なるほどなぁ、これが書きたかったために、この上下巻を――いや、シリーズを続けていたわけか。
確かに、ラスト数十ページで明かされる秘密には驚きました。

ただ、それだけに「なかがき」は避けてもらいたかったなぁ。
途中でインターバルを挟まずに、一気に最後まで読ませて欲しかったです。
もし未読の人がいるのであれば、余章を読了後に「なかがき」を読むことをお薦めします。

とにかく、ストーリーよりもキャラ紹介であるとか、シチュエーションを重視した回だったように感じられました。
大きな動きを期待できるのは、次からですかね。
1700年代、1930年代の続きも気になります。

伏せられていた事実が明るみになったときの衝撃は凄かった

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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バッカーノ!2002【A side】 Bullet Garden 

バッカーノ!2002「A side」―Bullet Garden (電撃文庫)バッカーノ!2002「A side」―Bullet Garden (電撃文庫)
(2007/10)
成田 良悟

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読書期間:2010/6/26~2010/6/28

【評価……B
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
構成
期待感




 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7





 私の名前はコピーキャット。
 私は単なる模倣犯。私はしがない犯罪者。
 さあ、繰り返そう。
 あの事件を繰り返そう。
 あの時の事件を真似ましょう。
 観たかったものを観る為に――。

 フィーロとエニスの『新婚旅行』に同行し、チェスは日本に向かう豪華客船に乗り込んだ。太平洋上のど真ん中で同型の双子の船とすれ違うイベントもある超豪華客船。その船に乗り合わせたのは、ハリウッドスターやスタントマンの少年、密航者の子供達に加え、船を占拠し始める謎の集団と彼らを追う『猟犬』など。だがチェスを追いつめるのは、どこか感じる『違和感』だった。その正体は――!?

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


「バッカーノ!」シリーズ、第12弾。
連番となっていないため分かり辛いですが、いつの間にか結構な巻数となっていますね。

さて、今回は2000年代シリーズの初となる2巻にまたがった長編になります。
「2001」は、構成の捻りを抑え気味のストーリーが印象的でしたが、「2002」はいつものノリに近い内容となっていますね。
「1931」の大陸横断特急「フライング・プッシーフット」で起きた事件を模倣した何者かの意図がキーとなる今作。
移動する閉鎖空間内で、多種多様な人物の野望や想いが交差する様を見ていると、懐かしさを覚えます。
そして、70年の間に変化した事柄が判明するだけでも、ワクワクとさせられますね。

うん、面白かったです。
ただ、【A side】だけで話が完結していないため、中途半端感もありますね。
「1931」の鈍行編・急行編は、単体で読んでも完成されているところが凄かったのですが、「2002」は表裏というよりも、普通の前後編に近いもののようです。
まだ【B side】を読んでいないので、確証はありませんけどね。
そういう意味でも、続きを読んで初めて評価を決められるのかもしれません。

不死者であるフィーロたちが変わらない一方で、新たに登場した人物が1930年代の主要人物たちの子孫だったりしていて、なかなかニヤリとさせてくれます。
その中でも、表紙のセンターにもいる赤髪&金色の瞳が特徴的なクローディアはいいですね。
一言でいえば、すっごい「らしい」ですw
絡みも安心感と新鮮さが混じり合うもので、読んでいて楽しかったなあー。

それにしても、フィーロとエニスの初々しさは、まさに新婚さんでした。
とても70年の付き合いがあるとは思えませんw
不死の酒を飲まなかったら、一体どうなっていたやらw

しかしながら、本当にキャラが多くて大変ですね。
名前だけでもすぐに思い出せないことが増えてきましたよ。
プロットを作らないタイプと作者自身仰っていますが、一体どういう脳を持っているんだろうか。

やっていることは殺人や犯罪であるのに、何故か愉快なバカ騒ぎになるのがシリーズの特色ですね。
話が思ったよりも進まなかったので、前半というより序章に近い内容だった感じがしました。
次巻である【B side】に期待するしかないですね。

時代が変わっても、ちょっぴり間抜けなバカ騒ぎは良い意味で変わらない

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  バッカーノ!  成田良悟  エナミカツミ  評価B 

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バッカーノ!1705 The Ironic Light Orchestra 

