ベン・トー9 おかずたっぷり! 具だくさん! 香り豊かな欧風カレー弁当すぺしゃる305円
2012/08/17 Fri 23:59:37 [edit]
![]() | ベン・トー 9 おかずたっぷり! 具だくさん! 香り豊かな欧風カレー弁当すぺしゃる305円 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫) (2012/06/22) アサウラ 商品詳細を見る |
【評価……A-】
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8 設定 ★★★★★★★★☆☆ … 8 物語 ★★★★★★★★☆☆ … 8 人物 ★★★★★★★★★☆ … 9 文章 ★★★★★★★★☆☆ … 8 挿絵 ★★★★★★★★☆☆ … 8 | バカ ギャグ 変態 ラブコメ 燃え ロリ | ★★★★★★★★☆☆ … 8 ★★★★★★★★☆☆ … 8 ★★★★★★★★★☆ … 9 ★★★★★★★★☆☆ … 8 ★★★★★★★★☆☆ … 8 ★★★★★★★★★☆ … 9 |
半額弁当争奪バトルに青春を賭けるHP同好会は正月明け、冬の合宿へ向かう。槍水仙の愛妹・茉莉花も同行し、佐藤の心は密かに躍る。しかしその合宿地では元HP部の《大厄の闘牛士》と呼ばれる狼が待ち受けていた。彼は槍水と深い因縁があるのだと言うのだが…。さらに佐藤たちは《ギリー・ドゥー》こと禊萩真希乃とも再会を果たし、田舎のスーパーは激闘の最前線と化す!そんな中、茉莉花と佐藤がゲレンデでアクシデントに遭ってしまい、そして…!? 雪山に響く狼たちの咆哮!香辛料が青春にピリッと効く、庶民派シリアスギャグアクション、第9巻!! |
【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>
半額弁当を求めて遥か北へ。
雪をも溶かさんとする情熱で行われる半額弁当争奪戦、シリーズ通算第11冊です。
変態は、レベル上がった!(ぱららぱっぱっぱ~)
……いやいやいや、犯罪じゃねえか、オイ!
この男、やるときはやると思っていましたが、ヤるときもヤりやがる……!
そんなわけで、佐藤の毒牙にかかったのは、表紙を飾る中学生と小学生。
禊萩真希乃と槍水茉莉花が再登場した今回は、以前から何度も作中で話題に上がっていた冬の合宿編となります。
HP部が離散したキッカケが、遂に明かされる……と思ったいたのですが、進んでいるようで進んでいないなぁ。
合宿地のスーパーで現れたのは、かつてのHP部の一員である秋鹿雅。
とある思惑で槍水に最接近した秋鹿との争奪戦がメインの回となります。
終わって欲しくないシリーズとはいえ、引き伸ばし感も尋常ではないですね。
1巻の頃からの謎が、未だに本題に突入していないんですから。
そろそろ一度決着をつけて、2年に進級した佐藤達の新章を始めてもいいんじゃないでしょうか。
語られていない秘密が、それほど凄いことだと予感させませんしね。
秋鹿サイドの描写も結構な割合を占めているため、早めの段階で何となく彼の考えて読めてしまいました。
それでもなお物語を熱く展開させてくれるところは、さすがというべきですか。
くだらないのに燃えてしまうのが、悔しいどころか嬉しいんですよね。
それにしても、キャラが濃いのなんの。
中でも特筆すべきなのは、やはり幼女・茉莉花でしょうね。
10歳という年齢にして、作中の誰よりもフェロモンを撒き散らしていますよ、この娘。
これを天然でやっているんだから、末恐ろしい。
健気で無防備な幼女を、変態の傍に置いておいたら、そりゃあ間違いの一つや二つ起きても不思議じゃないです。
白粉も佐藤に負けじと成長してますね……変態として。
これまでも女版佐藤とも言うべき行動力でしたが、一歩抜け出した感があります。
果たして佐藤は卒業まで貞操を守り抜くことができるんだろうか……いや、無理そうだなw
佐藤が絡む事象を全てアッチ系に変換できる能力は、防ぎようがないもんなぁ……w
ああ、あと久しぶりに狼としての見せ場があったのが嬉しかったです。
勝率的にも佐藤より上なんだし、そろそろ彼女にも二つ名が欲しいところですね。
ロリルートは犯罪臭が半端ないこともあって、ラブコメ的にはイマイチ萌えられませんでした。
個人的に最もグラリと来たのは、白梅様でした。
ひたすらツンしか見せてこなかっただけに、僅かな隙でもギャップが凄まじいことになります。
佐藤は、もっと彼女との妄想に励むべきだと思うんだ、うん。
真希乃の再登場は嬉しかったですね。
ただのゲストキャラで終わらせず、しっかりと《ギリー・ドゥー》としての活躍を見せてくれました。
彼女は、尽くす女というイメージが強いですね。
男にとっては都合が良過ぎるほどに、イイ女の子ですよ。
再登場が嬉しかったといえば、彼は色んな意味で美味しかったですね。
ネタバレになるので直接的には触れられませんが、彼特有の空気が大好きです。
ギャグ要因としても、燃え要素としても、作品の味を決定付けるスパイスとして見事な配役でした。
他にも遠征先で登場した狼の面々を掘り下げてくれたりと、丁寧な仕事が光ります。
《東北のカナリア》の正体は意外でしたね。
アニメ化されていないエピソードだったので、絵的には確かに見たこと無かったわけですけど。
一本取られたなと思いました。
相変わらず年長者なのに仙が一番幼く見えますね。
他が分かっていながら黙っているところを変に大人ぶったり、逆に落ち着きがなかったり。
おかげさまで、奢莪の本妻っぷりを見せつけるカマセ犬になりつつあるような気さえしますよ。
過保護なまでに守られる彼女が抱える過去とはなんなんでしょうね。
弁当に限らず食事のシーンは、本当にウマそうだなぁ。
今回は、いつも以上に身近な食べ物が多くて、味を想像しやすかった分、更に胃が刺激されました。
舞台が冬の東北ということもあって、温かい食べ物が非常に美味しそうで、涎が出てきます。
あー、夏バテ解消法として、この本を読むのはいいかもしれませんねw
▼ | 遠征先キャラ総出演によるハードなギャグと熱い物語が堪能できます |
テーマ: ライトノベル
ジャンル: 小説・文学
タグ: 書評 ベン・トー アサウラ 柴乃櫂人 評価A-ベン・トー8 超大盛りスタミナ弁当クリスマス特別版1250円
2012/04/07 Sat 23:59:37 [edit]
![]() | ベン・トー 8 超大盛りスタミナ弁当クリスマス特別版1250円 (ベン・トーシリーズ)(集英社スーパーダッシュ文庫) (2011/12/22) アサウラ 商品詳細を見る |
【評価……A-】
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8 設定 ★★★★★★★★☆☆ … 8 物語 ★★★★★★★★☆☆ … 8 人物 ★★★★★★★★★☆ … 9 文章 ★★★★★★★★★☆ … 9 挿絵 ★★★★★★★★☆☆ … 8 | バカ ギャグ 変態 ラブコメ 燃え 完成度 | ★★★★★★★★☆☆ … 8 ★★★★★★★★☆☆ … 8 ★★★★★★★★☆☆ … 8 ★★★★★★★★☆☆ … 8 ★★★★★★★★★☆ … 9 ★★★★★★★★★☆ … 9 |
半額弁当争奪バトルに青春を賭けるHP同好会ではメンバーの白粉に元気がないことを気に掛けていた。佐藤達は彼女を元に戻そうと奔走する一方、クリスマスに合わせるかのように『最も最強に近い狼』と呼ばれる猛者、サラマンダーが徐々に街へと近づきつつあるのを警戒していた。そんな中、槍水はHP同好会のメンバーと伝統である聖夜のパーティをしようとしていたのだが、白粉、そして佐藤も奢莪と別の予定を立ててしまっていて大変なことに――!? トナカイより多忙な「狼」たちの聖夜!庶民派シリアスギャグアクション、全国の同志へ贈るクリスマス・ギフト! |
【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>
半額弁当を求めし狼たちの熱き闘いの記録、通算10冊目。
一発ネタかと思われたこのシリーズも遂に大台に乗りましたね。
素晴らしい完成度。
集大成といえる出来にテンションがあがります。
8巻の発売が、ちょうどアニメ最終回の放送タイミングと重なったのは偶然じゃないでしょう。
アニメ効果を期待して仕上げたんだろうなと思いますが、内容もまたお見事でした。
いつの間にか増えた登場人物を総動員させ、かつ一人一人の見せ場も作りつつ、ストーリーも原点回帰させたシンプルながらも力強いものとなっています。
更には、アニメ化されたエピソードから伏線を拾ってくる視野の広さ、構成力の高さは驚きを禁じ得ません。
サブタイトルにある今回の目玉弁当「超大盛りスタミナ弁当クリスマス特別版1250円」のインパクト、涙を浮かべる表紙の槍水先輩、『最も最強に近い狼』ことサラマンダーとの争奪戦を予感させるあらすじ――と、読む前から期待の高まる要素ばかりがこれでもかと並べられています。
作中の季節と発売の季節も合致していて、まさに作者からのクリスマスプレゼントですね、これは。
読んで楽しいセガネタも相変わらずで、ぎゅうぎゅうに詰まった文章の隅々まで美味しく戴けます。
このサービス精神てんこ盛りとなった8巻は、一種の完成形と呼べると思います。
とまぁ、大絶賛しておいてなんですが、欠点もいくつか。
まず第1章のエロ要素について。
詳しい内容はネタバレになるので触れませんが、佐藤の白梅様へのセクハラは度を越していたかなと。
白梅様のキャラは好きですし、佐藤とのやり取りも毎回楽しんでいますが、あれはなぁ……。
正直なところ、興奮しなかったわけではないんですけど、何か違うなーと感じました。
次に、物語の本筋ともいえる仙の性格について。
先輩ぶって偉そうにしているけれど、実のところ誰よりも子供なのが彼女ですね。
話題に入れないと怒ったり、拗ねたりする精神面は、幼いと言わざるを得ません。
これまではギャップ萌えが効果的で、可愛らしい一面しか見せてこなかった彼女の我が儘っぷりが、逆方向に働いてしまったのが、今回の衝突に繋がりました。
烏頭が腹を立てるのも仕方がない部分はあると思いますね。
佐藤の先輩像は思慕が入り過ぎてて甘く、私情込みの烏頭の方が客観的に仙のことを捉えています。
佐藤や白粉がメキメキと成長をしていっているのに対して、仙はHP部の想い出を引きずったまま。
結局言葉が足りなかったばかりに面倒事になったというのに、最後の最後まで変わらないんですよねぇ。
ラストで感謝でも謝罪でも言葉にして伝えていれば、だいぶ印象は変化したはずなんですが。
まぁ、キャラ的な意味合いでいえば、そんな面倒臭い性格なところが可愛いとも言えるのかもしれませんがね。
賛否両論を生んでしまうような態度だったのは否めません。
佐藤との結び付きでいえば、圧倒的に奢莪に軍配が上がりますね。
そこら辺のカップル以上にベッタリと深部でくっ付いているからなぁ……。
高段位桜桃少年団≪ハイクラスチェリーボーイズ≫が妬むのも致し方がないでしょうw
何気に白粉と仲良くやっているシーンがあるのも面白い。
普段はクリーチャーだと蔑んでいるにも関わらず、油断して女子扱いすると手痛いしっぺ返しを受けるのも定番ですね。
白梅との絡みも含めて、この三角関係はどこを切り取ってもニヤニヤさせられます。
魅力的な女の子は数多くいますが、その中でも一番は何と言っても沢桔梗ですね。
ずっと言い続けていますけど、アホの子+エロ言動で自虐に走る彼女は愛おし過ぎる。
茉莉花を除くと、あんなに好意全開なコミュニケーションを取ってくれる娘は、梗ぐらいなんですよね。
久しぶりにオルトロスの出番が満載で嬉しかったなぁ。
個人的には、梗×佐藤、鏡×二階堂という組み合わせが最高のカップリングです。
茶髪の格上げについては、やっと来たかという感じ。
弁当奪取率からすると、とうに二つ名クラスとしての実力は持ち合わせていましたからね。
気品溢れる立ち振る舞いで、もっと活躍して欲しいような脇役のまま輝いて欲しいような、悩ましいキャラですね。
ガンコナーこと山乃守と烏頭のカップルも大好きです。
佐藤は苦手意識を持っているようですが、烏頭って凄くイイ女だと思うんですよね。
山乃守の人心掌握術は、更に磨きをかけていて、一杯喰わされました。
サラマンダーとの熱い争奪戦にも燃え上がりましたし、本当に隙間なく詰め込んだ一冊ですね。
主人公が活躍する王道的な展開も熱さに拍車をかけました。
魔術師、毛玉、坊主、顎鬚、ウルフヘア、柚子、ビッグ・マム、レッド……ああもう良キャラが多すぎて、書きたいことを全部綴っていてはキリがないw
とにもかくにも大満足な内容だったことは、間違いなかったです。
▼ | クリスマスだよ全員集合!とばかりにオールスターによる夢の共演が繰り広げられています |
テーマ: ライトノベル
ジャンル: 小説・文学
タグ: 書評 ベン・トー アサウラ 柴乃櫂人 評価A-ベン・トー7.5 箸休め ~Wolves,be ambitious!~
2011/11/08 Tue 23:43:42 [edit]
![]() | ベン・トー 7.5 箸休め ~Wolves, be ambitious!~ (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫) (2011/07/22) アサウラ 商品詳細を見る |
【評価……A-】