バッカーノ!1705―The Ironic Light Orchestra (電撃文庫)バッカーノ!1705―The Ironic Light Orchestra (電撃文庫)
(2007/07)
成田 良悟

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読書期間:2009/12/13~2009/12/18

【評価……B
発想 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
ミステリー ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6

1705年、イタリア地方都市。15歳の誕生日を迎えたヒューイ・ラフォレットは人生に退屈し、同時に絶望もしていた。全てに無関心で世界の破壊のみを考える少年が住むこの街では、奇妙な連続殺人事件が起こっていた。噂されるのは白い仮面を纏った『仮面職人』という怪人の存在。目撃者は次の被害者になるという。
街が不穏な空気に包まれていく中、ヒューイの身辺に新たな異分子が入り込む。錬金術を教える学舎の同窓であり、ヒューイに恋心を抱くモニカ。『仮面職人』に目撃して殺されることを諦観しているニキ。そして、全ての人の幸せばかりを願うエルマー。彼らと連続殺人事件が絡み合う時、ヒューイの「世界」は変わるのか――。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


シリーズ通算11冊目。
過去編ともいえる1700年代の初エピソードとなっています。

安定して面白かったです。
明らかに序章かつ種蒔き回でしたが、伏線を張りつつ一本の物語を完成させているところは、さすがですね。

まず盤上に多くの駒を設置し、一見関連性のない要素を結びつけて舞台を賑わす手法が作者のパターンですが、今回は微妙に異なりますね。
大抵の場合、駒=人物であるがゆえにキャラ数が半端なく増大していくばかりですが、この話では不確定要素を混ぜることでストーリーの先を読ませないようにしてあります。
そのおかげでミステリー的な楽しみが増え、いつもと違った面白味がありますね。

登場人物が絞られているといってもシリーズ内では比較的少なめというだけであって、一般的なラノベとは比べるもなく多数のキャラクターが出てきます。
中には1930年代で見慣れた人物の変わらない姿や、逆に若々しい姿を垣間見ることが出来て嬉しかったですね。

そして、今回の主役に抜擢されたヒューイのキャラクターに深みが与えられたのは大きなポイントになりそうです。
これまでは謎の多い悪役でしかありませんでしたが、彼の生い立ちや苦悩、捻くれた考え方などを知ってしまったあとでは単純に敵として切り捨てることもできません。
1930年代の結末が今から心配になってきました。

それに対して、エルマーは幼くてもあまり変わりがありませんね。
笑顔中毒者の名らしく、他人の幸せを異常なまでに追求する様は怖いというよりもあくどいなと感じました。

ちなみに、一番のお気に入りは新キャラのエスペランサ
紳士なのに女好き、だけどカッコイイというよく分からないところに惚れましたw

あとは刊行スピードさえ早ければ文句なしなんだけどなー。
一気読みすることで面白さが増す作品であるだけに、惜しいなって毎回思います。

のちに集うこととなる錬金術師たちのファーストコンタクトが興味深い

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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バッカーノ!1934 完結編 Peter Pan In Chains 

バッカーノ!1934 完結編―Peter Pan In Chains (電撃文庫)バッカーノ!1934 完結編―Peter Pan In Chains (電撃文庫)
(2007/04)
成田 良悟

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読書期間:2009/6/12~2009/6/15

【評価……B
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
構成 ★★★★★★☆☆☆
 … 7

アルカトラズを出所し、シカゴでミリアと落ち合うことになったアイザック。
爆破事件を聞きつけてミリアと共にシカゴに戻ることになったジャグジー一行。
ヒューイを殺すために刑務所の奥で暴れ始めたラッドと思惑を秘めたフィーロ。
少しずつ狂い始めているレイルと、それを止めることが出来ない吸血鬼の面々。
他人の迷惑を省みず、ひたすらに喧嘩を楽しむグラハムとクリストファー。
そして、高みの見物をする権力者たち。

三百箇所同時爆破と二百人の失踪事件。殺し屋と不死者を巡る騒動。混乱をきたず舞台に、全ての役者がそろった時、それぞれの配役が動き始める。そして、彼らの運命を弄ぶ者とは――!?