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8 設定 ★★★★★★★★☆☆ … 8 物語 ★★★★★★★★☆☆ … 8 人物 ★★★★★★★★★☆ … 9 文章 ★★★★★★★★★☆ … 9 挿絵 ★★★★★★★★☆☆ … 8 | バカ ギャグ 変態 ラブコメ 燃え | ★★★★★★★★☆☆ … 8 ★★★★★★★★☆☆ … 8 ★★★★★★★★☆☆ … 8 ★★★★★★★★☆☆ … 8 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 |
半額弁当争奪バトルに青春を賭ける佐藤洋たちHP同好会は、槍水の妹・茉莉花のおねだりを端を発した一泊二日の旅行に行くことに! 季節外れの観光地に向かう一行だったが、途中で予期せぬアクシデントに遭ってしまう。そこへかつて出会ったあいつが現れ…!? その他に、佐藤たちの旅行のウラで静かに起きた奢莪とその友人たちの日常編や、ウェブ掲載された短編、雑誌連載で大反響をよんだ「間食版」も書き下ろし分を加えて収録! もはや短編集ではないボリューム感満点でお届けする、メガ盛りの箸休め、庶民派シリアスギャグアクション、狼が大志を抱く7.5巻! |
【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>
半額弁当を追い求めし狼たちの休息、シリーズ2回目の番外編です。
書き下ろし中編1本、短編1本、公式サイトや付録等が初出の短編が7本の全9章。
箸休めというサブタイトルに相応しくない、ボリューミーな短編集となっています。
お腹いっぱいの幸福感が得られる良作です。
本編ではないのに、これほど面白いとは。素晴らしい。
最も大きな違いは、熱さよりもラブコメに比重を置いたところ。
通常の争奪戦は少なめの代わりに、ヒロイン達の乙女チックな一面が見れたり見れなかったりします。
というのも、男はその気になっていても、気付かない娘もいますからね。
ニヤニヤしたり、逆にコメディ色が強くて笑ったりと、いろんな味が楽しめます。
中でも、第9章「ある日の奢莪あやめ」は、言葉に言い表せにくい気持ちを抱かせてくれる話でした。
恋愛に対して深い捉え方をしてこなかった奢莪が、とある経緯により少し真面目に考え始めた結果、悶々としてしまうんですけど、これが何とも初々しい。
佐藤と会話する時だけに見せる自然な笑顔が、台詞の端々から想像できます。
物理的には近過ぎるぐらいのコミュニケーションを取るのに、恋愛的にはある意味遠い二人の距離感が絶妙ですね。
佐藤は鈍感というよりも、ほぼ無意識的に奢莪のことを恋愛事情から遠ざけている節があるように見えます。
本人も言っている通り、双子のような存在ですから、愛はあっても恋の対象にはなり辛いでしょうね。
しかし他の男子高校生からすると、あれだけ親しくしている可愛い従姉がいれば、やっかみの一つでも言いたくなる心境は理解できます。
単純に一番面白かったといえるのは、第1章の中編「3.5倍」。
漫画やラノベで定番の温泉回で、もちろんエロいサービスシーンも良かったのですが、それ以上に前半の電車のくだりが楽し過ぎましたね。
遠征での電車移動というと、そう、アイツの登場です。
無駄に暑苦しく自分に酔う彼は、妙にカッコイイのだけれど締まりが悪いんですよね。
何とも運が悪い可哀想な人ですが、盛大に笑わせてもらいましたw
無茶しやがって……。
今回の弁当獲得作戦は、これまでと趣きが異なっており、新たな面白味がありました。
マンネリするとまでは行きませんが、普段の半額弁当争奪戦に読者も慣れてきたのは事実。
まるでクエストのような戦いは、フレッシュな味わいを楽しめました。
そういう意味では、槍水仙が一年の頃、魔導士・金城優や烏頭みことと一緒にスーパーを駆けていた過去話も興味をそそられましたね。
噂だけではとても高校生とは思えない魔導士が、思っていたよりも庶民的で驚きました。
ちなみに、個人的にはエビフライの尻尾の処理については、仙派です。
美味しすぎる場合のみ、烏頭と同じようなスタイルになるかな。中途半端でスミマセンw
他にも、多くのキャラに見せ場が用意されていて、語り尽くせません。
家庭的かつ献身的な白梅様は、大変お美しゅうございました。
とてつもない茉莉花のロリ・エネルギーには、霧島君が暴徒と化すのも頷けます。
仙の友人である紫華蔓は、ストーカー気質が入っているけど根は良い娘だと思うんですよ。
魅力的なキャラが多いのと、短編だからといって妥協しない物語が、満足感を底上げしてくれています。
本編ももちろん読みたいたいですが、これからも定期的に短編集を挟んで欲しいですね。
▼ | 濃厚な食材という名のキャラクターを普段と異なる調理で仕上げた料理(ラブコメ風味) |
テーマ: ライトノベル
ジャンル: 小説・文学
タグ: 書評 ベン・トー アサウラ 柴乃櫂人 評価A-ベン・トー7 真・和風ロールキャベツ弁当280円
2011/05/16 Mon 23:55:40 [edit]
![]() | ベン・トー 7 真・和風ロールキャベツ弁当280円 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫) (2011/02/25) アサウラ 商品詳細を見る |
【評価……A-】
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8 設定 ★★★★★★★★☆☆ … 8 物語 ★★★★★★★★☆☆ … 8 人物 ★★★★★★★★★☆ … 9 文章 ★★★★★★★★★☆ … 9 挿絵 ★★★★★★★★☆☆ … 8 | バカ ギャグ 変態 燃え | ★★★★★★★★★☆ … 9 ★★★★★★★★☆☆ … 8 ★★★★★★★★★☆ … 9 ★★★★★★★★☆☆ … 8 |
半額弁当争奪バトルに青春を賭ける佐藤洋は、ひょんんあことから未曾有の経済危機に陥り、『変態』の二つ名を体現する日々を送っていた。 そんなある日修学旅行で槍水が不在になる間、佐藤は彼女の縄張りであるスーパーを託されることに。 しかし槍水と入れ替わるようにHP同好会に烏頭みことと名乗る美人OGが現れ、佐藤は彼女に翻弄されてしまうのだった。 烏頭はかつてHP部が解散するに至った原因は槍水にあると告げるのだが――。 毒を食わば皿まで!「狼」の誇りを持って落とし前はきっちりつけろ!庶民派シリアスギャグアクション第8作! |
【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>
半額弁当にプライドを賭ける若者たちの庶民派シリアスギャグアクション、本編第7巻。
今巻の帯にて、遂に待望のアニメ化が発表されました。
美味しかった!じゃなくて、面白かった!