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


「バッカーノ!」1934年代三部作、第3弾。

完結編と銘打ってますが、全ての謎が明かされるわけではありません。
シリーズは続くのだから当然ではあるのですが、もうちょっと色々なことに片が付くと思っていたのですがね。

アルカトラズで起きた囚人達の騒動。
シカゴで起きた爆破事件。
離れた場所で巻き起こった2つの大きな流れが、物語の絶頂を迎え、次第に収束していきます。

これまで使われた手法とは少し異なる構成となってますね。
複数のシナリオを絡ませて、大きな一本のストーリーとして見せるのがこのシリーズの特徴でしたが、今回はあくまでアルカトラズとシカゴの2つの場所で起きた事件を同時に追っています。
そして、時には関連性を見せつつも、それぞれの「完結編」を描ききっています。
そのため、登場人物が面白おかしくすれ違う爽快感は、残念ながらあまり感じられません。

しかし、群像劇としてのレベルは高く、面白い。
これだけ多くの登場人物たちを、しっかりと見せ場を作りつつ描いて見せているのは、あっぱれと言うほかありません。

方向性は異なれども、壊れたキャラ満載の中、ルネの異常性が際立ちますね。
朗らかな顔をしながら冷酷で残虐な判断を下す彼女は、他の人物とは一線を画しているように感じられます。
いや~な性格してますなぁ。

獄中組のフィーロ&ラッドのコンビが漂わせる危険な香りにハラハラさせられました。
ラッドがいつスイッチ入るか分かったもんじゃないですからね。
不死者のフィーロの方が圧倒的優位のはずなのに、このギリギリ感はラッドが生み出す殺意が尋常じゃないからかな。

キャラ名を出すとネタバレになるので伏せますが、今回で何人か驚きの事実が判明してます。
裏をかかれたり、人物関係が複雑になったりと、忙しいったらありゃしない。
本当にこれは収拾がつくのでしょうかね?

エナミカツミさんの絵は、毎度一定のクオリティを誇っていて素晴らしいですね。
ただ、大詰めの段階で文章ではなく絵でネタバレするのは避けて欲しかった。
これは編集のミスですねぇ。
せっかくの良シーンが勿体無かった。

いくつかの伏線は消化されましたが、新たな謎も生み出されて、やはり先が気になることには変わりがありません。
まだ既刊作品は残ってますけど、「バッカーノ!1935」は出てないんですよね。
うーん、現行作品に追いつくまでに出ていればいいなぁ。

一つの区切りであり、次なる物語への布石でもある1934年代完結編

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  バッカーノ!  成田良悟  エナミカツミ  評価B 

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バッカーノ!1934 娑婆編 Alice In Jails 

バッカーノ!1934 娑婆編―Alice In Jails (電撃文庫)バッカーノ!1934 娑婆編―Alice In Jails (電撃文庫)
(2006/12)
成田 良悟

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読書期間:2009/6/1~2009/6/11

【評価……B
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
期待感 ★★★★★★☆☆☆
 … 7

副社長と新人カメラマンは情報を得るためシカゴの街へ。
奇妙な集団はヒューイの命令で大事に備えて密かにシカゴの街へ。
破壊魔はルッソ・ファミリーに誘われ、ラッドの代わりにシカゴの街へ。
研究者は会社があるのでシカゴの街へ。
吸血鬼は友達のためにシカゴの街へ。

曲者達が刑務所にいる間、一方のシカゴでは全土を揺るがす大事件が巻き起ころうとしていた。三百箇所に仕掛けられた爆発物。同時に併発した二百人以上の失踪事件。すべてが繋がりを始める時、娑婆の空気を塗り替える者とは――!?

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


「バッカーノ!」シリーズ、1934年代の第2弾。
3巻構成の真ん中に当たる部分になりますが、位置づけとしては中巻ではなく上巻その2として捉えるのが正しいようです。

「獄中編」の裏で起きているもう一つの流れを取り上げられています。
そのため「獄中編」の伏線が解消されるわけではなく、むしろ新しい伏線を積み上げられるものとなっており、前回の続きが知りたい人にとってはヤキモキさせられます。
構成力については、今更疑いようもない腕をもった著者ですが、さすがにこんなにもネタを仕込んで、ちゃんと処理できるのかなと心配になりながら読んでいました。

評価としては、んー、まぁそこそこといったところかなぁ。
単品であれば落ち度はないのですが、シリーズを比較評価すると、ちょっと微妙だったかもしれませんね。

まず、このタイミングで新キャラが大量投入されるのは、正直かなり厳しかった。
登場人物がどんどん増えていくのは、いつものことといえばそうなんですが、「獄中編」が珍しく既存キャラ主体で話が進んだこともあって、急に読み辛くなった印象を受けました。
これが「獄中編」と「娑婆編」の順序が逆だったらもう少しマシだと感じられたんだけどなぁ。
「獄中編」で昂ったテンションを一旦リセットされてしまったのは、勿体なかったです。
どうしても、人物紹介でページを使わざるを得ませんからね。

まぁ、新キャラ自体は悪くはないです。
特に、グラハムリカルドがお気に入り。
個性の強いキャラばかりの今シリーズでも、埋もれずに済みそうです。
ラミアの面々は取っ付きにくい奴らばかりで困りましたが、その分クリストファーが頑張ってくれますし問題ないでしょう。
グラハムやリカルドと絡むクリスは、皮肉にも人間っぽくて面白かったです。

あと、DD社副社長・ギュスターヴと新人カメラマン・キャロルのコンビも見ていて楽しかった。
今後の活躍に期待したいですね。

ストーリーは、追い詰める側と追い詰められる側が予想とは反対で、意外性があって良かった。
展開の妙を見せるのが巧いなぁ。
完結編への期待が、いやがうえにも高まります。

読み終わるのに時間かかってますが、これは個人的事情のためであり今作とは関係性はありません。
とはいえ、「獄中編」と比べると、取っ付きにくさは多少あるのは否めませんけどね。

種蒔きの回で面白みに欠ける面もあるものの、開花を期待させるものはあります

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  バッカーノ!  成田良悟  エナミカツミ  評価B 

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バッカーノ!1934 獄中編 Alice In Jails 

バッカーノ!1934獄中編―Alice In Jails (電撃文庫)バッカーノ!1934獄中編―Alice In Jails (電撃文庫)
(2006/10)
成田 良悟

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読書期間:2009/5/29~2009/5/31

【評価……B
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
期待感 ★★★★★★☆☆☆
 … 7

若手幹部は『ミストウォール爆破事件』の参考人である恋人をかばって刑務所に。
殺人鬼はヒューイという『不死者』を殺す快感を求めて刑務所に。
泥棒は普通に逮捕され刑務所に。
名前を譲った殺し屋はネブラの社長に依頼され刑務所に。
錬金術師は最初から刑務所に。

サンフランシスコ湾の沖合いに浮かぶアルカトラズ刑務所に、一筋縄ではいかない男達がそれぞれの目的を抱えて集う。
一方、NYに残された者やFBIも何かを求めて動きだす。まるで全ての事象が一つに繋がっているかのように……。
そして、最悪の事件の幕が開ける――。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


「バッカーノ!」シリーズ、1934年代三部作の第一弾「獄中編」。

普通に面白かったです。
まぁ、普通以上の面白さが期待できる作品なので、物足りなかったとも言えますが。

あの脱出不可能な刑務所として有名なアルカトラズ島が舞台となっています。
馬鹿騒ぎが好きな連中が、そんな危険な場所に集まったらどうなるやらと思っていたら、予想に反して地味な内容でした。
派手な展開が多い今シリーズでは、珍しいですね。

終盤は、お得意のミスリードが炸裂しています。
またしても見事なまでに引っかかってしまいました。
この爽快感は病みつきになりますね。

今回の登場人物の多くが既存キャラということもあって、いつもに比べ読みやすかったです。
どうしてもプロローグでキャラの生い立ちなどを紹介するときに、壁を感じることが多いのでなおさら。
フィーロが中心にいると物語が入り込みやすいなぁと実感しました。

陽気な馬鹿コンビのアイザックとミリアは、いつも通りの面を見せつつ、意外な一面もあって興味深かった。
やっぱりこの二人がシリーズで一番好きなキャラだなぁ、うん。

しかし、「鈍行編」「特急編」のように今回の話の裏側でもう一つ大きな事件が起きていることは分かるんですが、今巻の話自体が綺麗に収まっていないので何だかしっくりときませんね。
どちらかというと大作の序章を読んでいるような印象でしょうか。
「獄中編」だけでは評価がし辛いと感じました。