でもまぁ、この作品においてはあながち大間違いというわけでもないですがね。
食事中に読むと、ご飯が一層おいしくなるフリカケのような本です。
半額弁当の夕餉シーンはもちろん、口に入れるものならばジャンクフードや菓子類でも、涎が出てくるぐらいウマそうに描写されています。
テレビ番組で高級料理をレポーターが解説している姿よりも、鮮明に味が伝わってくるんですよね。
視覚的要素がなくとも、文章の表現力が凄まじく、擬音が傍で聞こえてきそうな感じすらあります。
佐藤は争奪戦に敗れると、飽きもせずどん兵衛を食べますけど、味の感想の言い回しに読者も飽きずに読めるというのが、何気に凄いことだと思います。
ギャグセンスも素晴らしく、腹を抱えるほど笑えます。
マラソン大会を開催する真の理由に気付くなんて、天才でしょう。変態と言う名の。
ガチムチネタは、基本そこまで好んでいないはずなのに、この作品ではドンドン出して欲しいとさえ思ってしまいます。
クリーチャー白粉の恐ろしさが、日に日にレベルアップしていることに恐怖を覚えますね。
全3章構成のうち、第1章がギャグ成分多めの短編気味の話で、2章以降に本筋が開始となるシリーズでは恒例になりつつの展開は、この7巻でも同様でした。
ひとしきり笑った後に待ち構えていたのは、ド直球の燃えるストーリー。
7巻に来て、ようやくHP部の崩壊について暴かれようとしています。
あらすじにもある通り、槍水先輩は修学旅行のため不在、奢莪もまた出番は少なめです。
だからといって物足りないかと言われると、そんなことはありません。
個人的にお気に入りキャラである沢桔姉妹は、狼としても女の子としても見せ場があって良かった。
特に姉の梗の妄想エロ暴走は、ニヤケ顔が止まらずに困ります。
二つ名襲名が近い茶髪の活躍も見逃せません。
佐藤よりも勝率は断然高いんじゃなかろうか。
日常場面においては、白粉と白梅様のコンビによる佐藤への精神的&肉体的攻撃が強烈です。
魅力的な女の子が多い作品なので、たまには正ヒロイン以外の女の子たちが活躍する今回のような話があった方が嬉しいですね。
追い込まれた佐藤に手を差し伸べるライバルたちが熱い。
アクションバトルの基本であり真髄でもある戦が見ることが出来た気がします。
久しぶりに争奪戦が主題といった感じで、充足感もたっぷりありました。
表紙を飾っている元HP部員・烏頭みことは、意外な性格でしたね。
見た目からクールビューティーなタイプなのかと思いきや、暗いなオイ。
女の子としては個人的な好みから外れるものの、良いキャラしています。
裏設定がバレバレなのに引っ張り過ぎな点だけは、惜しかったかな。
ちなみに、奢莪の出番が物足りない!という方には、こちらをお薦め。
▼ベン・トー7巻特設ページ WEB特別書き下ろしあり
http://dash.shueisha.co.jp/feature/1102/index.html |
本編でも言えることですが、佐藤が男連中と全力で馬鹿な事をするくだりは最高ですねw
▼ | 佐藤が狼として一皮剥ける少年漫画的な熱血成長物語 |
テーマ: ライトノベル
ジャンル: 小説・文学
タグ: 書評 ベン・トー アサウラ 柴乃櫂人 評価A-ベン・トー6 和栗おこわ弁当310円
2011/02/03 Thu 23:50:38 [edit]
![]() | ベン・トー 6 和栗おこわ弁当310円 (集英社スーパーダッシュ文庫) (2010/08/25) アサウラ 商品詳細を見る |
【評価……A-】
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8 設定 ★★★★★★★★☆☆ … 8 物語 ★★★★★★★★☆☆ … 8 人物 ★★★★★★★★☆☆ … 8 文章 ★★★★★★★★★☆ … 9 挿絵 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 | バカ ギャグ 変態 燃え | ★★★★★★★★☆☆ … 8 ★★★★★★★★☆☆ … 8 ★★★★★★★★☆☆ … 8 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 |
半額弁当争奪バトルに青春を賭ける佐藤洋は、新たに開拓したスーパーで、存在感溢れる半額神・ビッグ・マムと、そこを主戦場とする厄介な「狼」山木柚子と出逢う。ある目的のために佐藤の苦難の食生活が始まる一方、槍水は彼女が溺愛する妹・茉莉花が文化祭に見学に来るため、心配で落ち着かない日々。そしていよいよ文化祭当日、友人のイベントに駆り出された槍水の代わりに佐藤が茉莉花の面倒をみることになるのだが――。 甘美な罠を退け、誇り高く戦い、喰え!「狼」としての底力がいま試される! 庶民派シリアスギャグアクション、禁断の第七弾! |
【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>
半額弁当に魅入られし物たちの熱血バカバトル。
地元にありながら、これまで踏み入れたことのないスーパーで新たな敵と出逢う佐藤洋。
それと同じくして、姉を訪ねてきた槍水の妹・茉莉花と一緒に文化祭を巡っていると、思わぬ方向に話が進み……という流れで始まる本編第6巻になります。
いやはや、ご馳走様でした。
毎度のことながら、腹いっぱいに美味しいものを食べた時のような満足感が得られる良作だなぁ。
実際には、食事シーンを読むと、空腹を刺激されてお腹が空きますけどね。
ボリュームたっぷりで、同じページ数の一般的なラノベを2冊分ほど読んでいる感覚になります。
みっちりと敷き詰められた文章を初めて見た時は、胸焼けしそうだと感じましたが、今ではこの量でないと物足りないぐらい完全に虜になってしまいました。
短編も入れると7冊目になるというのに、飽きるどころか面白くなる一方ってのは凄いなぁ。
ハーレムではないけれど、女の子が非常に多く登場する回ですね。
茉莉花は、姉と似て素朴なところが可愛い少女で、槍水先輩が溺愛するのも納得。
姉妹揃って見どころが多く、槍水先輩好きの人にとっては嬉しい話だったのではないでしょうか。
個人的には、ロリータ少女よりも年上のお姉さん好きなので、山木柚子に惚れました。
サマードレスの似合うボクっ娘女子大生なんて狙いすぎ。大好きです。
ボーイッシュな女性が見せる女の子っぽい仕草とか、たまりませんよ。
しかも、彼女のあの秘密には佐藤でなくとも反応してしまいます。
さらに、今回は槍水先輩の友人も本格的に登場しています。
紫華蔓、木之下桃という二人の女の子で、今まで絡みはありませんでしたからね。
実は、この二人と佐藤の出会いを描いた短編が、5.5巻発売の際に特集としてweb公開されています。
これを読んでいるかどうかによって、印象がガラリと変わるので、まだ見ていない方は是非一読をお薦めします。
▼ベン・トー5.5巻特設ページ WEB特別書き下ろしあり
http://dash.shueisha.co.jp/feature/1004/index.html |
しかし、これだけの人数の新キャラが出ているにも関わらず、レギュラー化は皆難しそうですね。
まぁ、あまり増えすぎてもまとまりを欠くので、ゲスト扱いで構いませんが。
柚子だけは再登場をお願いしたいけど、無理かなぁ。
白粉、奢莪、あせびちゃん、白梅様などの既存メンバーのエピソードも豊富で楽しかったです。
特に、白粉は佐藤とのやり取りがガチムチ過ぎて何度も笑わせてもらいました。
佐藤のセガネタと並んで鉄板ネタですね。
でも、今回一番面白かったのは、文化祭の坊主。
あれは卑怯すぎるw
佐藤や奢莪がツボに入って笑い転げるのも仕方ないよw
半額弁当の表現力は相変わらず一級品で、自然と涎が分泌されてしまいます。
話の展開も熱い王道で盛り上がりましたし、言うことなしです。