ところで、この「獄中編」は前作から2年振りの刊行だったそうですね。
3ヶ月振りに読んだ自分でさえ、キャラを思い出すのに苦労したくらいですから、リアルタイムで読んだ人は大変だったんじゃないかなぁ。
これは、シリーズ完結してから手を出すべきだったかもしれません。
そうすれば、忘れるようなこともなく一気に読めましたからねぇ。

読むときは三部作まとめて一気に読了することをお勧めします

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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バッカーノ!1933 THE SLASH ~チノアメハ、ハレ~ 

バッカーノ!1933〈下〉THE SLASH チノアメハ、ハレ (電撃文庫)バッカーノ!1933〈下〉THE SLASH チノアメハ、ハレ (電撃文庫)
(2004/11)
成田 良悟

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読書期間:2009/3/2~2009/3/5

【評価……B+
舞台 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
オススメ度 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
構成 ★★★★★★★★☆☆
 … 8

ティムは過去を捨てた男だが、兄を忘れた事はなかった。
ダラスはどうしようもないチンピラだが、妹だけは護りたかった。
クリストファーはとてつもない変人だが、なぜか自然を敬っていた。
『葡萄酒』は最強最悪の、マジで婚約者を愛していた。
刃物使いたちの死闘に呼び寄せられたキレた奴ら。血の雨が止む時、雲間から覗く陽光を浴びるのは誰だ――?

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


「バッカーノ!1933」後編。
400ページを超えているのに、ビックリするほどすっきりと読めます。
それは決して内容が軽いという意味ではなく、目が離せない展開の連続で途中で本を置くことを躊躇わせるということです。

やはり面白かったですね。
想像以上のものだった、というわけではないですが、期待通りの出来栄えでした。

上巻でキャラ紹介のターンは終わったかと思いきや、さらに新キャラ登場してきます。
それだけに留まらず、旧キャラも容赦なく再登場してます。
今のところ月1のペースで読んでいるので大丈夫ですが、最新刊に追いついてしまった後、数ヵ月単位で新刊を待つ状態になったら、絶対に覚えている自信ありません。
「バッカーノ!」シリーズは、完結してから一気に読むべき作品なのかもしれませんね。

この作品にしては珍しく、戦いに重点を置いるのが新鮮でした。
抗争を描いていても、実際にドンパチしているシーンは意外と少なかったりしたんですよね。
ほとんどの場合、形勢が偏っていたり実力に差があったりして、バトルの緊迫感は薄かったんですけど、見せ方が巧くて飽きることなくドキドキしながら読むことができました。

多くのキャラが登場しますが、その中でも『葡萄酒』のインパクトは群を抜いています。
まさに反則。
もちろん大好きなんだけど、他のキャラの立つ瀬がなくなるから抑えて欲しいw
主役はチック&マリアだったはずなのに、いつの間にかにクレア&シャーネに変わってないかと錯覚しましたよw

やっぱり、役者が集結していく様が何よりも楽しいですね。
偶然の出会いから、必然の衝突に移行する流れが、いやがうえにもテンションを高めます。
魅力あるキャラ達の掛け合いに惹きつけられたら、あとは一気に読んでしまいますね。

このシリーズは雰囲気作りが上手いので、本の中の世界に浸ることができるんですよねー。
良作だなぁと改めて思いました。

最後に注意。
この本には「あとがき」がありません。
1933年の話が終わった後に「なかがき」が存在し、「余章、あるいは次なる序章」として次巻への繋ぎのエピソードが入っています。
あとがきから読む癖のある人は気をつけた方がいいですよ。
ラスト付近にあるイラストの一枚を先に見てしまった者からの助言です。

広げた風呂敷をきっちりと畳みこむ手腕はお見事

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  バッカーノ!  成田良悟  エナミカツミ  評価B+ 

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バッカーノ!1933 THE SLASH ~クモリノチアメ~ 

バッカーノ!1933〈上〉THE SLASH クモリノチアメ (電撃文庫)バッカーノ!1933〈上〉THE SLASH クモリノチアメ (電撃文庫)
(2004/09)
成田 良悟

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読書期間:2009/2/27~2009/3/1

【評価……B+
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
オススメ度 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
構成 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
期待感 ★★★★★★★★
 … 9

鋏使いのチックは無邪気に人を斬る。見えない“絆”がどれだけ傷みに耐えられるかを確かめる為に。
刀使いのマリアは陽気に人を斬る。この世に斬れないものなど無い事を信じる為に。
槍使いのアデルは慇懃無礼に人を斬る。ただ存分に暴れたいが為に。
ナイフ使いのシャーネは無言で人を斬る。自分の仲間を傷つける者を排除する為に。
刃物使い達の死闘は雨を呼ぶ。それは、嵐の予兆――。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


いやはや、これは面白いわ。

前回は毛色が異なっていたけど、今回は複雑に絡み合った人間関係が面白いようにすれ違い続ける成田さんお得意のパターンが戻ってきました。
まぁ、前のも悪くはないと思いますが、やっぱり「バッカーノ!」はこうであって欲しいなと思いますね。

増加数こそ抑え気味ではあるものの、登場人物が本当に多い作品だなぁ。
一部すぐには思い出せないキャラたちもいましたよ。
冒頭にキャラ紹介ページが設けられていますので、それで思い出すことは可能です。
しかし、ここはあえてキャラ紹介を飛ばして読むことを推奨します。
誰が出てくるか分からないからこそ、登場した時の驚きが楽しみに変わります。
実際、自分は後から読んで正解だったと思いましたね。

前半でたっぷりと登場キャラの背景を描き、後半で一堂に会する、たったそれだけのことが面白い。
お笑い芸人のアンジャッシュの勘違いコントが好きな人にはお勧めできそう。
あのネタを禁酒法時代のアメリカでやってみました、というのがこの「バッカーノ!」シリーズですね。

エナミカツミさんの絵は相変わらず……いや、上達してますね。すげえ。
これだけのキャラを被らずに描き分ける腕には脱帽です。
挿絵が欲しいなと思ったタイミングにイラストがあって、ライトノベルの文章と絵の融合が成功しています。

初めての上下巻(1931の「鈍行編」「急行編」は二部構成であって上下巻ではなかったという認識)です。
下巻への橋渡しとなる接続章が煽りまくりで正直たまりません。
これで期待するなというのは無理ですから!
wktkが止まりませんねっ。

人が集うたびに事態がややこしくなる展開がおかしくてたまりません

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  バッカーノ!  成田良悟  エナミカツミ  評価B+ 

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バッカーノ!2001 The Children Of Bottle 

バッカーノ!2001―The Children Of Bottle (電撃文庫)バッカーノ!2001―The Children Of Bottle (電撃文庫)
(2004/02)
成田 良悟

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読書期間:2009/2/1~2009/2/5

【評価……B
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
オススメ度 ★★★★★★★★☆☆☆
 … 7

その不死者の名はエルマー・C・アルバトロス。“笑い”に異常な執着を持ち、ハッピーエンドの為なら手段を選ばない『笑顔中毒者』である。
三百年前に別れたその男を捜して北欧の森を訪れた4人の不死者たち。そこには古びた小さな村があった。突然現れた来訪者に敵意の眼差しを向ける村人たち、なぜか彼らに“悪魔”と恐れられているエルマー、そして不思議な少女――。
謎に満ちた村で繰り広げられる、『バッカーノ!』異色作!

【感想】


「バッカーノ!」シリーズ、5作目。
これまでの作品と比較すると、大人しい印象でしたね。

良く言えば、普通に面白かった。
悪く言えば、普通。
成田さんの色はほとんど出ておらず、平凡なストーリーとなっています。
しかし、特に物足りなさを感じることもなく、つまらないどころか楽しく読むことができました。

「バッカーノ!」シリーズの醍醐味といえば、多くの登場人物を盤上に配置して、交錯するたびに起こる化学反応を楽しむことという認識で間違いないと思います。
その点において、今作では驚くほど静かですね。
多少ミステリ調になっているものの、ほぼ一本道と言っていいんじゃないでしょうか。
奇をてらった構成ではなく、ストーリー重視の直球勝負となっていて、物語に集中できます。