あと、女の子が多く登場するのに主人公を妬むことなく読めるリア充小説ってのは珍しい。
ラブ方面に力を入れているわけではないからかな。
次回の伏線と思われる個所を読む限り、遂にHP部の話に踏み込みそうですね。
安定したクオリティを維持しているので、次巻も心配無用でしょう。
▼ | 姉が大好きな妹と、妹のために頑張るお姉ちゃんの微笑ましくも熱い物語 |
テーマ: ライトノベル
ジャンル: 小説・文学
タグ: 書評 ベン・トー アサウラ 柴乃櫂人 評価A-ベン・トー5.5 箸休め~燃えよ狼~
2010/06/24 Thu 23:58:05 [edit]
![]() | ベン・トー 5.5 箸休め~燃えよ狼~ (集英社スーパーダッシュ文庫) (2010/04/23) アサウラ 商品詳細を見る |
【評価……B+】
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 設定 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 物語 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 人物 ★★★★★★★★☆☆ … 8 文章 ★★★★★★★★☆☆ … 8 挿絵 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 | バカ ギャグ 変態 | ★★★★★★★★☆☆ … 8 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 ★★★★★★★★☆☆ … 8 |
半額弁当争奪バトルに青春を賭ける佐藤洋は、HP同好会の面々と共に、従姉の著莪あやめの高校の文化祭に繰り出す。高校生の一大イベントを楽しんでいたが、あの引きが強すぎる少女・あせびちゃんの手作り弁当が事件を巻き起こし事態は一変。佐藤は命懸けの弁当争奪戦に参戦することに…!? その他にベン・トーファンタジー編や、名もなき「狼」をフィーチャーした短編、そして禁断の「筋肉刑事」の一部ストーリーなどを収録!「狼」たちよ、考えるな、感じるんだ! 箸休めにならない箸休め、庶民派シリアス・ギャグアクション、灼熱の5.5巻!MAYDAY MAYDAY。 |
【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>
熱血半額弁当争奪バトル、シリーズ初の番外編です。
5巻直後となる文化祭エピソードの書き下ろし他、ウェブ上に公開されている各キャラの短編、そして筋肉刑事のあらすじを網羅したカオスな短編集となっています。
話の質や長さにバラつきがあるものの、基本的に面白さが先行している点はさすがですね。
その中でも、1章の「鳥になった男たち」は飛びぬけて面白かった。
ヒロインが勢揃いした豪華な文化祭が一転、いつの間にやら男臭い汗まみれの展開になっていて吹いたw
これはこれで興味深いと思ってしまう自分は、既に白粉菌に感染しているようです。
愚直で濃厚な漢たちと、可憐だけれど牙や毒を持つ女性陣の絡みが、面白さを何倍にも引き上げてくれますね。
ギャグ全開の回は、佐藤の脳内暴走が清々しいほどにおバカで、楽しすぎます。
笑いが止まらなかった1章に対して、2章の「首なしの白き巨人」は、個人的に合わず、正直つまらなかったです。
番外編だからこそできるパラレルの話で、意欲は買うけれど、如何せん中途半端でした。
ファンタジーを書きたいのなら、一から書くべきでしょうね。
「ベン・トー」では、良くも悪くもキャラが強すぎるんですよ。
やっぱり、このシリーズは、シュールなギャグがあってこそ熱血展開が引き立つのだと再認識ました。
3章以降は主にウェブ公開されている短編が収録されています(若干加筆&修正あり?っぽい)。
大半が既に読了済みということもあり、新鮮さはなかったですが、読み直してみても面白いと思えるものが多かったです。
お気に入りは4章の「名もなき狼たち」。
佐藤のホームでよく戦う坊主&顎鬚&茶髪のお話で、彼らの心境が垣間見ることができます。
坊主と顎鬚の初イラスト化されていましたが、どう見ても高校生に見えないw
茶髪の顔が描かれていないのが残念なような、想像できる余地を残してくれて嬉しいような微妙な気分。
胸だけはしっかりとデカデカ描いてるのは、まぁGJと言っておこうw
そして、章の合間に挿入される筋肉刑事のあらすじがガチムチすぎて笑えますw
BLネタは得意というわけではないのに、実際に読んでみたいなぁと思わせてくれるところが凄い。
言葉のチョイスに非凡なセンスを感じずにはいられません。
最近ようやく分かったのですが、他のバカコメディ作品と最も異なる点は、この変態さ加減なのではないでしょうか。
特に今回は、まともに争奪戦が行われているわけではないので、より変態度が磨きがかかっています。
この味付けの濃い文章はヤミツキになりますなぁ。
▼ | 白粉とあせびちゃんが大活躍するガチムチ多めのシリーズ短編集 |
テーマ: ライトノベル
ジャンル: 小説・文学
タグ: 書評 ベン・トー アサウラ 柴乃櫂人 評価B+ベン・トー5 北海道産炭火焼き秋鮭弁当285円
2010/05/05 Wed 22:30:06 [edit]
![]() | ベン・トー 5 北海道産炭火焼き秋鮭弁当285円 (ベン・トーシリーズ) (2010/01/22) アサウラ 商品詳細を見る |
【評価……A-】
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8 設定 ★★★★★★★★☆☆ … 8 物語 ★★★★★★★★☆☆ … 8 人物 ★★★★★★★★☆☆ … 8 文章 ★★★★★★★★☆☆ … 8 挿絵 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 | バカ ギャグ 燃え 青春 | ★★★★★★★★☆☆ … 8 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 |
半額弁当争奪バトルに青春を賭ける佐藤洋たちHP同好会は合宿を終え、地元に戻って日常の争奪戦に精進していた。そんなある日、佐藤のかつての憧れのクラスメイト、現在芸能アイドルとして活躍する広部さんが転校性として現れる。傍若無人の振る舞いをする彼女に、案の定巻き込まれる佐藤は、徐々に弁当争奪戦から遠ざかってしまう。さらに、しばしの沈黙を破り、再び立ちはだかる猟犬群たちの乱入で戦闘は激化していき…! 佐藤は「狼」としての誇りを失ってしまうのか!? それとも秋鮭のごとくスーパーに戻ることはできるのか――!? 庶民派シリアスギャグアクション、原点回帰の第5弾! |
【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>
熱血半額弁当バトル第5章。
「原点回帰」というテーマで描かれる今回は、狼の在り方や生き様を改めて見せつけてくれる内容となっています。
もはや安定して面白い。
ストーリーに大きな進展があるわけでもないのに、文句なしに楽しめます。
青春や恋愛要素が盛り込まれていますが、無駄に突っ走った熱さは健在です。
ラノベで文字がびっしりと詰まっていると、息苦しさを覚えることがありますが、このシリーズではそれがありませんね。
むしろ、ぎゅうぎゅうに詰め込まれたボリュームがお得感たっぷりの半額弁当みたいに感じます。
毎回大幅に書きすぎしまい、削られているそうですが、もっと量があってもいいくらいですよ。
特に今回は、過去最大のページ数だったにも関わらず、描写をカットしているなぁと感じる場面がいくつかあったので、余計にそう思いました。
「狼」とは何か――ということを、多角的に見せる構成が巧い。