舞台が1930年代から急に21世紀に飛びましたが、閉鎖的な村の話というこもあり現代的な要素はあまりないですね。
ネタバレになるので詳細は誤魔化しますけど、なるほど、こちらの方に話を広げてきましたか。
不死者を起点に新しい展開が始まっていて、なかなか興味深かったです。

前作までに培ってきた土台があること、そして今回蒔かれた種を回収してくれる信頼感があるからこそ、安心して読むことができたのだと思います。
きっと単独で読んでも、これは大して面白くないでしょうね。
おそらく先を読み進めるにつれて、評価が上がっていく作品となるんじゃないかなという予感がしています。

「バッカーノ!」シリーズとしては異色だが、一般的にはこれが普通の小説

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  バッカーノ!  成田良悟  エナミカツミ  評価B 

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バッカーノ!1932 Drug & The Dominos 

バッカーノ!1932―Drug & The Dominos (電撃文庫)バッカーノ!1932―Drug & The Dominos (電撃文庫)
(2003/10)
成田 良悟

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【評価……B+
舞台 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
構成 ★★★★★★☆☆☆
 … 7

第9回電撃ゲーム小説大賞<金賞>受賞の「バッカーノ!」シリーズ第3弾。
錬金術師ベグは自らが作り出した麻薬が人間を最高の世界に導くと信じていた。
麻薬中毒者ロイは薬漬けの生活から抜け出そうと葛藤していた。
ルノラータファミリーの幹部グスターヴォは失敗続きのビジネスに苛立っていた。
ガンドールファミリーの幹部ラックはこれから激化するであろう抗争の予感を抱いていた。
少女イヴは無き者にされた兄の仇を討つ決意を胸に秘めていた。
それぞれの生き様が交錯する時、運命はドミノ倒しの様に連鎖し、そして――。

【感想】 <前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


「バッカーノ!」シリーズ第3弾にして第4巻。
毎回違う事件を扱っているのに、このクオリティの安定は素晴らしいですね。

時間軸は第2弾が「バッカーノ!1931」なので1年後の話かと思いきや、その前後のお話となっています。
「バッカーノ!1931」でも見え隠れしていたガンドールファミリーとルノラータファミリーの抗争が今回のストーリーの主体。
ガンドール三兄弟がクレア・スタンフィールドを呼び寄せるに至った事件から物語は始まります。
単体でも読めるとは思いますが、「バッカーノ!1931」を読んでいるとリンクしているところもあってより一層楽しく読めるので、当たり前ですけど順番通りに読むことをお勧めします。

それにしても、作者もあとがきで述べているように、これまで以上に主人公不在の作品になってますね。
一応1巻はフィーロ、2巻はジャグジー、3巻はクレアが主人公的な存在だったと思います。
でもこの4巻は、本当に明確な中心人物がいなくて、誰かの話というよりも事件そのものを中心に捉えたものになってます。
表紙の真ん中にいるのはイヴという少女ですが、あまり目立っていません。

そういう点もあって、少々感想書きづらいのは否めませんが、面白いのは確かです。
作中で「バッカーノ!」独特の構成をドミノ倒しに例えていて、上手いこと言うなぁと感心しました。
それぞれ別々であったピースが、1つ倒れると連鎖していく様は面白おかしいです。
第2弾の「鈍行編」「特急編」のように大きく分けると2つの流れがあって、一時的にそれが交錯するところで面白さが爆発します。
「バッカーノ!」というタイトルに相応しい馬鹿騒ぎが見てて楽しすぎますね。
終わりの収束感は既存巻の方が強く感じましたが、きっとこれは今回出てきた登場人物をさらに掘り下げていく予定なんでしょうね。

今回のお気に入りのキャラは、ガンドール末弟のラック
不死者になってしまったゆえに鈍ってしまった感情が、皮肉にも逆に人間味溢れるもので、何だかリアリティさえ感じました。
「死なない」≒「死ねない」の意味を考えさせてくれます。
結婚フラグが立ったと思ったんですが、続巻を読めば分かるのかな?