主人公の佐藤洋、その先輩である槍水仙、猟犬群のリーダーの山原、そして新人アイドルであり佐藤の憧れの人でもある広部蘭。
一見関わりがなさそうな人物を絡め、互いの思考を交差させつつ一本の物語を作り上げています。
半額弁当にポリシーがない一般人の観点を描くことにより、今更ながらこの熱血バカたちの特殊性が浮き彫りとなっていますね。
テーマ通り初心に帰っていて、なおかつ成長も感じさせてくれるわけですから、質が高さに驚かされます。
しかし、いつもより佐藤視点が少なかったため、合間に挟まれる脱線過去エピソードも控えめでした。
石岡君らの武勇伝は、テンションの高い弾けっぷりが色々と悲惨で笑えるので、大好きなんですよねー。
物足りない点はそのくらいで、概ね満足できる巻だったと思います。
キャラクターでいえば、おバカツンデレと冷静ツッコミの沢桔姉妹の再登場は嬉しかったなぁ。
口絵にある槍水先輩と背中を合わせるシーンは燃えました。
姉の梗がマジボケしてエロ単語を混入させ、その果てに暴走するのも楽しくてたまりません。
イラストは良質な反面、数が少なかったのは残念だったかな。
量より質を取ったということなら、正解だと思いますけど。
読書中はもちろん、感想を書いている時ですらお腹がすいてくる危険な本ですねw
エビチリ食べたいなぁ。
▼ | 半額弁当に情熱を賭けるバカと新人アイドルの青春恋物語(熱血風味) |
テーマ: ライトノベル
ジャンル: 小説・文学
タグ: 書評 ベン・トー アサウラ 柴乃櫂人 評価A-ベン・トー4 花火ちらし寿司305円
2009/10/29 Thu 14:31:33 [edit]
![]() | ベン・トー〈4〉花火ちらし寿司305円 (集英社スーパーダッシュ文庫) (2009/07) アサウラ 商品詳細を見る |
【評価……B+】
設定 ★★★★★★★★☆☆ … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
文章 ★★★★★★★★☆☆ … 8
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
オススメ度 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
バカ ★★★★★★★★☆☆ … 8
ギャグ ★★★★★★★★☆☆ … 8
燃え ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
半額弁当争奪バトルに青春を賭ける佐藤をはじめとしたHP同好会は、夏休みを利用した強化合宿に向かう。 あえて途中下車し、有名な弁当を現地の社会人と奪いあいつつ、到着した合宿地。 そこではある悩みを抱える二人の少女、淡雪えりかと禊萩真希乃に出会うのだが事態はおかしなことに…!? そして今回の合宿の最終目的である至高の半額弁当を手に入れようとする佐藤たちの前に、全国から規格外の力を持つ強敵・難敵が続々現れ…!? 花火と共に上がる『狼』たちの咆哮…人々が空を見上げる時、彼らの誇りと命を懸けた戦いが始まる!! 庶民派シリアス・ギャグアクション、百花繚乱の第4弾! |
【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>
旨い半額弁当を求め強敵に挑む青春バカコメディ、第4弾。
やっぱり面白い。
文章もキャラクターもどってりと濃くて、充足感の得られるシリーズだなぁ。
それにしても、腹が減っているときに読むと、もはや拷問に近い。
まるで、空腹時にテレビで美味しそうな料理を紹介されているのを見ている感覚……いや、むしろ下手な芸能人のコメントよりも想像力をかき立てられる分、それ以上に口の中が涎に溢れます。
今回は夏合宿の話。
普通に考えれば、弁当争奪戦に合宿も何もないだろうと思いますが、みんな普通じゃないから仕方ありません。
いつもとは違う戦場で繰り広げられる戦いは、独自のルールがあったり見慣れない強敵などもいて、新鮮な熱気を味わえます。
全3章からなる物語は、第1章だけやや独立した話になっています。
戦場がスーパーではなく、駅という特殊な場所で展開される争奪戦は、趣が異なっていて面白い。
バカバカらしさが増していて、笑いが止まりませんでした。
後半のちょっぴりシリアス風味な内容も悪くはないですが、個人的には前半の方が好きですね。
夏で浮かれている佐藤が、二つ名通りの変態さをこれでもかと見せつけてくれます。
ほとばしる若者エネルギーを熱血エロという形で表現する、ある意味高校生男子の見本のような存在ですね。
ここまで本能に忠実な人間は、そうそういませんがw
白粉の変態度も加速が止まりません。
はたして腐女子という言葉で済ませていいものなのかというレベルです。
引っ込み思案な性格は一体どこに行ってしまったのか、アグレッシブな行動にただただ唖然。
もう、戻ってこれないな……うん。
面白いから何の問題もないけどさw
奢莪との距離感が、相変わらず物理的に近いというか密着しまくりで健全にエロティックだなぁ。
幼馴染みという枠組みを越えちゃってますよ。
佐藤の変態的観察のおかげで描写の数は多い槍水先輩も、奢莪のインパクトの前には分が悪い。
無理に固定化する必要性はないけれど、ヒロイン役は奢莪でいいような気分になります。
セガネタ中心のギャグも相変わらず小刻みに挟まれ、痛快に笑いを誘ってくれます。
真面目にアホくさい技を使う狼たちもシュールで、笑いの切れ目がなかなかありません。
おかげで、ずっと楽しんで読むことができますね。
3巻と比べると、燃え要素が減ってしまいましたが、その分コメディに力が入っているので飽きません。
もっと売れていいシリーズだと思いますね。
間違いなく良作です。
▼ | 争奪戦はともかく日常パートの変態さに磨きがかかる佐藤と白粉は手遅れだと思う |
テーマ: ライトノベル
ジャンル: 小説・文学
タグ: 書評 ベン・トー アサウラ 柴乃櫂人 評価B+バニラ A sweet partner
2009/09/14 Mon 10:50:40 [edit]
![]() | バニラ―A sweet partner (スーパーダッシュ文庫) (2007/04) アサウラ 商品詳細を見る |
【評価……B-】
設定 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
人物 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
挿絵 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
オススメ度 ★★★★★☆☆☆☆☆ … 5
百合 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
閑静な街で相次ぐ狙撃事件。それを追う警察の捜査線上に二人の女子高生、海棠ケイと梔ナオが浮かび上がる。 次第に追い詰められていく彼女たちは手にした銃とパートナーだけを信じ、一寸先すら見えぬ逃避行を開始する。 たとえそれが誤った道であったとしても、迷うことなく彼女たちは足を進めていく……。 第5回SD小説新人賞大賞作家が放つ、渾身のスウィート・ガン・アクション!! |
【感想】
「ベン・トー」シリーズで名を上げたアサウラさんの描く百合ガンアクション。
著者の他作品に興味があったので読んでみました。
女子高生である海棠ケイと梔ナオが、とある背景を抱えながら連続狙撃事件を起こすというお話。
さて、いきなり素直な感想を言ってよろしいでしょうか。
えーっと……、主人公の女子高生二人組が大嫌いです。
人を殺めてしまう理由を中途半端に理解できる分、余計にたちが悪い。
気持ちは痛いぐらいに伝わってくるからこそ、どうして一線を越えてしまったのかと残念でなりません。
あーもう、モヤモヤするというか腹立たしいというか悔しいというか。
言葉にならない声を叫び出したい気分。
これは、ある意味驚異的なことだと言えます。
冷静に考えてみれば、小説の中の登場人物に対して抱く感情ではありません。
しかし、圧倒的なまでのリアリティ溢れる女子高生たちの心情が、これは本物だと訴えてきます。
この描写力は凄い。
大人になりきれない子どもらしさが存分に出ていて、非常にムカつきました(褒め言葉)。
若いなぁと感じてしまう自分には、ケイとナオの考え方は尊重はしても納得できるようなものではありませんでした。
殺人に対する考えの浅はかさには怒りを覚えます。
必然性のない殺人は、彼女らの一貫性のなさを示していて、唸らざるを得ません。
そんな中、ケイの一人称と交互に語られる、三人称の刑事視点が面白かった。
むしろ、こちらを主人公サイドにして読んでみたかったくらいです。
刑事ドラマを見ているようなクサいセリフを吐く刑事たちが格好良かった。
また、今作の売りである百合とガンアクションですが……どちらも個人的にはあまり興味ないんですよねぇ。
序盤、細かすぎる銃の説明文が長々綴られているところは、ほとんど飛ばし読み状態でした。
銃撃戦も知識がない自分は置いてけぼりで、雰囲気で読んでましたよ。
百合要素の方も、なかなか上質なモノなんだろうなぁーと思いつつも、気持ちが昂ってこない。
ただ、客観的に見れば百合もガンアクションもかなりのレベルで描かれているので、好きな人にはたまらない内容かと。
主人公たちに感情移入はできませんでしたが、だからといってこの作品はそれだけで切り捨てられないものが詰まっています。
色々と考えさせられる話でした。
▼ | 設定と展開に難があるもののセンスの良さでカバーしている百合モノ |
テーマ: ライトノベル
ジャンル: 小説・文学
タグ: 書評 バニラ アサウラ シトロネット 評価B-ベン・トー3 国産うなぎ弁当300円
2009/05/09 Sat 01:18:59 [edit]
![]() | ベン・トー〈3〉国産うなぎ弁当300円 (集英社スーパーダッシュ文庫) (2009/01/23) アサウラ 商品詳細を見る |
【評価……A-】
舞台 ★★★★★★★★☆☆ … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆ … 8
人物 ★★★★★★★★☆☆ … 8
文章 ★★★★★★★★☆☆ … 8
挿絵 ★★★★★★★★☆☆ … 8
オススメ度 ★★★★★★★★☆☆ … 8
バカ ★★★★★★★★☆☆ … 8
ギャグ ★★★★★★★★☆☆ … 8
燃え ★★★★★★★☆☆☆ … 7
半額弁当争奪バトルに青春を賭ける高校生・佐藤洋。ある日、佐藤は自分に凄腕の『狼』の証である二つ名がついていることを知る。しかし、その名は理想とはかけ離れた悲惨なものだった――! 同じ頃、戦場に圧倒的な力を持った双子の沢桔姉妹が現れ、次々と弁当を奪取していく。彼女らには訳ありの過去があり…!? さらにHP同好会に迫る死神の魔の手に槍水が最大の危機を迎える! ――半額シールが舞う時、『狼』たちの咆哮が上がる!空腹を力にただ前へ! 庶民派学園シリアス・ギャグアクション、人気もうなぎ昇りの第3弾。 |
【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>
半額でも300円とはさすが国産うなぎは高いなぁと、どうでもいいことを考えたり。
これは……面白かったなぁ~。
思わず唸ってしまう程に素晴らしい出来具合でした。
1,2巻も良かったですが、それを上回るクオリティに大満足。お腹一杯です。
単純に読んでいて楽しいんですよね。
本の評価をする上で、これ以上大切なことはないんじゃないでしょうか。
半額弁当の争奪戦を命懸けで挑むバカたちが、無性にカッコ良く見えてくるから不思議。
気が付いたら、手に汗握るバトルに夢中になっちゃってます。
ストーリーの展開が燃え一直線なのは変わらずで、後半の盛り上がりに胸が躍ります。
そして、争奪戦後の夕餉のシーンが、これまたイイ。
料理漫画の誇張表現はギャグ要素としての楽しみが強くて実際に食べたくなることはまずないんですが、この作品は違います。
口の中に涎が飲み込むぐらいに溜まってしまうほど、食欲を刺激してきます。
その理由はおそらく、登場人物たちが食べているものがB級グルメだからですね。
読者が想像できる味なので、おいしいことが明確に伝わってきます。
「どん兵衛」や「チキンラーメン」なんてその典型的な例ですね。
濃厚でねっちりした文章による味の再現度が半端じゃなく、食べたくて仕方がなくなってきます。
実際、我慢できずに「チキンラーメン」買いにいきましたもんw
ギャグの切れ味も絶好調。
佐藤にもついに付けられた二つ名に始まり、白粉のBL妄想、ネーミングセンス抜群の半額弁当など笑いどころ満載です。
白粉の書く「筋肉刑事(マッスルデカ)」がweb上にあがっていて、それを読んでまた笑いましたw
▼ベン・トー特設ページ WEB特別書き下ろしあり
http://dash.shueisha.co.jp/feature/0901/index.html |
新キャラクターである双子の沢桔姉妹も魅力的で良かったですねー。
過激な言葉使っておきながら被害妄想の激しい姉と、突っ込み兼ブレーキ役の妹の組み合わせが漫才みたいで楽しいw
特に姉の梗の抜けっぷりが可愛かった。
これからもレギュラーとして登場し続けて欲しいなぁ。
あとがきによると、1/4ほど削ったそうですが(ページ数に換算すると約100ページ分相当)、きっとそれだけのボリュームでも苦ではなかっただろうなと思わせてくれる内容でした。
むしろ、今巻のラストバトルと、その後の余韻をもう少し感じていたかったかなーと思ったくらいです。
読了感は、美味しいものを食べ終わったかのような満腹感で幸せな心地になりました。
あー、うなぎ食いてえなぁw
▼ | ご飯を美味しく食べられるようになる本 (極一部下品なネタあり) |
テーマ: ライトノベル
ジャンル: 小説・文学
タグ: 書評 ベン・トー アサウラ 柴乃櫂人 評価A-ベン・トー2 ザンギ弁当295円
2008/12/04 Thu 03:35:13 [edit]
![]() | ベン・トー 2 ザンギ弁当295円 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫) (2008/06/25) アサウラ 商品詳細を見る |
【評価……B+】
舞台 ★★★★★★★★☆☆ … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
人物 ★★★★★★★★☆☆ … 8
文章 ★★★★★★★★☆☆ … 8
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
オススメ度 ★★★★★★★★☆☆ … 8
バカ ★★★★★★★★☆☆ … 8
ギャグ ★★★★★★★☆☆☆ … 7
日々行われる半額弁当争奪戦の世界を知り、HP同好会での活動を続ける佐藤洋。 ある日、佐藤のもとに同い年の従姉・奢莪あやめが訪ねてきた。 数カ月ぶりの再会の後、佐藤は知る。彼女もまた「湖の麗人」の二つ名を持つハンターであり、HP同好会会長・槍水仙との対決のためにやってきたのだということを。 従姉の突然の来訪に戸惑う佐藤だったが、それは半額弁当を求める者たちを戦慄させる壮大な陰謀劇の幕開けに過ぎなかった! 己の誇りと空腹のために、走り、跳び、戦いそして喰え!! 庶民派シリアス・ギャグアクション、大騒乱の第2弾。――ザンギって何だ!? |
【感想】
半額弁当に文字通り命を賭けて挑む者たちの青春バトルコメディ、第2弾。
今更気付きましたけど、この作品、常識人が一人も出て来ねえ……!