前回大暴れしたヴィーノことクレアも、相変わらずインパクトが強いですね。
不死者でもないのに最強キャラなのがカッコ良すぎる。
シャーネとの再会する話も早く読みたいですね。

難点はシリーズを通していえることだけど、キャラクターが多すぎること。
「バッカーノ!1931」は鈍行編と特急編に登場キャラクターも分かれていたのでまだ良かったんですが、今回は把握するのが大変でした。
舞台がニューヨークに戻ってきて、1巻の頃のキャラが再登場する中、さらに新キャラだけで10人以上も増加となるとちょっと辛いかなぁ。
一気に読まないと地味なキャラは今後再登場しても忘れてしまいそうですよ。

ちなみに、2巻から4巻までは発売当時3ヶ月間連続で発刊だったそうです。
著者もそうですけど、イラストレーターのエナミカツミさん大変だっただろうなぁw

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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バッカーノ!1931 特急編 The Grand Punk Railroad 

バッカーノ!1931 特急編―The Grand Punk Railroad (電撃文庫)バッカーノ!1931 特急編―The Grand Punk Railroad (電撃文庫)
(2003/09)
成田 良悟

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【評価……B+
舞台 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
オススメ度 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
構成 ★★★★★★★★
 … 9

第9回電撃ゲーム小説大賞で<金賞>を受賞した成田良悟の受賞作第1作『バッカーノ!1931 鈍行編』と同時間軸、別視点で語られる「特急編」。
少年はNYの友達と会うため、列車に乗り込んだ。
作業着の女はNYの雇い主と会うため、列車に乗り込んだ。
車掌は――仕事なので列車に乗り込んだ。。
あの事件さえ起こらなければ、彼らは何事もなく目的地に着く筈だった。
だが怪物は目覚めてしまった――その名は“線路の影をなぞる者”。

【感想】


『バッカーノ!1931 鈍行編』の別視点の物語である、「バッカーノ!」シリーズ第3巻。
「鈍行編」と「特急編」の表紙と合わせることで1枚のイラストになります。

これは楽しい!
ギミックもさることながら、今回はキャラクターが素晴らしく魅力的。
固定された主人公がいない作品の3作目で既にシリーズの顔とも言うべき泥棒カップルのアイザックミリアは、このシリーズの良心ともいえる存在ですね。
このおとぼけバカップルが絡むと、緊迫した場面でも噴き出してしまいます。

しかし、それ以上にキャラが立っていたのが“線路の影をなぞる者”(レイルトレーサー)です。
これだけ多くの登場キャラ(主要人物だけでも軽く二桁を超える)がいるにも関わらず、一人で全部持って行っちゃってます。
男としては、最強にして無敵であるレイルトレーサーに惚れずにはいられませんね!
「鈍行編」にて思わせぶりな人物が他にも2,3名いて、その誰もが良キャラなんだけど、全員レイルトレーサーの引き立て役になってしまっているぐらいです。

まともなキャラクターはほぼ皆無の「バッカーノ!」シリーズですが、不思議と嫌いなキャラクターはいません。
結構悪い奴は多いのに、あっさりとした文体で書かれているためか、尾を引くことがないんですね。

「鈍行編」の感想でもちょこちょこと書いた通り、「特急編」では前作の裏で起こっていた出来事が描かれているんですが、隠されていた事実が明かされるたびに生まれる爽快感がヤミツキになります。
もちろん既に列車の行き着く先を知りながら読んでいるので、話の進む方向性は明白です。
しかし、だからこそ絶妙に伏せられていた裏側を知ることで、パズルを作り上げるような楽しさが快感となります。
キャラクターの意外な性格や、予想外の展開など、いい意味で読者を裏切ってくれる要素が多いですね。

エナミカツミさんの絵も、作風と合っていて毎度楽しませてくれます。
今回は「鈍行編」で使用されたイラストを数枚流用しているところもありますが、その分イラストが少なめというわけでもないですから問題ありません。

こういう複数の流れが絡み合う展開は、意外性があって読んでいて楽しいなぁ。
一度、列車を横から見た時の時間の流れを見てみたいです。

「鈍行編」があるからこそではありますが、個人的には「特急編」の方が面白かったですね。
単品でも悪くはないですが、2つ合わせてこその良作です。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  バッカーノ!  成田良悟  エナミカツミ  評価B+ 

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