主にネットでの評判よりブレイクした「ベン・トー」シリーズですが、面白さは1巻から変わっていません。
取っ付きにくさがなくなった分、より読みやすくなっていると言えますね。
最初っから(人体も物語も)飛ばしまくりで、あっという間に引き込まれてしまいます。
ストーリーは、佐藤洋が従姉の奢莪あやめと再会するところから始まります。
1巻にも主要登場人物一覧に載っていましたが、佐藤の回想でしか出てこなかったので今回初登場ですね。
金髪+巨乳+メガネという優秀なステータスを持ち合わせた女の子で、これが普通に可愛い。
槍水先輩とか白粉とか白梅も、色んな意味で魅力的な女の子ではありますけどね。
奢莪は従姉というよりも幼馴染属性が強くて、物語は昔のエピソードを絡めつつ今の関係を育むという王道的なストーリー展開になってます。
たかが半額弁当の争奪戦のはずなのに、まるで人生の全てが凝縮されたかのような熱い闘いっぷり。
彼らの言い分こそが正論に聞こえてしまうほどに世界観にハマりこんでしまいます。
冷静に考えると凄い馬鹿らしいのに、読書中は自分も登場人物たちと同じ脳レベルまで低下しちゃうんで、それに気が付かないw
自身も馬鹿になれる、その同調が楽しいんです。
アマゾンには残念ながら画像がありませんが、表紙のイラストが凄くおいしそうで素晴らしいですね。
……もちろん弁当の話ですよ、ええ。
挿絵は女の子の可愛いイラストと、男のむさ苦しい絵の差が激しいっすね。
この世でスーパーの半額弁当をこれほど美味しそうに書く人はいないでしょう。
大抵の場合、思いつかないか、思いついても書きませんからw
まだ発売日こそ決定していませんが、来年1月以降という3巻も楽しみです。
ところで、ザンギ弁当と聞いて、ザンギエフを連想した人はどれくらいいるだろう?
僕だけじゃないよね?
テーマ: ライトノベル
ジャンル: 小説・文学
タグ: 書評 ベン・トー アサウラ 柴乃櫂人 評価B+ベン・トー サバの味噌煮290円
2008/07/19 Sat 03:07:08 [edit]
![]() | ベン・トー―サバの味噌煮290円 (集英社スーパーダッシュ文庫 あ 9-3) (2008/02) アサウラ 商品詳細を見る |
【評価……B+】
舞台 ★★★★★★★★☆☆ … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
文章 ★★★★★★★★☆☆ … 8
挿絵 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
オススメ度 ★★★★★★★★☆☆ … 8
バカ ★★★★★★★★☆☆ … 8
ギャグ ★★★★★★★★☆☆ … 8
ビンボー高校生・佐藤洋はある日ふらりと入ったスーパーで、半額になった弁当を見つける。それに手を伸ばした瞬間、彼は嵐のような「何か」に巻き込まれ、気づいた時には床に倒れていた。そこは半額弁当をめぐり熾烈なバトルロワイヤルが繰り広げられる戦場だったのだ! その不可思議な戦いに魅せられた佐藤は、そこに居合わせていた同級生・白粉花とともに半額弁当の奪取を試みるが、突如現れた美女、「氷結の魔女」に完膚なきまでに叩きのめされる。そして、その美女が佐藤に告げた言葉は…。第5回大賞作家の新境地、庶民派学園シリアス・ギャグアクション、開幕! |
何という熱血漢、もとい、熱血バカ。
スーパーで売っている半額弁当に命懸けで情熱を燃やす者たちの青春バトルコメディ。
サブタイトルで気づく人も多いと思いますが、「ベン・トー」とは「弁当」のことです。
もうこの題材で1本の物語を書くことを決めた時点で、作者はこの話の半分は成功させているんじゃないかな。
真剣に半額弁当をかけて争う様は、登場人物がマジになればなるほどギャップに笑いがこみ上げてきます。
序盤こそは理不尽な罵声を浴びる主人公・佐藤洋に同情したりしますが、途中から「ああ、コイツもバカなんだな……」というのが判明しだしてくると、この本の楽しみ方が分かってきます。
戦場(スーパー)でのルールを理解し始める中盤辺りから面白くなってきますね。
まぁ、ルールといっても厨二病っぽい設定ですがw
「ここはオレに任せて先に行け!」みたいなノリで半額弁当を対象に繰り広げている戦いに笑いを我慢できません。
これも思わず声に出して笑っちゃう作品なので、迂闊に外で読めないっすねw
シュールなのに熱いという不思議な面白さがたっぷり入っています。
『庶民派学園シリアス・ギャグアクション』とは上手いこと言ったもんです。
そんな話だから、キャラが濃いこと濃いこと。
メインキャラから名前すらないキャラたちまで、どいつもこいつも熱過ぎる。
その中でも特に佐藤の同級生・白粉(おしろい)は輝いているなぁ。色んな意味で。
大人しい性格かと思いきや、実は……なんて思いませんでした。
あと、注目すべきところは作風の割にはしっかりとした文章。
最初はちょっと堅苦しいかなという印象も受けましたが、それほど時間もかからずに慣れました。
弁当を求めて戦っているので、当然ながら食事シーンなどもそれなりにあるんですけど、その表現が美味い……じゃなくて巧い。
お腹空いているときに読んでいたら、何か食べたくなってきます。
ダイエット中の方はご注意くださいw
おバカ系の作品は、どれもこれも笑いのツボが合わないと評価がガタ落ちになるところがあるので誰にでも勧められるというわけでもありません。
この「ベン・トー」もその傾向がありますね。
でも、コメディの質としてはなかなか高いと思いますので、苦手じゃなければ是非読んでもらいたいですね。
御馳走様でしたw
テーマ: ライトノベル
ジャンル: 小説・文学
タグ: 書評 ベン・トー アサウラ 柴乃櫂人 評価B+| h o m e |